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中学受験生の冬休み「4、5年生は3日休んでOK」ただし「4日はダメ」…頭の働きをよくする勉強法"学年別プラン"

プレジデントオンライン / 2024年12月19日 8時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Smitt

中学受験生は冬休みも毎日勉強を続けるべきなのか。プロ家庭教師集団名門指導会代表の西村則康さんは「6年生はやるべきことを淡々と行い、入試に備えてほしい。4年生と5年生は休み方にポイントがある」という――。

■6年生はやるべきことを淡々と行うことが大切

もうすぐ冬休みがやってくる。冬休みは年末年始と重なるため、何かとせわしない。また、新しい年を迎えるので特別感がある。そのため、生活のリズムを崩してしまいがちだ。だが、6年生の受験生は、もう間もなく入試がスタートする。ここで体調を崩してしまったら、これまでの努力が水の泡になってしまう。油断は禁物だ。

入試直前期でもっとも大事なことは、早寝早起きの規則正しい生活を送ること、むやみな外出を避け体調を万全にしておくこと。そして、最後まであきらめずに勉強と向き合うことだ。本来であれば、親戚一同が集まる正月は、子どもにとって得るものが多く、貴重な体験になる。しかし、受験生の6年生は、今年の冬だけはそれも封印したほうがいいだろう。

とにかく今やるべきことを淡々と行い、入試本番に備える。厳しいことを言うようだが、いっときの油断が、大きな後悔にならないようにしたい。遅かれ早かれ、2月の初めにはみんな結果が出るのだ。親戚に会うのはその後だっていい。

■4年生、5年生「正月三が日」はゆっくり休むといい

でも、4・5年生は、正月はゆっくり休み、たっぷり楽しんでほしい。一年の初め、一年の節目である三が日は、日本の季節、文化を味わえるもっとも大切な日だからだ。長年、中学受験のプロとして多くの子どもたちと接してきて感じるのは、年々、子どもたちが日本の文化や季節を感じる機会が少なくなってきていることだ。特に都会に暮らす子どもたちは、山や川などの自然で遊ぶことが少なく、幼少期の頃から習い事や塾通いに忙しい日々を送っていることが多い。

季節を感じさせるには、本物の自然に触れさせるのが一番だが、それができない場合には、季節ごとの伝統行事を体験させるのもいい。正月にはお節料理という日本の伝統的な食事が食べられるし、場所に制限はあるが、凧揚げや羽根つきなどの遊びをしたり、書き初めで今年の目標や季節の言葉を書いたりもできる。

また、親戚一同が集まることで、おじいちゃん・おばあちゃんから昔話を聞いたり、おじさんやおばさん、年上のいとこのお兄さんやお姉さん、自分よりも年下の子どもなど、さまざまな年齢の人と話をすることもできる。この貴重な機会をぜひとも体験させてあげてほしい。それは受験勉強に強く関係し、しかも、これからの人生の中で知識や経験として生かされることだろう。

■三が日で「頭の疲れ」を取れば、また頑張れる

それともう一つ、ここで休んだ方がいいのは、子どもの疲れを取るためだ。中学受験に挑戦しようとしている子どもたちは、4年生から塾通いが始まり、毎日多かれ少なかれ何かしらの受験対策をしていると思う。小学校の授業に加え、塾に習い事、そして塾の宿題と今の子どもたちは本当に忙しい。親から見ると、このくらいみんなやっていると思うかもしれないが、実は子どもたちは心身ともに相当疲れている。

身体の疲れはたっぷり睡眠を取れば回復するが、頭の疲れは外からでは分かりにくいし、子ども本人も気づいていないことが多い。でも、このままこの状態が続いていくと、いつか気持ちがポキッと折れてしまうことがある。だからこそ、ときどき休むことが重要なのだ。

三が日はとにかくゆっくり休むことだ。休むというのは寝正月を意味するわけではない。たくさん遊んで日頃の頭の疲れを取り、リフレッシュする。ここでしっかり休んでおくと、気分が一新し、「よし、また頑張ろう!」と前向きな気持ちになりやすい。

テーブルに並べたおせち料理
写真=iStock.com/JGalione
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/JGalione

■5年生は朝の30分だけドリルを

ただし、休むのは3日まで。それ以上休んでしまうと、通常の生活リズムに戻しにくくなるからだ。5年生の場合は、三が日でも朝の30分だけドリルをやるなど、ほんの少しでいいから学習習慣を維持しておくことを勧める。ここで完全に勉強から離れてしまうと、通常のペースを取り戻すのに時間がかかってしまい、下手をすると6年生で好スタートを切るのが難しくなってしまうからだ。

4年生なら三が日はとことん休み、5年生なら朝の30分だけ勉強をして、あとは休む。6年生の場合は、ここはグッと我慢して入試本番に備える。これが私の勧める冬休みの過ごし方だ。

■4年生は土日のそれぞれ半日、5年生は土日のどちらか半日は休む

では、日頃はどうか――?

一般的に中学受験の勉強は小3の2月から3年間かけて進めていく。大人の感覚からすると、3年なんてあっという間に感じるが、人生経験がまだ浅い小学生の子どもには、とても長く感じるものだ。また、大人と違って子どもは、遠い未来に向けて常に頑張り続けることはできない。だからこそ、ときどき休むことが絶対に必要なのだ。

学習習慣を身に付けることは、もちろん大事。でも、4年生のうちは毎日勉強漬けにする必要はない。土日2日間の各半日はゆっくり休む、またはたっぷり遊ぶ。5年生なら土日のどちらか半日は休むか、遊んでほしい。そして、その時間は子どもの好きなことをやらせてあげてほしい。ただし、ゲームやYouTubeは中毒性があるので、おすすめはしない。

公園で遊ぶ子ども
写真=iStock.com/TATSUSHI TAKADA
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/TATSUSHI TAKADA

■6年生も合間にリフレッシュの時間を挟む

仕事でもそうだが、ずっと根を詰めていると、頭の働きが鈍り、良いアイデアが浮かばなかったり、つまらないミスをしたりするもの。勉強もそれと同じで、ただたくさんの時間やれば効果が出るわけではない。むしろ、休日にたっぷり休んでリフレッシュしたほうが満足感が得られ、月曜からまた「勉強を頑張ろう」という気持ちに切り替えられる。

6年生だって一日中勉強をする必要はない。ずっと机に向かったままだと、運動不足で血流が悪くなり、頭が働かなくなってしまう。1時間勉強したら、軽く身体を動かしたり、おしゃべりをしたりして、リフレッシュの時間を挟む。

長期間に及ぶ受験勉強をうまく乗り越えていくコツは、このメリハリだ。6年生は入試本番まであと少し。適度に休みを入れながら、最後まで悔いのないよう頑張ってほしい。

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西村 則康(にしむら・のりやす)
中学受験のプロ家庭教師「名門指導会」代表/中学受験情報局 主任相談員
40年以上難関中学受験指導をしてきたカリスマ家庭教師。これまで開成、麻布、桜蔭などの最難関中学に2500人以上を合格させてきた。新著『受験で勝てる子の育て方』(日経BP)。

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(中学受験のプロ家庭教師「名門指導会」代表/中学受験情報局 主任相談員 西村 則康 構成=石渡真由美)

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