「もう前哨戦」トランプ相場再来で米国株投資は必須…資産1.8億の投資家が推す「新タイプの低コスト投信4つ」
プレジデントオンライン / 2024年11月27日 10時15分
■トランプ相場再来が追い風になる投資の「第5の選択肢」
トランプ相場が再来しようとしています。もう「前哨戦」が始まっているとも言えるでしょう。前トランプ政権時代を思い出しますと、米国株を持っておけば間違いないだろうという4年間が、再びやってくるように感じるのは私だけではないと思います。米国株とはいえ、難しく考えないでください。なにも個別株を持たなくても、初心者の方にも簡単に投資ができる投資信託などがあります。
これまで、米国株投資といえば、「個別株」「東証ETF」「米国ETF」および「投資信託」の4つの選択肢がありました。ここで、それぞれの特徴に触れておきます。
個別株は、大きなリターンを取りにいく、もしくは高配当や増配を狙うものです。ただし、銘柄分析などハードルがあります。外国株口座を開設する必要もありますし、米ドルでの投資となります。
東証ETFは、日本円で投資できて1本持つだけで分散投資が可能です。もちろん米国株に投資するタイプもあります。ETFは原則として分配金を出しますので、分配金を狙う人にも向いているでしょう。
米国ETFは、東証ETFや投資信託では投資できない多種多様な指数に投資できます。1本持つだけで分散投資が可能で、分配金も狙えます。ただし、外国株口座の開設が必要で、かつ米ドルでの投資となりハードルがあります。
投資信託は、ETFと同じく分散投資が可能です。分配金を出さずにファンド内で再投資することで価格成長を目指すものが主流です。よって、効率よくお金を増やすにはよい手段といえます。もちろん、日本円で簡単に投資可能です。
これまで、以上4つの選択肢がありました。
2024年に、第5の選択肢が登場しました。楽天投信投資顧問とSBIアセットマネジメントより、期待が持てる米国の株価指数との連動を目指す「分配型の投資信託」が続けて設定されました。これまでの投資信託と同じように気軽に投資が可能で、かつ分配金も受け取れるのです。そして、これまで投資信託や東証ETFでは投資できなかった指数もあります。当記事では、米国株に投資する、期待が持てる「分配型の投資信託」について記述します。
■米国株が優秀である理由8つプラスα
米国株に投資する「分配型の投資信託」の解説に入る前に、米国株が優秀である理由について述べます。
(1)最先端技術を発明するのはいつも米国企業である
(2)世界的にブランド力のある製品を持つ企業が多い
(3)世界中でビジネスを展開していて、稼ぐ力が強い
(4)景気に関係なく利益が出る事業をしている企業が多い
(5)企業のガバナンスが整っている
(6)プロの経営者が多い
(7)株主還元意識が強い
(8)企業の規模が大きい(時価総額ランキングで上位は米国企業が占める)
さらには、米国という国自体が強いことも米国株が優秀である要因といえるでしょう。
それらに加えて、トランプ相場がプラスオンしようとしています。あおるわけではありませんが、すでに「前哨戦」は始まっています。資産形成には、米国株投資が欠かせないとひとりの投資家として強く思います。
■これまでとは違う第5の選択肢「分配型の投資信託」とは
では、今回、第5の選択肢としてお伝えする「分配型の投資信託」が、これまでの投資信託とはどう違うのかを解説します。
分配金のある投資信託は、これまでもさまざまなものが存在しましたが、信託報酬(保有中にかかるコスト)が高い傾向にありました。「たったの年間1%くらい」と思いそうになりますが、長期投資においては見逃せないコストです。対して、当記事で紹介する投資信託はいずれも信託報酬が低いものです。
かつ、単に分配金があるだけではなく、米国で実績がある指数との連動を目指したものでもあります。これまで、投資信託や東証ETFでは投資できなかった指数もあり、かつ、いずれも「分配あり」が魅力です。
なかには、短期間で純資産総額を大きく伸ばしている投資信託もあり、人気が窺えます。やはり、新たな選択肢として存在感を増しているように感じます。
■米国の高配当株・増配株を投資対象「分配型の投資信託」4銘柄
それでは、米国の高配当株または増配株を投資対象とする「分配型の投資信託」を4本ご紹介します。
新しい投資信託はパフォーマンスが分からないので、すぐに投資しないほうがいいという考え方もあります。しかしながら、この4本の投資信託の投資対象は、先述のとおりすでに米国で実績がある指数ですので、比較的安心感があります。
(1)楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)
設定日:2024年9月18日
純資産総額:664億円(2024年11月14日現在・以下同)
信託報酬:0.192%程度
シュワブ米国配当株式ETF(SCHD)が投資対象で、米国の配当利回りが高い100銘柄で構成されています。配当収益の確保および中長期的な値上がり益の獲得を目指すものです。販売開始からわずか30数営業日で純資産総額が600億円以上の規模になりました。たいへんな人気が窺えます。SBIアセットマネジメントも、シュワブ米国配当株式ETF(SCHD)を投資対象とする「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)を2024年12月20日に設定する予定とのリリースがあります。
(2)SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)
設定日:2024年1月30日
純資産総額:141億円
信託報酬:0.1238%程度
バンガード米国高配当株式ETF(VYM)が投資対象で、米国の高配当株約550銘柄で構成されています。高配当株系としては広く分散が効いています。「VYM」は日本の投資家にもお馴染みです。私は米国ETF「VYM」を保有してきましたが、ゆくゆくはこの投資信託に買い替えを考えると思います。
■トランプ相場再来で、米国株への投資はマストの4年間
(3)SBI・SPDR・S&P500高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)
設定日:2024年1月30日
純資産総額:46億円
信託報酬:0.1338%程度
SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD)が投資対象で、S&P500指数を構成する銘柄のうち、配当利回り上位80銘柄が選定されています。投資対象が明快と言えるでしょう。今後の純資産総額の増加に期待をしたいところです。
(4)SBI・V・米国増配株式インデックス・ファンド(年4回決算型)
設定日:2024年2月28日
純資産総額:19億円
信託報酬:0.1238%程度
バンガード米国増配株式ETF(VIG)が投資対象で、米国の増配株300銘柄強で構成されています。増配株は企業の利益成長による株価上昇と増配が期待できるため、2度おいしい投資対象だと思います。「VIG」も日本の投資家にお馴染みです。私は米国ETF「VIG」を保有してきましたが、ゆくゆくはこの投資信託に買い替えを考えると思います。同じく、今後の純資産総額の増加に期待したいところです。
以上、4銘柄をご紹介しました。
米国株への投資方法は、個別株、東証ETF、米国ETF、投資信託(分配金を出さずにファンド内で再投資するタイプ)、投資信託(分配金を出すタイプ)と多様な選択肢が揃いました。
よって、米国株はより身近な投資対象になったと感じます。トランプ相場再来で、米国株への投資はマストの4年間になると思いますし、長期的に見ても米国株は成長してきましたので、これを機に米国株投資を始めるという判断は悪くありません。もちろん一定のリスクはありますが、多くの選択肢があり、自分にあった投資方法を選べる良い時代になりました。
最後に注意事項をあげておきます。当記事でご紹介した投資信託は、いずれも新たに設定されたばかりであり、取り扱う証券会社が一部に限られます。投資信託の名称の頭に、SBIとつくものはSBI証券で取り扱いがあります。楽天とつくものは楽天証券で取り扱いがあります。ゆくゆく、取り扱う証券会社が増えることを期待したいところです。
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投資家(投資歴20数年)・物書き
2020年に47歳で資産1億円+年間配当(手取り・以下同)120万円とともに25年間勤務した会社を退職して自由になる。それから4年で資産1.8億円+年間配当240万円まで成長させる。投資先は世界30ヵ国の高配当株、増配株、ETF、リート、投資信託など幅広く100銘柄以上持つ。現在は、両親の介護・見守りをしつつ、単行本や連載などを通じて投資に関する情報を発信している。子ども食堂にも関わる。著書に、『月20万円の不労所得を手に入れる! おけいどん式ほったらかし米国ETF入門』(宝島社)、『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)、『資産1.8億円+年間配当金(手取り)240万円を実現! おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』(PHP研究所)、『普通の人のための投資:いちばん手軽で怖くない「ゆとり投資」入門』(東洋経済新報社)などがある。(プロフィールイラスト=西田ヒロコ)
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(投資家(投資歴20数年)・物書き 桶井 道)
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