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「貯金が少ない若者」は新NISAをやっても失敗する…「お金持ちになりたい人」が真っ先に始めるべき"投資"

プレジデントオンライン / 2024年11月15日 7時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

自分の資産を増やそうと、新NISAで投資を始める人が増えている。しかし、元手が少ないと大金を稼ぐことは難しい。若者でもお金持ちになるにはどうすればいいのか。東大AI博士・カリスさんの著書『誰でも“天才になる”方法』(扶桑社)より、一部を紹介する――。

■「お金持ちになりたい若者」の厳しい現実

金融資産の中央値(単身世帯)は、20代で9万円、30代で100万円しかない(令和5年金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」)。だから、なんとなくお金持ちになりたいと願う若者は多いだろう。

●広い家に住みたい
●いろいろな体験がしたい
●子供に良い教育を与えたい
●高くて美味しいモノが食べたい
●好きなモノを好きなだけ買いたい
●FIREを達成して、働かない権利を得たい

そんな希望を抱いて「株式・不動産・仮想通貨・FX・債券・金」といった資産運用を始める若者は年々増えている。しかし、ほとんどの場合、資産運用に失敗するか、資産運用でお金が貯まるころにはもう若くないので、思い描いた将来像には到底届かない。

なぜなら、資本主義は「複利」と「情報の非対称性」に代表されるように「お金がお金を生む仕組み」であり、元手の少ない若者には圧倒的に不利だからだ。

■元手が少ない人ほど自己投資は重要である

逆に若者が圧倒的に有利なお金の稼ぎ方は「労働」である。資産家は自分で働くことを嫌い、「価値がある」と感じた労働には喜んでお金を払うからだ。

自己投資は数年単位の時間と活力を要するが、資産運用より費用対効果が圧倒的に高い。

●自己投資:自分自身に投資し、稼ぐお金を増やす(例:AIと英語を勉強してAIエンジニアを目指す)
●資産運用:株や債券などに投資し、お金でお金を増やす(例:優遇税制の新NISAでS&P500に積立投資する)

そのため、カネのない若者は高いリスクを取って、最悪借金をしてでも自己投資して、自分の希少価値を高めて高収入の仕事につけたほうがいい。そしてその収入を元に、資本所得を増やしていく。日本の労働所得と資本所得の割合がおよそ7:3であるように、多くの人にとって一番の資産は人的資本なのだ。

■大事なのは自分の成長を信じられるかどうか

希少価値のある働き方としては、資本所得も保有できる働き方が理想なので、自分で事業を起こすか、スタートアップに初期メンバーとして参画するのが最も筋が良い。

とはいえ、当然リスクとのバランスもあるので、大企業で出世を目指すなどの働き方でも構わない。

大切なのは、短期的なキャッシュフローを気にせず、5年後・10年後の希少価値を自分の思考と自分の責任で考えること。「利益確定ライン」「損切りライン」という投資の原則に基づいて、冷静にリスクを取っていけば、自己投資の成功確率は高い。

現に僕も有り金を全部はたいて、東大で博士号まで取得したし、そこで得た圧倒的な研究業績とネットワークと知名度をもって、「医療AI研究開発にすぐ使える医用画像データプラットフォーム」事業を手がけるカリスト株式会社を立ち上げた。

自分に確信がある限り、自己投資は怖くない。

自己投資にお金が使えない人は、自分が成長することを本気では信じていない人だ。

「年寄りは若い者に貯金をしろと言うが、それはまちがっている。最後の一銭まで貯めようなどと考えたらいけない。自分に投資しなさい。私は40歳になるまで、1ドルたりとも貯金したことなどなかった」
――ヘンリー・フォード(自動車王)

■「利益確定ライン」の設定は必須

自己投資も投資なので、目的を明確にしないと痛い目に遭ってしまう。

通常の投資だと、誰もが以下のような「利益確定ライン」を設定していることだろう。

●安定資産:10年後の30歳の時点までに結婚資金(500万円)の調達を確実に目指す
●リスク資産:3年後までに、10%の確率で30倍のリターンを目指す

同様に自己投資においても、明確な「利益確定ライン」を設定した上で、戦略(投資の対象・方法・タイミング)を逆算し実行していくことが重要だ。適切な計画さえあれば、集中投資は怖くない。

■「投資の神様」バフェットの金言

もちろん投資に正解はないので、投資対象(目指す希少価値)にしろ、投資方法(希少価値の高め方)にしろ、投資タイミングにしろ、自分が何を信じるかに尽きるだろう。希少価値は社会の変化をいち早く捉え、早く行動することで生まれるので、鑑識眼が問われるからだ。

だから徹底的に仮説と根拠を考えて、信頼できる人の意見も取り入れつつ、確信を得てから自己投資に全振りしよう。

言い換えると、少額から始めてリスクを確認してから投資金額を増やそう。

「株式投資の極意とは、良い銘柄を見つけて、良いタイミングで買い、良い会社である限りそれを持ち続けること。これに尽きる」
――ウォーレン・バフェット
ウォーレン・バフェット
ウォーレン・バフェット(画像= USA International Trade Administration/CC-PD-Mark/Wikimedia Commons)

■「勢いでビジネススクール」は失敗の始まり

残念ながらほとんどの人は、資産運用したつもりで「資産(購入額以上の金銭を生み出す財源)」ではなく「ゴミ」を買ってしまう。

そして同じことは、自己投資においても言える。

「勢いで仕事を辞めて高いビジネススクールに通う」
「全財産をはたいてプログラミングのセミナーを受ける」

このように自己投資に失敗すると、お金も時間も失って、自己肯定感だけが下がってしまう結果となる。

人生一発逆転を狙うなら、間違いなく自己投資に賭けるべきだ。しかし、冷静かつ大胆な自己判断ができない人がそれを真似ても身を滅ぼすだけ。覚悟と信念が持てない人には、従来の投資鉄則に従って、人的資本と金融資本に長期的に分散投資することを強く勧める。

「リスクをもたらすのは、自分の行動を理解していないことだ」
――ウォーレン・バフェット

■デキる人は「引き際」を見極められる

自己投資も投資なので、リスク許容度を明確にしないと痛い目に遭ってしまう。

カリス『誰でも“天才になる”方法』(扶桑社)
カリス『誰でも“天才になる”方法』(扶桑社)

通常の投資だと、誰もが以下のような「損切りライン」を設定していることだろう。

●1年後の時点で、10%以上の損失が出ていたら損切りする
●一度でも100万円の損失が出たら損切りする

同様に自己投資においても、明確な「損切りライン」を設定することが重要だ。撤退基準さえあれば、集中投資は怖くない。

もちろん投資に成功の保証はないので、「必ず幸せになれる」「必ず高収入になれる」なんてことはない。だから事前に賭ける時間とお金を決めておいて、マイルストーンが未達だったら潔く諦めるべきだろう。たとえば、1年間100万円賭けて全力で頑張ってみて、伸び代が見えなかったら諦めるとか。

漢書の刑法志に「善く敗るる者滅びず」という言葉があるように、人生においては負け方も重要である。

許容できる負け方をしたら、「負けたらそこで試合終了」ではなく、「負けても試合続行」で新たな挑戦に向かえるからだ。

「自分の能力とその限界を知っている頭のいいトレーダーは、自分の引き際を知っている」
――岩崎日出俊(多くの産業再編に関わった投資家)

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カリス 東大AI博士
1993年、韓国生まれ。大阪大学・招へい准教授。長崎大学・特任准教授。博士(情報理工学/東京大学)。16歳で東京大学に合格。学生時代に能力を評価されて日本の永住権を取得。英・ケンブリッジ大学/独・ミュンヘン工科大学/伊・ミラノビコッカ大学で訪問研究。「みんな健康かつ笑顔で暮らせる社会」を実現すべく、医療AI/創薬AI研究開発にすぐ使える医用画像データプラットフォームを手がけるカリスト株式会社を2022年6月27日に起業。YouTubeチャンネル「カリス 東大AI博士」にて、科学的勉強法・科学的思考法・AIなどについて配信中。

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(東大AI博士 カリス)

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