「バーキン買うなら豊胸しろ」には衝撃を受けた…北京、ハワイ、LAに住んだギャルが日本に帰国して驚いたこと
プレジデントオンライン / 2024年11月24日 18時15分
※本稿は、Yuna(ろこゆん)『北京・ハワイ・LAに移住してたどりついた どんな逆境もホームにする生き方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
■私は絶対、豊胸よりバーキン
日本に住むようになって、街を歩いていたら、「バーキン買うなら豊胸しろ」という広告をラッピングしたタクシーを見かけて、「ありえなくね?」と写真を撮ったことがあります。同じお金をかけるなら、私は絶対、豊胸よりバーキンです。バーキンは価値が上がるので、浪費ではなく資産になります。胸はサイズ関係なくいつか垂れるので、私は賢い投資だとは思えません。
私はYouTube界で1、2位を争うくらいの貧乳で、コメント欄にも「貧乳だね」「豊胸しないの?」「胸ちっちゃすぎない?」とよく書かれます。
ですが、生まれ変わって貧乳と巨乳のどちらを選ぶかと聞かれても、私は貧乳を選びます。貧乳と巨乳のメリットとデメリットを考えたら、貧乳のメリットのほうが個人的には好きです。
貧乳だと、飲みの場でも笑いを取ることができます。バーベキューでまな板を探している人に、「私の使う?」って胸をグイッと見せると、100%笑いを取れます。着る服を選ばないし、スリムに見えるから貧乳最高だなって思います。
肩も凝らないし、垂れにくいし、汗疹ができないし走りやすいし、いいことずくめです!
■女性の本能をドル箱扱いする日本
もちろん、胸が豊満な方には別のメリットがあると思っています。
日本では、コンプレックスを刺激する商法で怪しげな美容施術を散見します。
胸が大きいほうがいい? 二重のほうがいい? どこの馬の骨かもわからない誰かが美の基準を決めつけては、それに合わせて「努力」をする日本人女性、アジア諸国の女性を私はたくさん見てきました。
「美しくなりたい」という女性の本能を、ドル箱扱いしないでもらいたいものです。
私の好きな言葉に、マネージャーをしているアビーの「自分のコンプレックスは自分で決めたい」があります。
美しさとは、誰かが決めるものではなく、良い・悪いの取捨選択をした上で、自分の一番なりたい姿でいることなのではないかと思います。
■これまた驚いた原宿の店員さんの一言
日本に来て気になったのは、女の子たちが体のラインを隠すような服ばかり着ていることです。腹立ちますね。って、私の買いたい服が日本にないから、腹が立っているという個人的な文句なんですけど。
先日、原宿で買い物していたら、かわいいニット生地のショートパンツを見つけて、「うわ! これかわいい、試着したい!」と思ったんです。私は日本であまり洋服を買わないから、買いたいと思えたのが久しぶりで、すごく嬉しくて。
店員さんが、「かわいいですよね」と接客してくれたのですが、「これってお尻のラインもすごい綺麗に隠れるんですよ」と言われて、「え⁉ 隠れちゃうんですか?」とビックリして聞き返しました。「私、隠したいんじゃなくて、お尻のラインを出したいんですよね」と言ったら、店員さんは困っていました。
あなたが体のラインを隠すファッションが好きだったらOKです。ボディーラインが見える服を買いたいというのは私の好みだから、隠したいならそれでいいと思います。
でも、本当は肌を出したいのに出せない人はもったいないです。
「脚が太いって思われるんじゃないか」とか「胸が小さいから似合わない」とか、周りの目を気にして諦めているんだったら、自分の着たい服を着てほしいです。
アメリカでは、太っている人もミニスカートを履くし、誰もそれをとがめたりしません。
痩せてるとか、太ってるとかも関係ないです。自分が着ていて楽しくて、気分を上げるためにファッションはあると思うんです。
■「年相応」なんてもったいない
年相応って言葉もあまり好きじゃないです。
母も自分のスタイルに自信があって、20代後半までショーパンをはいていたのですが、30代になってはかなくなっちゃったんですよ。
「なんではかないの? お母さん、似合ってて、私好きだよ」って言ったら、「もう年取っちゃったし、あまり似合わなくなったから」って言われて。子どもの私から見てもスタイルは綺麗だったから、もったいないなって思ってました。
そのときの自分にこれが似合うって思って着るんだったら、それでいいと思うんです。でも「この年齢だとこれを着なきゃいけない」って決めつけるのは嫌なんです。
露出が大好きだった私も、最近は、ロングスカートにハマっています。大人の雰囲気に合っていて、ロングスカートをはくのも楽しいなと思うようになりました。
この前は自分がロングスカートを履いていることを忘れて、ダーツで勝った友人の純平を蹴り上げようとしたら、思いっきりつまずいて転んでしまいました。昔と違って蹴りにくい格好をするようになったことを忘れていました。みんなウケて爆笑してくれたから、よかったんだけど。膝にアザできたけど。
もちろんミニスカートも相変わらずよくはいてます。
ぜひ皆さんも、コンプレックスや年齢じゃなくて、自分の「好き」「楽しい」という気持ちを優先して考えてみてください。
■敬語はケースバイケースでいい
ファッションと同じく、多くの日本人がルールや「人からどう見られるか」にがんじがらめになっていて、自分で意思決定する力を失いかけているんじゃないかなと感じます。
例えば、飲み会で「上座」とかありますよね。偉い人が上座に座って、そうでない人は下座に座る、みたいな。
文化を重んじることはとても素敵なことだし、相手をわかりやすく敬うためにあるルールは尊重したいです。事実、私も尊敬している先輩に「タメ語でいいよ!」と言われても、敬う気持ちを表すために敬語に徹するときがあります。
私はYouTubeに「言葉遣いを直しな」ってコメントを書かれたことがあります。
「普段からそういうしゃべり方をしていると、ちゃんとした場面でうまくしゃべれないし、敬語がしゃべれないと信頼を得られないよ」というコメントでした。私の敬語は完璧じゃなくて、ところどころ怪しいことは自分でも分かっています。ですが、事実として、私の話し方が理由で誰かの信頼を損ねたことは過去に一度たりともありません。
人の本質とは、敬語で表せるものなのでしょうか?
日本語に根付いているものですし、敬語が嫌いだと言っているわけではありません。
先述の通り、誰かを敬うために作られたこのシステムは日本の侘び寂びが反映された、美しい言葉だと思います。
ですが、それが人間性を判断する指針になることはきっとありません。
■日本社会に根付く「見えない縛り」
人間性が宿るのは会話の内容であって、決して敬語だけではないはずです。敬語をそれはもうとても綺麗に使いこなしていても話が劇的に面白くない人の話には大半の人は興味を持てないでしょう。一方、面白いエピソードを持っているなら、どんなに敬語が汚くてもその人の話を聞いてみたくなると思うのです。
年を重ねてその広い視野と知識で導いてくれる先輩もいれば、ただイタズラに年だけを重ねた阿呆だっているわけで。
敬意を表するのは、相手と対峙して「年が上だから敬う」のではなく、「尊敬できるから敬いたい」と判断した結果のはずです。
ですが、年上だからと無条件で敬うルールは、「どうせ年を重ねれば敬われる」と思って素敵になる努力を放棄する者や、目上の人を尊敬できない自分のことを「ルールから外れているのではないか」と疑ってしまう若者だって生んでしまうと思っています。
年上を敬うというルール以外にも、この見えない縛りの厄介さは尽きません。「3回デートしたら告白する、しないと脈なし」という謎の暗黙の了解から、コロナ禍後に世間を騒がせた「マスク警察」やら、幅広いです。
私は皆さんに、「自分の納得できないルールは気にする必要ないよ」って言いたいです。
多分あなたが思っているより、周りの人は意味のないルールや建前を気にしていないし、気にするフリが上手い人が世の中多いんだよ、って。
今後の発信で、形に縛られている人が、ちょっとでも楽に生きられるようなことを伝えていけたら嬉しいな、と思います。
■「デコレーション命」じゃ楽しくない
日本人は見てくれや「デコレーション」の部分にとても気を使うなと感じます。
細部にこだわりすぎたマナーやルールはとても窮屈だと私は思います。
形だけのルールを課せられるたびに、自分の思考を1個削らなきゃいけないような気がするのです。
本質ではなく、取り繕うことばっかり長けていく日本人を多く見る今日この頃。
それは、本当に楽しいのかな? 大事なことを見失ってないかな? と思います。
大事なのは中身で、デコレーションはその中身を引き立たせる役目を担っているはずなのに、「目的」になっていると感じることが多いです。
日本ではデパートの包装もすごく綺麗で丁寧に包んでくれるから、いつも感心して見ていますが、開けたら捨てちゃうので、「そんなに丁寧にする必要ある?」って疑問に感じる時もあります。
■大切なのは、思考を止めないこと
包装の美しさだけで買うかどうかを選ぶ人はかなりレアだと思うので、力を入れるのはそこなのかな? 包装をシンプルにして早く手渡してくれた方が、予定に追われる現代社会の人々は喜ぶんじゃないかな? なんて考えてしまうことがあります。
適切なルールが今の平和で清潔な日本社会を維持しているのはもちろん理解していますが、もう少しだけ優しい気持ちを持てて、融通をきかせられたら、日本はより暮らしやすい国になるのではないかと思います。
どうせ自分が発言しても何も変わらない、というのは多くの若者の本音です。
変わらないと諦めてしまうような世の中を作ってしまったのは、ルールや先入観、そしてみてくれを気にする文化も多少影響しているのではないでしょうか。
もっと自分らしく、自分のままでいられる世界ができてもいいのだと思います。
私は明日もミニスカートを履くし、必要のないルールには是非を問います。
思考を止めたくないから、そして自分が自分であるために必要だからです。
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YouTuber
1996年に日本で生まれ、6歳から中国・北京へ移住。10歳からはアメリカ・ハワイで育ち、大学卒業後ロサンゼルスへ移る。2024年6月より日本移住予定。「愉快なVLOG」をテーマに、海外のリアルを届ける動画や言語学習に関する動画、自身のポジティブマインドなどを発信。
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(YouTuber Yuna)
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