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休日を休息に使うより効果的…マイクロソフト幹部300人が実践する「世界最高の休み方」5つの共通点

プレジデントオンライン / 2024年11月22日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/simonkr

仕事と私生活の満足度を高めるにはどうすればいいか。クロスリバー代表の越川慎司さんは「日本のビジネスパーソンは、仕事と私生活を『対立構造』で考えがちだが、マイクロソフトのエグゼクティブは、休日を休息のための時間ではなく、仕事で成果を上げるための『原動力』と考えている」という――。

※本稿は、越川慎司『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

■休日を「楽しむ」ことで人生を好循環させる

マイクロソフトには、約300人のバイスプレジデントがいますが、彼らの休日の過ごし方を観察してみると、大きく二つの共通点があることに気づきました。

一つは、土日の休日を、次の1週間を成功に導くための準備期間と考えて「自己再生」(本来の自分を取り戻す)を意識していること。

もう一つは、スポーツや趣味、家族や友人とのバーベキューやキャンプなどを楽しむことで、身体と心、脳のリフレッシュを図り、次の1週間に向けて、エネルギーを「チャージ」(充電)していることです。

彼らは休日を休息のための時間ではなく、仕事で成果を上げるための「原動力」と考えているのです。

私が注目したのは、彼らがそれを「楽しんでやっている」ことです。

仕事を成功に導くための準備というと、多くの人が「苦行」や「修行」を連想してウンザリした気持ちになると思いますが、マイクロソフトのエリートたちは、スポーツや趣味を楽しみ、休日を満喫することで、自己再生とエネルギー・チャージという二つの目的を実現していたのです。

「充実した休日を過ごすことで、仕事の成果が上がる」→「成果が上がれば、休日が楽しくなる」→「休日が楽しくなれば、さらに成果がアップする」……というサイクルを回すことによって、「人生を楽しくしている」のだと思います。

■ビル・ゲイツがデジタルデトックスしていた理由

彼らが休日に実践しているのは、次のような5つのことです。

【実践①】休日と仕事を切り離す

休日と仕事を完全に切り離すことを意識しています。

仕事のことは頭の片隅に追いやって、スポーツや趣味など、目の前の楽しさに集中することを徹底しています。

仕事を忘れることで、脳と心と身体を「完全リセット」しているのです。

テニスをするグループ
写真=iStock.com/microgen
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/microgen
【実践②】エネルギーを再充電して、創造性や集中力を高める

休日は怠けるための時間ではなく、自分の中のエネルギーを再充電して、創造性や集中力を高めるための機会と考えています。

充実した休日を楽しむことで、ストレス・レベルを下げ、長期的なパフォーマンスの向上を目指しています。

【実践③】デジタルデトックスの時間を作る

休日には、デジタルデバイスから距離を置くことを重視しています。

メールやSNSの確認を控えることで、仕事の圧力から解放され、リラックスした気分で休日を満喫できるといいます。

必要な連絡は事前に済ませるか、休日明けに対応することを周知徹底しています。

パソコンの産みの親であるビル・ゲイツも、休日にデジタルから離れる時間を意図的に作っていました。

あのビル・ゲイツでも、デジタルデトックスによって脳をリフレッシュしていることに、何か本質的な「解」があるように思います。

■休日に軽い有酸素運動の効果

【実践④】健康管理を徹底する

平日だけでなく、休日も健康管理に気を配っています。

「健康的な食事」と「十分な睡眠」、「適度な運動」は、彼らのルーティンの一部になっており、これらを徹底することで、仕事中の高いエネルギーレベルを維持し、ストレスに強い身体を保つことを意識しています。

エグゼクティブの多くが、休日に軽い有酸素運動をしています。

ゆっくりとしたジョギングは、膝を傷めないだけでなく、糖尿病になるリスクを抑えたり、寿命が伸びるという医学的データもあります。

ジョギングは場所や時間を選ばず、道具も必要ないため、手軽な健康法として習慣化している人が多く見られました。

■「ワーク・ライフ・ ハーモニー」の実現

【実践⑤】良好な人間関係の維持

親しい友人や家族と一緒に過ごす時間を重要視しています。

人とのつながりや信頼関係、愛情を深める行動は、オキシトシンの分泌を促します。

オキシトシンは、「愛情ホルモン」や「絆ホルモン」とも呼ばれ、脳内にオキシトシンが分泌されると、長く続く幸福感を得ることができます。

人間の脳は、達成感が得られるとドーパミン(快楽ホルモン)を分泌したり、軽い運動などによってセロトニン(リラックス・ホルモン)を分泌しますが、これらのホルモンは一時的なもので、長続きすることはありません。

世界の一流は、気心の知れた友人や家族と一緒に時間を過ごすことで、長期的な幸福感を手に入れているのです。

こうした考え方から、彼らエグゼクティブが目指しているのは、「ワーク・ライフ・ハーモニー」(仕事と生活の調和)の実現であることがわかります。

英語には「ワーク・ライフ・バランス」という表現があり、日本でも古くから知られていますが、この二つの考え方には大きな違いがあります。

■仕事と私生活は「対立構造」ではない

ワーク・ライフ・バランスというのは、釣り合い人形の「弥次郎兵衛」のように、仕事と生活のバランス(均衡)を取って、どちらかに傾かないようにする……という考え方ですが、ワーク・ライフ・ハーモニーは、両者を切り離して考えるのではなく、上手に統合して調和させることを意味しています。

越川慎司『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)
越川慎司『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)

頑張って仕事をすると、プライベート(私生活)が犠牲になります。

私生活を優先させると、仕事がおろそかになります。

日本のビジネスパーソンは、仕事と私生活を「対立構造」で考えがちですが、マイクロソフトのエグゼクティブは、仕事が個人の成長を促し、個人の生活が仕事のパフォーマンス向上に役立つ……と考えています。

彼らは、仕事と私生活の両方のクオリティを上げて、両方の満足度を高めることを目指しているのです。

それを上手に統合して、調和を図る役割を果たすのが「休日」であり、彼らは休日を、ワーク・ライフ・ハーモニーの「原点」と考えています。

「休みのために仕事をする」という言葉には、そうした決意と覚悟が現れているように思います。

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越川 慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー代表
元マイクロソフト役員。国内および外資系通信会社に勤務し、2005年に米マイクロソフト本社に入社。2017年にクロスリバーを設立し、メンバー全員が週休3日・完全リモートワーク・複業を実践、800社以上の働き方改革の実行支援やオンライン研修を提供。オンライン講座は約6万人が受講し、満足度は98%を超える。著書に『AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣』、『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(共にディスカヴァー・トゥエンティワン)、近著に『29歳の教科書』(プレジデント社)がある。

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(株式会社クロスリバー代表 越川 慎司)

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