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「お風邪などお召しでは」に三流は「体は丈夫なものですから」と答える…そのとき一流が使う心をつかむ言葉

プレジデントオンライン / 2024年12月15日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Aum racha

相手の心をつかむには、どんな言葉を使えばいいか。話し方講師の野口敏さんは「会話でもSNSのメッセージでも、ほとんどの人は『私』の話をするが、反対に相手を主役にするだけであなたの印象は大きく変わる。自分のことを心に留めて、自分を主役にして話をしてくれる人、メッセージを送ってくれる人なら、誰だって好きになるに決まっている」という――。

※本稿は、野口敏『どんな人とも楽しく会話が続く話し方のルール』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■相手の心をわしづかみにする会話やメッセージの種類

少し話しただけなのに、心をつかまれてしまう人っていますよね。

その人から贈られた言葉はいつまでも心に残ります。それがLINEやメールで送られたものなら保存して、ふとしたときに見返して元気を取り戻す材料にすることさえあります。

それを送ったのがあなたなら、相手はそのメッセージを読むたびにあなたを思い出します。このときその人はあなたに心をわしづかみにされているのです。

そういう会話やメッセージには、ある法則があります。

それは相手が主役になっているということです。

会話でもSNSのメッセージでも、ほとんどの人は「私」の話をするものです。それをこの本では「マイストーリー」と呼びます。反対に、相手を主役にしたもの、または相手を心に置きつつ送るメッセージを「ユアストーリー」と呼びます。

たとえば、やや形式張ったつき合いの相手からこう問われたとしましょう。

「お風邪などお召しではないですか?」

こういった儀礼的な挨拶への返事でも、マイストーリーとユアストーリーのどちらで答えるかで、あなたの印象は大きく変わります。

「ええ、体は丈夫なものですから」

これはマイストーリーです。

あなたの心にあるのは自分自身。

「自分の優れたところをわかって!」

とアピールしたい気持ちがありありと伝わってきます。

「○○さんはいつもお気遣いくださって、優しい方ですね」

こちらがユアストーリー。

自分をアピールするよりも、相手の存在を心に置いてメッセージを送っています。人の心をつかむのは、当然こちらの人です。

■これで誰だってあなたを好きになる

新入社員のあなたが、先輩からこう聞かれたとしましょう。

「会社にはもう慣れた?」

職場にも仕事にも慣れてきたあなた、まずは「はい」と答えましたが、そのあとは、どう続ければいいでしょうか。

「はい。人になじむのは早いほうなんで」

これはマイストーリーです。

また、こういう血気あふれる返事をすると、職場では浮いた存在になりがちです。気をつけたほうがいいでしょう。

「はい。先輩をはじめ、みなさんがよくしてくださるので、すぐ慣れました」

まさにユアストーリーです。

自分のことを心に留めて、自分を主役にして話をしてくれる――こんなことをいってくれる人、メッセージを送ってくれる人なら、誰だって好きになるに決まっています。

屋外のビジネスミーティングの同僚
写真=iStock.com/Rossella De Berti
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Rossella De Berti

では、ふだんあなたが他人に出しているメッセージは、ユアストーリーでしょうか、それともマイストーリーでしょうか。

それはあなたのLINEを見れば、一目瞭然です。

ここで一度チェックしてみましょう。

「帰りは21時頃です」
「晩ご飯はいりません」
「10分遅れます」

LINEで一番多いのはこのような用件でしょう。自分の都合を伝えるいわば道具的なメッセージです。もちろんLINEは基本的に用件を伝える道具ですから、それが悪いということはありません。

ただ、相手の立場から見るとどうでしょう。

送られてくるメッセージのほとんどが自分の都合だけであれば、相手は「この人は自分を大事に思っていない」と感じ、寂しく思うでしょう。

とくに家族や長くつき合っている恋人へのメッセージは、手を抜きがちになりますが、自分の一番大切な人に手を抜いてしまうと、その人の心を失うことにつながります。

■“既読スルー”で流されるメッセージの種類

では、用件以外のメッセージはどうでしょうか。

夫や妻、子ども、友人、職場の人に送ったメッセージに綴られているのは、自分のことばかりではありませんか。

「毎日残業で疲れる」
「いまランチ中」
「電車、遅れてる。もう15分も待っている」

こんなものばかりなら、相手にとってあなたからのメッセージは価値の低いものになり、ただ読み飛ばされるだけの存在になっている可能性があります。

次に知り合いからのメッセージを見てみましょう。

ほとんどの人が見事にマイストーリーになっているはずです。

私の生徒の一人は、会社の同期からのLINEメッセージを見直してこう笑いました。

「『いまドトール』とか『雨で暇だからマンガ50巻一気読み』とか、自分のことばっかり。私からしたらホントどうでもいい!」

まさにマイストーリーの嵐。マイストーリーならぬマイストリームです。

人は自分をわかってほしい生き物。だから会話でもコミュニケーションツールでも、「私」という主語を使って語ることが多くなるのは仕方ありません。

しかしそれでは、相手の心には何もひっかからず“既読スルー”で流されてしまうのです。

■「大丈夫ですか?」のたった一言でうれしくなるわけ

とはいえ、LINE使用者がいつもマイストーリーばかり発信しているわけではありません。

たとえば、あなたの家の近くを台風が通過した、あるいは近くで地震があったというときには、こんなメッセージがLINE仲間から届くでしょう。

「大丈夫ですか?」
「被害は出ていませんか?」

こういったメッセージに触れると、誰もがふとうれしくなることでしょう。

野口敏『どんな人とも楽しく会話が続く話し方のルール』(三笠書房)
野口敏『どんな人とも楽しく会話が続く話し方のルール』(三笠書房)

それは「あなたのことを気に留めています」というメッセージであり、ユアストーリーだからです。

その人の中に、私という存在がいる――そう感じるだけでも、メッセージを受けた人は心が温かくなり安心感が生まれます。そういう言葉を意識して使えるようになれば、あなたの人間関係はずいぶん違うものになるでしょう。

なぜユアストーリーをもらうと人は喜ぶのでしょうか。

それは誰もが、自分のことをわかってほしいと願いながら生きているからでしょう。

でも、世の中に自分のことをすべてわかってくれる人など、そういないのが現実です。妻も夫も、上司も部下も、誰もが「自分のことをなかなかわかってもらえない」――そんな寂しさを心に隠して生きています。

だからこそ、あなたが今日会った人のことをわかってあげられる人になれたら、あなたはその人の印象に強く残り、大切な人と思ってもらえるに違いありません。

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野口 敏(のぐち・さとし)
グッドコミュニケーション代表取締役
TALK&トーク話し方教室主宰。著書に、90万部超のベストセラー『誰とでも15分以上会話がとぎれない!話し方』シリーズほか、『誰とでもスッとうちとけて話せる!雑談ルール50』など。

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(グッドコミュニケーション代表取締役 野口 敏)

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