大谷翔平選手の「美文字すぎるサイン」には意味がある…ベテラン筆跡診断士が断言する「出世する人」の特徴
プレジデントオンライン / 2024年11月9日 10時15分
■優しく、リーダーシップも持っている
大谷翔平さんの文字は、のびやかで堂々としていて「正統派」という印象があります。一本一本の線がていねいに書かれていることから、人や物事に対してていねいに向き合うだけでなく、感情線である右ハライも長めであることから、人の気持ちに共感できる優しい人であることもわかります。
そして頭部突出線と呼ばれる横線から上に伸びる縦線が長いことから、ただ優しいだけでなく、芯を感じさせるリーダーシップの能力もお持ちとわかります。
大谷翔平さんの文字の2大魅力
① 今を楽しむ(のびやかで滑らかな線)
「字を上手に書かなくちゃ!」「キレイに書いて褒められたい!」なんて思って書いた時の文字が、つまらない感じになってしまうことってありませんか? 気負い過ぎると脳が緊張して、筋肉の動きを硬くします。だから、線が詰まったような感じになってしまうのですが、大谷さんの文字は美文字なのはもちろんですが、「気持ちよさそうに書いているなー」という印象があります。
これは書いている本人が楽しみながら書いている、コンディションが整っているからこそ書ける線です。自分のコンディションが良くなければいい成績を出し続けることは難しいですもんね。あなたも気負わず「私は私だー!」と思いながらのびやかな線で書いてみてください。
■「翔」からは気配りが読み取れる
② 豊かで優しい感情・感性(文字の左右のハライが長くていねい)
文字の縦線は「自分軸」を表し、ハライは「感情」を表す線です。左ハライは、肩の力を抜いてリラックスする線であるのと同時に、相手に対しての目配り線でもあります。
右ハライは相手への気持ちを表す線、大谷選手の「大」「谷」の右ハライはいずれも長くていねいです。なので、「あの人はどうしているかな」「大丈夫かな」なんて、相手を思いやる気持ちが強い優しい人とわかります。
大谷さんの「翔」の左ハライは最後まで気を抜かずにていねいに払っていて、周りへの気配り・目配りがある人とわかります。さらに、ハライの最後が少し上を向いていることで明るい印象があります。これは明るくて気配りができる人が書ける「モテ線」なのです。
自分もリラックスしていて周りへも目配り気配りができる明るく優しい人ですから、愛されてモテないはずがないわけです!
■「平」の縦線は「ぶれない自分軸」
③ 大谷翔平選手になりきってみよう
大谷選手の書きグセを真似て生き方をトレースしてみましょう。
気持ちよくのびやかな線を書くのに、緊張しちゃうなと思ったら、新聞紙や裏紙などもったいなくない紙に太いマジックなどで書くのがおススメです!
書き方のポイントは、左右のハライをていねいに書くこと。
左ハライはスーッと気持ちよく肩の力を抜いて、ハライの先は、次の線を意識して少し上向きに書くと明るく見えます。
右ハライはやや長めに、「あの人元気かなー」と、大事な人を思い浮かべながら書いてみてください。
そして「大」の2画目の縦線を突出させて、人の上に立つリーダーシップを、「平」の最後の縦線をスーッと気持ちよく長く書いてぶれない自分軸を意識すると、愛されるだけでなくぶれないリーダーにもなれますよ!
■知的で人間味あふれる田中角栄のサイン
田中角栄氏は、日中国交回復を成功させたり、日本中を高速道路や新幹線などの高速交通網で結ぶという当時としては画期的な日本列島改造論を計画・実行し、強烈な指導力と権力・影響力を持っていた昭和の政治家です。
田中角栄氏といえば「金と権力」というイメージがありますが、それに反して田中角栄氏の文字は非常に品があり、知的で人間味あふれる文字です。
特に苗字と名前の書き方の違いは興味深いです。苗字は「家」「組織」を表すことから、公的な立ち位置の生き方が表れる文字です。田中氏の苗字は楷書で強い右上がりに書かれています。これは一本気で割り切った思考の人に多い書き方です。
一方、個人を表す名前は行書で非常に優しい曲線で書かれています。この曲線は人間力や器を表し、行書というつながった線は人とのつながりを表すことから、強さや厳しさと優しさを併せ持った、味のある非常に魅力的な人であったのではないでしょうか。
■角栄と大谷翔平のサインの共通点
後年の田中氏のサインを見ると、どんどん崩し字になり、オリジナリティあふれる文字になっています。
一般人には「田中角栄」と全然読めません。この崩し方は超越字といって、読みやすさより自分らしさを追求した、一般の人が考えるさらに上をいく人に見られる筆跡特徴です。
「越山」の2画目の縦線が強く長く伸びている頭部長突出型というリーダーシップ線は、大谷翔平さんと同じ特徴ですが、田中角栄氏の頭部突出線は明らかに長く強い線であることから彼の「越山(彼の政治団体)」でのリーダーシップの強さが感じられます。
なかなか真似できない崩し字と強力な頭部突出線から、彼の権力や強さが増していったことが想像できます。そして、「田中(組織)」の大きさに対して「角栄(個人)」がどんどん大きくなっていったことから、自我も肥大していったのかなと想像します。
しかしながら、この書を見る限りでは才気煥発というか知的で風雅で上品な人のイメージしか湧きません。強い権力を持ったことで残念な結果になってしまいましたが豪胆で凜とした印象を併せ持つ味のある人物、ぜひ生前お会いしてみたかったなと思います。
■「自民党をぶっ壊す」小泉純一郎元首相のサイン
それと対をなすように小泉純一郎氏のサインも興味深いものがあります。
小泉純一郎氏も書をたしなんでいた方ですので、書の基礎はお持ちです。が、政治姿勢として「自民党をぶっ壊す」というスタイル通り、文字は基礎に忠実というより、やはり超越字型で独特な書き方です。
田中氏の視線は、常人が考えるその一歩上をいくのに対し、小泉氏の文字はオリジナリティあふれる書き方をしています。両者に共通するのは、みんなにとって読みやすいかどうかは関係なく、「俺についてこい」「わかる奴だけくればいい」というまさに強いリーダーシップを持った個性的な人の文字です。
小泉純一郎氏までの自民党の党首は皆さん、味のある興味深い文字を書いていました。
今は書をたしなまない政治家が多くて残念です。たしなみとしての書というより、政治姿勢をそこから感じることができたからです。
時代なのかもしれませんが、できるなら政治家の方には「志」を表現する書は今後もお続けいただきたいなと切望します。
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筆跡診断士
林式匠の筆跡診断考案者。横浜ゴムを経て、2000 年に匠佳堂を設立。全国の経営者・ビジネスマンに筆跡診断やエニアグラムによる自己啓発・講演・研修などを行っている。筆跡診断数は約6200 件。現在は、「林式 匠の筆跡診断士養成講座」、筆跡心理学とエニアグラムで自分の「トリセツ」を作る「魔法の開運文字セラピー講座」、筆跡を気軽に楽しく学べるサブスク「デカ文字ラボ」を主宰し、全国に多くの受講生を育成している。主な著書に、『一文字セラピー』(日本文芸社)、『成功する人は字がデカい!』(自由国民社)などがある。
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(筆跡診断士 林 香都恵)
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