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「ミスをして気まずい」は単なる思い過ごし…口にすると他人にも自分にも寛容になれる"6文字の言葉"

プレジデントオンライン / 2024年12月3日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/paylessimages

仕事の不手際やミスから、相手と気まずくなったらどうすればいいか。心理カウンセラーの片田智也さんは「仕事上で生じる不手際やミスは、わざとそうしたわけではない以上、『絶対悪』ではなく『相対悪』だ。罪悪感や負い目は、頭の中で勝手に育ってしまうことがあるが、相手と距離を置かずにストレートに打ち明ければ、あなたの負い目が想像の産物にすぎないことがわかる」という――。

※本稿は、片田智也『弱メンタルでも職場でうまいことやる方法を教えてください!』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■他人のミスに寛容になれると、自分のミスにも寛容になれる

ミスをしてしまった相手と気まずい

ミスは基本「相対悪」、気になる時は正直に話してみる
営業職1年目の男性が神妙な面持ちで打ち明けてきた
イラスト=髙栁浩太郎
出所=『弱メンタルでも職場でうまいことやる方法を教えてください!』 - イラスト=髙栁浩太郎

1年目の営業職の男性が、神妙な面持ちでこう打ち明けてきました。

「不手際をしてしまったのが気まずくて、相手をつい避けてしまうんです……」

何があったのか聞いたところ、「書類を郵送する際、書類を1枚入れ忘れた」のだと言います。

「え、そんなことで?」と一瞬、思いましたが、彼の中ではけっこうな重大事項なのでしょう。

書類は無事、後送できたようです。相手から何か言われたわけでもありません。

問題は、気まずさから相手を遠ざけてしまっていることです。

ちょっとした不手際があったり、ミスを指摘されたり、「相手の気分を損ねてしまったのでは?」と不安を覚えて、負い目を感じることはあるものです。

ポイントは、「なぜ負い目を感じてしまうのか?」です。

あなたは不手際やミスを「絶対悪」だと思っていないでしょうか?

絶対悪とは比べるまでもない悪、犯罪のような明らかな悪事のこと。

ですが、仕事上で生じる不手際やミスは基本、「相対悪」です。

わざとそうしたわけではない以上、「絶対悪」はまずありえません。

立場を入れ替えてみればわかるでしょう。

取引先から届いた郵送物に、あるべき書類が入っていなかった……。烈火のごとく怒ったり、正義の鉄槌を下したりするでしょうか?

きっと「まぁ、こういうこともあるよね」と取引先に送ってもらうよう連絡するはずです。

他人のミスに寛容になれると、自分のミスにも寛容になれます。

要するに、この程度のミスは「お互いさま」なのです。

■本音で話せれば、距離を取る必要もなくなる

それでも気まずさが消えないとしたら、正直に打ち明けてみましょう。

「実は私、ずっと気にしていることがあって……」と、あなたが抱えている罪の意識を告白してみてください。きっとこんなふうに返ってくるでしょう。

「いやいや、そんなの気にしなくて大丈夫だから」

罪悪感や負い目は、頭の中で勝手に育ってしまうことがあります。

ストレートに打ち明ければ、あなたの負い目が想像の産物にすぎないことがわかります。

ちなみに人間というのは、「ミスしたこと」よりも、「ミスをごまかそうとしたこと」に怒りを覚えるものです。あなたの誠実な告白を悪く思う人はまずいません。

そうやって本音で話せれば、距離を取る必要もなくなります。

「相対悪」を許し合える、いい関係のための一歩になるでしょう。

正直に打ち明けることで、相手を避けずに済む

■近くにいる他人の気持ちを自動的にコピーしてしまう

まわりの感情に影響されやすい

意識して“as if”をオフにする
あえて共感のスイッチをオフに
イラスト=髙栁浩太郎
出所=『弱メンタルでも職場でうまいことやる方法を教えてください!』 - イラスト=髙栁浩太郎

「向かいの席の同僚がよく上司から怒られていて、それを見ていると私までしんどくなります……」とある女性がこう言っていました。

怒っている上司自身がイライラしているのは当然として、怒られている同僚ももやもやしていることでしょう。

でも、その女性まで辛さを感じる必要はないはずです。

それでも辛くなってしまうのはなぜなのでしょうか?

決して「メンタルが弱いから」ではありません。

これは無意識の共感、「情動感染」と呼ばれる現象です。

情動感染とは、近くにいる他人の気持ちを自動的にコピーしてしまうこと。

グチを聞かされて憂うつになったり、子どもの笑顔を見て心が晴れたりするように、感情というのは、しょっちゅう伝染しているものなのです。

人間は社会的な動物であり、程度の差はあっても、誰もが他人の感情を読み取る能力を持っています。

他人の内面を想像する力が強い人ほど、自動的に感情を移し取ってしまうのです。

■共感のスイッチをあえてオフに

ではどう考えれば情動感染を食い止められるのでしょうか?

“as if”(あたかもその人かのように)をやめることです。

“as if”とは、「もし私がこの人だったら……?」と仮定をすることで、相手の心境をより深く理解しようとする姿勢のこと。人の話を聞く際の心構えとして、カウンセリングの講座などでもよく教えられています。

誰かが怒られている時、必要以上にその人の気持ちを想像していませんか?

他人の気持ちを推し量れるのは悪いことではありません。

でも、自分の意志とは無関係にそうしてしまうのは考えものです。いつでも自動で共感していては、まわりの感情に振り回されてしまうでしょう。

他人の気持ちは大事ですが、自分の気持ちも大事にしてください。

「今私がしんどいのは情動感染のせいだな、同僚の気持ちを想像するのはやめよう」

このように考えて、共感のスイッチをあえてオフにしてみましょう。

片田智也『弱メンタルでも職場でうまいことやる方法を教えてください!』(明日香出版社)
片田智也『弱メンタルでも職場でうまいことやる方法を教えてください!』(明日香出版社)

心配する必要はありません。

あなたが感じ取った感情は、あくまでもあなたの想像によるものです。

怒られている当の本人は、そこまで辛さを感じていない可能性もあります。

「まわりの感情を読み取りすぎているな」

そう思ったら、意識して“as if”をオフにしてみましょう。

そうすれば、他人事として気にせず過ごせるようになります。

「情動感染」に意識的になって、共感のスイッチをオフにしてみよう

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片田 智也(かただ・ともや)
一般社団法人感情マネージメント協会代表理事、公認心理師
20代で独立起業するが、ストレスから緑内障を発症、視覚障害者に。同年、うつ病と診断された姉が自死。姉の死の真相を知るために精神医学や心理療法を探求し、後に心理カウンセラーに転身する。厚生労働省ストレスチェック制度、防衛省メンタルサポートなどメンタルケア関連の公共事業に多数参画。カウンセリング実績はのべ1万5000人以上。企業研修や講演の受講者は累計2万名を超える。精神障害を持つ方のカウンセリングから経営者、アスリートのメンタルトレーニングまで「心の問題解決」に広く取り組む。

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(一般社団法人感情マネージメント協会代表理事、公認心理師 片田 智也)

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