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職場に「嫌いな人」がいてもイライラしなくなる…たった3分でできる「自分で自分の機嫌を取る方法」

プレジデントオンライン / 2024年11月25日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maroke

職場の人間関係にイライラした時はどうすればいいか。心理カウンセラーの中島輝さんは「相手を変えるのは難しいので、自分の機嫌を自分で取るしかない。短時間で気分を切り替え、仕事のパフォーマンスを上げる方法を4つ紹介する」という――。

■人生に悪影響を与える「嫌いな人」

どんなに仕事が順調で成果が出ていても、職場に嫌いな人がいるだけで、イライラが募ったり、テンションが下がったり。トイレでばったり会うだけでも、呼吸が浅くなり、1日不快な気分に覆われることもあります。

だからといって、異動願いや転職をしようと思うのは早計です。なぜなら、自分で結果をコントロールしきれないからです。

それではいったい、どうすれば職場にいる嫌いな人へのイライラを解決できるのでしょうか。

「人生がどうも楽しくない」「仕事のパフォーマンスが下がった」。じつはこれらの根底には、「職場に嫌いな人がいる」状況が関わっていることがよくあります。なぜなら、嫌いな人というのは、近くにいるとマイナス思考が働き、不快でネガティブな感情に覆われ、人生さえ引きずられる存在ともいえるからです。

■他人ではなく自分の機嫌にフォーカスする

では、なんとかして「嫌いな相手を変えてやろう」と思っても、それは難しいでしょう。精神科医のアルフレッド・アドラーはこう言っています。「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」と。

アドラー心理学では「課題の分離」と言って、他者と自分の課題を分けることが大切だと説いています。他者が自分を認めるか否かは「他者の課題」で、自分にはどうすることもできません。だからこそ、「自分の課題」として自分のやるべきことにフォーカスをするのです。

つまり、他者へネガティブな感情を抱くよりも、客観的に「自分はあの人が嫌い」と認識し、その上で嫌な気分を解決するために、自分のメンタリティを「快」にもっていき、自分のご機嫌を自分で取りに行くことが大事です。そうして自己肯定感を高める方向に思いを巡らせることで、嫌いな人間への意識が薄れ、「放っておける状況」になります。

■職場にいたらむしろラッキーな存在

とは言っても、職場では顔を合わせるし、同じプロジェクトで密接に関わることもあります。そういう時は感情の管理が大切になります。

まずは先ほどもお伝えした「嫌いだ」と客観的にメタ認知して、受容していきます。そして、そもそも「この会社で成し遂げたいことは何?」「自分の人生を豊かにするには何をすればいい?」と、自身の人生や働き方の原点を振り返ってみます。すると、嫌いな人について考えることさえ、自分の未来にとって大事でないと気付けます。

つまり、嫌いな人は原点を見直すきっかけをくれる人とも言えます。職場で見かけたら、「自己実現に近づけさせてくれたんだ、ラッキー」くらいに思えたら、ポジティブに感情をコントロールできている証拠です。こうして状況は変わらなくても、物事の視点や見方を変える「リフレーミング」をしていくと、自分自身が負のサイクルにハマらなくなります。

■「たった30秒」で不快な感情を消す方法

たしかに理屈はわかったし、頭では理解できるんだけど、いざ職場で嫌いな人を見かけたら実践できるかわからない……。そんな人には「30秒」「3分」など短時間で、相手との関係性より自分との関係性をコントロールする方法、つまり手軽に自分のご機嫌を取ったり、楽しくさせたり、やる気にさせたりできるコントロール方法をお伝えします。

すぐにできるのが、自律神経を整える効果がある「深呼吸」です。副交感神経が活性化して、心身がほぐれます。ストレスを感じている時ほど交感神経が優位で自ずと呼吸は早くなるので、3回(計30秒)の深呼吸をしてみる。それだけで、ゆっくりと心が穏やかになっていき、リラックス効果があります。

他にも、30秒程度、肩回しや首をほぐすのもいいでしょう。これらは筋肉を弛緩させ、こりの解消や血流改善も期待できます。たったこれだけ、自分のことに集中すれば、嫌いな人が次第にどうでもよくなっていきます。継続していくことが大切ですが、一度でも試してもらえればその効果を少なからず実感できると思います。

スタンディングデスクで働く男性
写真=iStock.com/martin-dm
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/martin-dm

■「午後はずーっとデスク」はもったいない

次に「3分」で、ふだんからできる方法をお伝えします。それは職場にいるときの「3分間の散歩&ティータイム」です。

つい「忙しい」からと言って、ランチ以降はデスクに張りついて作業をする人がいます。飲み物もオフィス内のウォーターサーバーなどで済ませたり、外に出る同僚や部下に飲み物の買い物を頼んだりして、まったく席を離れない人もいるのではないでしょうか。ちょっとそれはもったいないですね。

一度、オフィスを出て外の空気や風に触れて、コンビニや自販機にお茶やコーヒーを買いに行く。歩くことと外気に触れることで、脳がリフレッシュしてストレスを解消します。「幸せホルモン」とも言われるセロトニンが分泌して、メンタルの安定や安心感さえもたらします。

横断歩道を渡る若い実業家
写真=iStock.com/seven
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/seven

■湯舟に浸かるのは3分がちょうどいい

会社から帰宅してから、嫌いな相手のことを思い出してしまうケースもあるでしょう。そんな時は、「3分間のお風呂&ストレッチ」も有効です。

お風呂は人肌くらいの温度(38~40度)が理想です。アツアツの温度だと交感神経が働き、心身が活発になって、眠りにくくなるので注意が必要です。3分は正確に測らなくても、自分がおちつける音楽をスマホで流して1曲終わったらお風呂から上がる、その程度で構いません。

それでも、「面倒臭い」とシャワーだけで済ます人は、自分へのご褒美をあげる意味で、時々、サウナやスーパー銭湯に行くのも1つの手です。ただ、経済的にはそれなりのコストがかかるので、自宅のお風呂が手軽なのは言うまでもありませんね。

入浴後のストレッチは背伸びしたり、腕を回したりでも充分。難しい動きをする必要はありません。こうして、体と心をほぐしていきます。イライラしたり、モヤモヤするからと言って、飲みに行ったり、ジムで猛烈に体を動かす必要はないのです。あくまで、緊張感やこり固まった筋肉をほぐし、心身を安らかにしていくことが必要だからです。

毎日、「嫌だな」と思いを募らせるより、心身がほぐれて安定すれば、仕事のパフォーマンスの成長につながっていくと考えてみましょう。

■「イライラしたら楽しくなる」逆転の発想

「30秒」や「3分」といった短時間の習慣の積み重ねで、嫌いな人のことを忘れたり、放っておける人は得をします。嫌いな人が頭から離れれば、イライラやストレスも確実に減って、自然と自分に集中できて仕事の質も上がるからです。

そうはいっても、中間管理職やリーダー層で役員や部下など、上とも下とも人間関係が複雑で、嫌いな人が常にいるなら、「if-thenプランニング」が効果的です。これは目標達成のために「もし~したら、~をする」とルールに則って計画を立てる手法です。

今回のケースでこれを応用して、「嫌いな人がいるから、楽しい予定を組む」というのはいかがでしょうか。例えば、嫌いな人に嫌味を言われたり、見かけて不快になったときに、「今度の冬休みには温泉に行く」「GWには島をめぐろう」と自分のご機嫌をとれる計画を立てます。そして週末に30分程度、行き先や宿などを調べて、未来のスケジュールを具体的にしていくのです。

そうすると、職場でイライラする場面があっても、楽しい計画と紐づけられるので楽しくなっていきます。もちろん遊びの予定でなく、「新しい目標や挑戦したいこと」を考える方向でも構いません。

■自分に幸運をもたらす「2つの声かけ」

もっと簡単にできることはないですか? と言われたら、ありますね。それは口グセというか簡単な自分への声かけです。

「焦っても問題はすぐ解決しない。ゆっくり1つずつだ」
「この状況、このイライラは一時的なもの」

前者は嫌いな相手から自分にフォーカスを動かして、心の整理をしつつ、着実に進もうと頭にインプットできて、リラックスしていいんだよ、と自分に言い聞かせる言葉です。

後者の言葉は、長い人生を頭にイメージさせて、この今ある状況は通過点の一部で、全部じゃないと改めて認識できます。目の前に不快な状況にあると、「今=全て」と思いがちですが、そうではなく、視野が広がって前向きに、楽になれる言葉です。

■いますぐやらないと事態は好転しない

言葉というのは、人生を大きく変えてくれるものです。言い続けて、ちょっとずつ「嫌いなあの人」から意識が「自分」に向いて、快適で前向きな心が宿っていくと、行動も変わっていき、それが小さな成功体験となって、自己成長や自信に切り替わっていく。

どんなにイライラしても、ため息をついても、何も変わりません。一般社員でも部長職でも「嫌いな人」は職場にいるケースがほとんどでしょう。でも、それを理由にメンタルが不安定になり、仕事のパフォーマンスを落とすのはもったいない。冒頭でもお伝えしましたが、他人は変えられないからです。

この文章を読み終わった後、もしかしたら心が少しでも穏やかになっているかもしれません。読んで頭に浸透してきたら嬉しい限りです。でも、お願いが1つ。30秒でも、3分でも、行動に取り入れてみて下さい。何かが変わっていくはずです。

「読んだけどさ、それはそれ。私は何もしないよ」とないがしろにしていたら、事態は変わらないだけです。人生は探すものでなく、自分で作れるもの。だからこそ、自分の機嫌は自分で取る。幸福は、現状を肯定的にとらえることから始まるのです。

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中島 輝(なかしま・てる)
心理カウンセラー
自己肯定感アカデミー代表、トリエ代表。困難な家庭状況による複数の疾患に悩まされるなか、独学で学んだセラピー、カウンセリング、コーチングを10年以上実践し続ける。「奇跡の心理カウンセラー」と呼ばれメディア出演オファーも殺到。著書に『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書』『書くだけで人生が変わる自己肯定感ノート』『自己肯定感diary 運命を変える日記』(すべてSBクリエイティブ)、『1分自己肯定感 一瞬でメンタルが強くなる33のメソッド』(マガジンハウス)、『習慣化は自己肯定感が10割』(学研プラス)などがある。

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(心理カウンセラー 中島 輝)

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