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「趣味がない人」は仕事もできない…優秀な人ほど有給消化率が20%も高く多趣味である納得の理由

プレジデントオンライン / 2024年11月28日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/chabybucko

仕事の成果を出せる人は休日に何をしているのか。クロスリバー代表の越川慎司さんは「仕事で成果を上げている優秀な人は、有給休暇の消化率が20%以上も高く、複数の趣味を持っていることが弊社のアンケート調査で明らかになっている。彼らは、先に休む日を決めて、それに向かって計画的に仕事を進めることで『締め切り効果』をフル活用している」という――。

※本稿は、越川慎司『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

■有給休暇を取らない人ほど、「休んでもやることがない」と考えている

私は現在、日本企業815社で「働き方改革」や「休み方改革」の支援をしていますが、日本のビジネスパーソンの顕著な特徴として、有給休暇の取得率が低い人ほど、「休んでも、やることがない」と考えている傾向が見られます。

この傾向は、管理職になるほど高くなっており、「無理して休みを取っても、コレといってやることがない。家にいても邪魔にされるだけ」という理由から、休みを取らない人が多数を占めているのです。

欧米のビジネスパーソンであれば、1週間の休みが取れたら、「家族とキャンプに行って、メジャーリーグ観戦やバイクでツーリングもできるな」と即座にスケジュールが決まります。

日本人の場合は「何をすればいいのか……」と悩んでいるうちに、2~3日の休みを消化してしまう人も珍しくないようです。

こうした人に共通するのは「趣味がない」ということです。

私にも身に覚えがありますが、日本のビジネスパーソンには、「仕事以外に趣味と呼べるようなものがない」という人が少なくありません。

仕事に追われるような毎日を送っているため、時間的にも、気持ち的にも、趣味に当てられるような余裕を見出せない人が多いのだと思います。

マイクロソフトのエグゼクティブの休み方を目の当たりにして、私が「これはやばいな」と痛感したのが、自分が無趣味であったことです。

趣味と呼べるものがないと、休日をどう使えばいいのかわからず、土日はダラダラと寝て過ごすことになります。

それで疲れが取れればいいのですが、身体も心もスッキリとすることはなく、頭の切り替えができないため、脳の働きが活発になることもありません。

当時の私は「趣味を楽しむのは、定年退職してからで十分」くらいに考えていましたが、周囲のエグゼクティブが楽しそうに休日を過ごしているのを目の当たりにして、趣味の重要性を改めて認識するようになったのです。

■趣味で「右脳」を刺激することで、人生は2倍も3倍も豊かになる

現在の私は、当時の私が知ったら仰天するほどの「多趣味人間」になっています。

衝撃のハーレー体験をしたことで、日本に帰ってからオートバイの大型免許を取得して、休日にはハーレーでツーリングを楽しんでいます。

トライアスロンを始めて大会に参加したり、日本人選手の活躍を応援するために、イギリスやスペインにサッカー観戦に行くこともあります。

日常的には、ロードバイクに乗って近所の道を走ったり、行く先々の土地で書店巡りをすることも、私の大切な趣味となっています。

2024年の4月からは、京都芸術大学の3年生となり、二度目の大学生活をスタートさせました。

私は京都大学で大学院生を教えていますが、京都芸術大では学生になって、アート学科の映像コースで学んでいます。

オンライン授業がメインですが、年齢が二回り以上も違う学生たちと一緒に勉強するのは新たな刺激になっています。

仕事では、ロジカル思考をする「左脳」ばかり使っていますから、日常的に使うことのない感性とかアートを司る「右脳」を刺激することによって、脳の働きが活発化することを期待しているのです。

こうした新たなチャレンジによって、私の人生は2倍も3倍も豊かになり、働きがいも同じレベルでアップしたと感じています。

■働きがいや生きがいは休みのときに感じられる

マイクロソフトのアクティブに休日を楽しむエグゼクティブの姿を見て、当時の私は、「働きがいとか、生きがいというのは、仕事をしているときではなく、休みのときに感じるものかもしれない……」と考えました。

現在の私は、もう少し正確に表現することができます。

「働きがいとか、生きがいというのは、仕事をしているときではなく、休みのときに趣味を満喫することで感じるものなのです」

公園に座りながらコーヒーを飲む女性
写真=iStock.com/Farknot_Architect
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Farknot_Architect

現代のビジネスでは、最初から成功を目指さず、「行動実験」を繰り返すことが結果的に成功に近づきます。

学びを積み重ねていくことが成果を出すための最適解となっており、趣味についても同じことがいえます。

「自分には趣味がない」と感じているならば、新たなチャレンジを開始することが大切です。

さまざまな行動実験を繰り返すことによって、自分が納得できる趣味を引き寄せることができます。

そのプロセスもまた、あなたの人生を豊かにしてくれるものだと思います。

■趣味ができると仕事の効率が格段にアップする

弊社が日本のビジネスパーソンに実施したアンケート調査によって、仕事で数多くの成果を上げている優秀な人は、有給休暇の消化率が20%以上も高く、複数の趣味を持っていることが明らかになっています。

仕事ができる人に共通する特徴は、「週末にテニスをしたいから、効率的に仕事を進める」とか、「海外にフィッシングに行きたいから、1週間の休暇を取るために仕事のスケジュールを前倒しで回す」など、趣味を楽しむために仕事のスケジュールを逆算して考えて、業務効率を高めていることです。

「休めそうなら休む」とか、「暇になったら休む」と考えてしまうと、いつまで経っても休みが取れず、趣味を楽しむこともできません。

彼らは、先に休む日を決めて、それに向かって計画的に仕事を進めることで「締め切り効果」をフル活用しているのです。

締め切り効果とは、期限を設定することで集中力が働き、効率的に作業を進めることができる……という心理現象を指します。

締め切り効果が起こると、「集中力が高まる」→「業務効率がアップする」→「早く仕事の成果が出せる」→「確実に休暇を取得できる」→「趣味を楽しめる」→「ストレスを解消できる」→「次のタスクに前向きに取り組める」……というサイクルを回すことができます。

決められた期限に間に合わせるのではなく、自分の楽しみのために設定した自分だけの期限を守るために仕事をする……という思いがモチベーションのアップにつながるなど、仕事のできる人たちは自分の趣味を上手に使って、仕事の生産性を高めているのです。

■楽しく遊ぶためには、どんな働き方をすればいいのか?

私の場合は、趣味ができたことで、柔軟な働き方を手に入れることができました。

越川慎司『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)
越川慎司『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)

バイクが趣味の私は、年に2回は北海道一周のツーリングを楽しんでいますが、この趣味を可能にするために、コロナ禍の3年前からリモートワークを始めて、どこにいても仕事ができる環境を整えたのです。

リモートを導入したことで、企業コンサルティングや講演、講座などは旅先のホテルでできるようになったため、仕事場所の自由度は格段にアップしました。

コロナ禍の外出禁止令下でも、普段と変わらずに仕事ができたことで、難局を問題なく乗り越えることができました。

北海道のツーリングを楽しむための選択肢が、結果的に大きなラッキーを呼び込んでくれたのです。

この経験を通して、「楽しく遊ぶためには、どんな働き方をすればいいのか?」という視点で日常を見つめ直してみると、小さな発見がいくつもありました。

例えば、仕事をしているときの「休憩」の取り方です。

ツーリングをしていると、45分から1時間くらい走ったら、疲れていなくてもパーキングエリアなどで小休止することが、自分の安心と安全を守ることになります。

私は、このサイクルを日常の仕事にも応用して、疲れを感じていなくても、45分ごとに短い休憩を挟むことで、作業効率を高めて、疲労の蓄積を回避しています。

休日に楽しく遊んでいると、仕事をしている中では気づかないヒントを発見することができると思います。

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越川 慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー代表
元マイクロソフト役員。国内および外資系通信会社に勤務し、2005年に米マイクロソフト本社に入社。2017年にクロスリバーを設立し、メンバー全員が週休3日・完全リモートワーク・複業を実践、800社以上の働き方改革の実行支援やオンライン研修を提供。オンライン講座は約6万人が受講し、満足度は98%を超える。著書に『AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣』、『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(共にディスカヴァー・トゥエンティワン)、近著に『29歳の教科書』(プレジデント社)がある。

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(株式会社クロスリバー代表 越川 慎司)

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