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「水を飲む」よりも「ひたすら寝る」よりも早く治せる…ひどい二日酔いの朝に胃袋に入れておくべき「2品」

プレジデントオンライン / 2024年12月18日 6時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maroke

肌の管理や体型維持のためには運動だけでなく、食生活の改善も必要だ。「野菜を育むプロ」を自称するしんさんが、肌荒れ、むくみ、二日酔いの解消などに適した野菜を解説する――。

※本稿は、しん(野菜を育むプロ)、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部(監修)『農家が教えたい 世界一使える野菜の教科書 おいしくて体にいい選び方&食べ方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■かぼちゃは皮ごと食べるのがオススメ

症状:肌荒れ

外側からのケアに意識が向きがちですが、肌は体の内側から作られます。各種ビタミンなどの栄養素のなかでも、特に肌の健康に役立つ野菜を食べれば、体の内側から肌が整い、乾燥、炎症、ニキビといった肌荒れにも改善効果が期待できるでしょう。

かぼちゃ
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは強い抗酸化作用を持ち、栄養学の世界では「ビタミンACE(エース)」とも総称されています。抗酸化は、炎症の軽減、肌の修復促進、紫外線などにより生成される有毒物質・フリーラジカルの中和など、肌の健康には不可欠な作用。つまりビタミンACEは「肌荒れ解消のエース栄養素」であり、この3つをすべて含むのが、かぼちゃなのです(厳密には、かぼちゃに含まれるβカロテンが体内でビタミンAに変化します)。

これらはかぼちゃの皮に特に豊富なので、むかずに料理すると抜群の美肌効果が期待できます。また、かぼちゃは食物繊維も豊富。腸内環境も肌の調子に影響するため、食物繊維をとって便通をよくすることも有効な肌荒れ対策です。食物繊維は特にかぼちゃのワタに多く含まれているため、ワタごと料理するといいでしょう。

■ブロッコリーは「花蕾だけ」はもったいない

モロヘイヤ
モロヘイヤは体内でビタミンAに変化するβカロテン、ビタミンC、食物繊維を多く含みます。βカロテンとビタミンCは抗酸化作用などにより肌荒れ解消に役立つ一方、食物繊維は腸から肌の健康にアプローチ。モロヘイヤを食べると、この両方の効果を狙えるのです。

ブロッコリー
ブロッコリーも「肌荒れ解消のエース栄養素(ビタミンACE)」と食物繊維の美肌効果が期待できる野菜。さらにはフィトケミカルの一種、「アントシアニン」も多く含みます。アントシアニンとは、抗酸化・抗炎症作用、さらには血行促進により肌の新陳代謝を促すことで、肌荒れ解消に役立つ成分。ビタミンA、C、Eのうち特に多く含むのは、強力な抗酸化物質であると同時に、肌の潤いとハリの元であるコラーゲンの生成に欠かせないビタミンCです。

ブロッコリーの葉軸(茎から生えている葉)は特にビタミンCに富み、葉軸を無造作に捨ててしまうのはブロッコリーの美肌効果を損ねているということなのです。これからは花蕾も茎も、そして葉軸も一緒に食べましょう。

■ビタミンCを保つなら「茹でる」より「蒸す」

美肌復活! おいしくて体にいい野菜料理

かぼちゃとブロッコリーの蒸し野菜サラダ
「ビタミンACE」のうちAとEは脂溶性、Cは水溶性。茹でるとビタミンCが流出してしまうので蒸し野菜にして、脂溶性のA、Eの吸収をよくするマヨネーズやオイルドレッシングをかけたら、ビタミンACE×食物繊維の美肌サラダに。

モロヘイヤとベーコンのコンソメスープ
脂溶性のβカロテンの吸収をよくするため、ベーコンと一緒にコンソメスープに。モロヘイヤに含まれるビタミンCは水溶性ですが、スープなら流出分も摂取できます。ただしビタミンCは熱に弱いので、あまり加熱せずサッと仕上げましょう。

症状:むくみ

水は小腸で吸収され、毛細血管から細胞に取り込まれた後、代謝されて老廃物とともにリンパ液や血液に流れ、腎臓でろ過・排出されますが、必要に応じて再吸収されます。この循環が運動不足や塩分過多の食事により滞ると、余分な水分が皮膚下に溜まってしまう。これがむくみです。

きゅうり、長いも、とうもろこし
むくみ撃退のキー栄養素は「カリウム」野菜でむくみに対処するには、とりすぎた塩分の排出を促すこと。そして塩分の排出を促すには「1にカリウム、2にカリウム、3、4がなくて5にカリウム!」というくらい、カリウムを多く含む野菜を食べることが重要です。というわけで、むくみの解消には、とにかくカリウムに富むきゅうり、長いも、とうもろこしをおすすめします。きゅうりはカリウムを多く含む代表格とも言える野菜。いも類は長いもに限らず、全般的にカリウムに富んでいます。

■とうもろこしの「ヒゲ」は捨ててはいけない

また、とうもろこしは、カリウムの含有量自体は特筆して多いわけではないのですが、他のカリウム含有野菜に比べると、茹でてもカリウムが失われづらい点がメリットです。また、とうもろこしのヒゲにはカリウムが多く含まれるので、むくみの解消には、皮を剥くと現れるきれいなヒゲも一緒に食べたほうが効果的。むくみ対策のために、市販の「とうもろこしのヒゲ茶」を常備しておくのもいいでしょう。ただし腎臓疾患のある方はカリウムの過剰摂取に注意が必要なので、医師、栄養士の指示に従ってください。

むくみ撃退! おいしくて体にいい野菜料理

長いものスパイス炒め
ジンジャーパウダーやチリパウダーなどで調味すればむくみの一因の塩分はほぼゼロ。長いものカリウム×スパイスの発汗作用で、体内の余分な塩分と水分の排出を促します。カリウムは熱に弱いので、あまり油を高温にせず手早く炒めましょう。

長いも、きゅうり、とうもろこしのおかかあえ
カリウムに富む3種の野菜を使った“むくみ対策食”。角切りにした長いもときゅうり、とうもろこしをかつお節であえ、しょうゆをほんの少したらせば、ほどよく味がまとまります。かつお節のうまみが加わるおかげで、しょうゆはごく少量でも十分。塩分抑制になります。

■つらい二日酔いには大根とキャベツ

症状:二日酔い

二日酔いとは、お酒を飲み過ぎた翌日に襲ってくる頭痛、吐き気、胃痛などの不快症状。アルコールの代謝と排出を助け、消化器の症状を和らげる栄養素に富む野菜が、そんなつらい二日酔いからの復活をサポートしてくれます。

大根
アルコールは胃と小腸で吸収された後、肝臓でアルコール脱水素酵素などによってアセトアルデヒド、さらに酢酸へと分解され、最終的に水と二酸化炭素に分解されて尿、汗、呼気を通じて排出されます。二日酔いの頭痛や吐き気を引き起こす犯人は、毒性の高いアセトアルデヒド。そこで助けとなるのが、大根に多く含まれるビタミンCです。

ビタミンCには、アルコール代謝を担っている肝臓を保護する抗酸化作用のほか、アセトアルデヒドを酢酸に変換する酵素の働きを高める作用もあるのです。また、大根の消化酵素「ジアスターゼ」は、アルコールの過剰摂取による消化不良や胸焼けを解消する効果が期待できます。

大根スライス
写真=iStock.com/niuniu
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/niuniu

キャベツ
キャベツも、アルコール代謝を担う肝臓を保護し、アセトアルデヒドを酢酸に変換する酵素の働きを高めるビタミンCが豊富な野菜。また、ビタミンUは胃粘膜保護と整腸の作用があるため、むかつきなど二日酔いによる胃腸の不調を軽減する効果も期待できます。

■食欲がないときは「しらすおろし」が効果的

できればごはんやお肉も一緒にとろう

実はバランスのとれた栄養補給こそ、もっとも手っ取り早い二日酔い解消法。アルコール代謝を助けるビタミンC、消化を促すジアスターゼ、胃粘膜を保護するビタミンUなど二日酔いを狙い撃ちできる栄養素を取りつつ、少しはエネルギーになるものも補ったほうがいいので脂質、糖質、たんぱく質も無理なくとりましょう。

しっかり食べるのは無理でも、たとえば、おなかに優しいスープごはんなら受け付けやすいはずです。また、二日酔いはアルコールにより体内のミネラルバランスが崩れている状態でもあるので、大根とキャベツを味噌汁にして塩分(ナトリウム)を補給するのもおすすめ。食欲があるようなら、肉や魚、豆腐をおろしあえにする、大根おろしを添えるなど、おかずに大根を取り入れれば、比較的早く二日酔いは解消されるでしょう。

サヨナラ二日酔い! おいしくて体にいい野菜料理

大根、キャベツ、溶き卵のスープごはん
大根とキャベツをコンソメや中華スープでサッと煮て、少量のごはんを加え、溶き卵でとじたスープごはんです。ごはんで糖質、卵でたんぱく質・脂質も補えます。

しらすおろし
ムカムカして何も食べる気がしなくても、甘酢やポン酢をかけた大根おろしなら食べられるでしょう。しらすをのせてたんぱく質をプラス。大根の辛みが刺激となる場合もあるので、辛みがある下部ではなく甘みがある上部を使うといいでしょう。

■疲れ目には「紫色の野菜」がいい理由

症状:疲れ目

目がショボショボする、かすむ、充血する、見えづらい、目の奥がダル重い……パソコンやスマホの普及により、現代人の多くが慢性眼精疲労と思われます。特に気になるときは、目にいいと認められている栄養素を含む野菜を積極的に食べ、目を労りましょう。

しん(野菜を育むプロ)、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部(監修)『農家が教えたい 世界一使える野菜の教科書 おいしくて体にいい選び方&食べ方』(KADOKAWA)
しん(野菜を育むプロ)、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部(監修)『農家が教えたい 世界一使える野菜の教科書 おいしくて体にいい選び方&食べ方』(KADOKAWA)

紫キャベツ、赤じそ
疲れ目スッキリのキー栄養素は「アントシアニン」

紫キャベツ、赤じそ、ともに「アントシアニン」に富む野菜です。アントシアニンとはフィトケミカル(植物に含まれ、「第7の栄養素」と呼ばれる物質)の1つ。目を酸化ストレスから守る抗酸化、目の筋肉の緊張を解く血流促進といった作用により、視力回復など目の健康に役立つことがわかっています。アントシアニンの色素は紫色。

紫キャベツと赤じその鮮やかな紫色は、アントシアニンが豊富であることを示す色と言えるのです。

紫キャベツは生でサラダやマリネに。また、赤じそというと梅干しを漬けるときのイメージが強いかもしれませんが、その他のアイデアは乾燥させてゆかりごはんにする、野菜の「赤じそ漬け」にするなど。風味豊かな赤じそのおかげで塩分控えめでも満足感が出るため、減塩にも役立ちます。

■食べる時は加熱せず、生でいただく

目スッキリ! おいしくて体にいい野菜料理

紫キャベツのマリネ
アントシアニンは水溶性で熱に弱いため、水にさらさず生で食べるのが理想。アクが少ない紫キャベツは生食に向いていますが、酢と油でマリネにすると食感が少ししんなりして、より食べやすくなるでしょう。

野菜の赤じそ漬け
大根やかぶ、長いも、きゅうりなどの野菜を赤じそと一緒に漬ければ、ただのおいしい漬物が、“おいしくて目にいい”漬物に。皮にアントシアニンが多く含まれるなすを漬ければ、赤じそとのダブル効果も期待できます。先に赤じその塩漬けを作っておいて、そのつど細く刻んで野菜にあえる方法でもいいでしょう。アントシアニンをゴクゴク摂取できる赤じそジュースもおすすめです。

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しん/野菜を育むプロ(高橋伸吾) 高橋農園常務取締役
1977年生まれ。(有)高橋農園常務取締役。群馬県前橋市にて従業員約80名、ビニールハウス470棟にてほうれん草やチンゲンサイなどを周年栽培しながらフォロワー数26万超えのX(Twitter)を運営し、野菜と農業の魅力について配信中。衰退する日本の農業を元気にし、農業を通じて幸せになる人を増やすのが夢。

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濱 裕宣(はま・ひろのぶ)
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部部長
給食栄養管理と臨床栄養管理をバランスよく機能させ、患者の立場に立った食生活の向上指導にあたる。監修書に『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます!』(世界文化社)、『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』(出版文化社)など多数の健康レシピ本にかかわる。

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(高橋農園常務取締役 しん/野菜を育むプロ(高橋伸吾)、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部部長 濱 裕宣)

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