「上司が悪い 環境が悪い 時代が悪い」自分がダメな理由を"自分以外"に見出す人が打ちのめされる"世界の名言"
プレジデントオンライン / 2024年12月12日 10時15分
トーマス・エジソン(写真=Louis Bachrach, Bachrach Studios, restored by Michel Vuijlsteke/アメリカ議会図書館/PD US/Wikimedia Commons)
■「上司が悪い」「環境が悪い」「時代が悪い」では成長できない
一生懸命にやっているのに、ぜんぜん結果につながらない。新しい仕事に取り組んだのはいいけど、手も足も出ず己の力不足を思い知らされている。まわりがみんな自分より有能に見えて、激しいコンプレックスを覚えている。
働いていれば、誰しも「オレってダメだなあ」と落ち込む場面があります。仕事がうまくいかないと、多くの人は「上司が悪い」「環境が悪い」「時代が悪い」など、原因を自分以外に求めてしまいがち。それは不毛だし、極めてもったいない話です。
壁にぶつかって「オレってダメだなあ」と思ったときこそ、自分の殻を破って大きく成長するチャンス。何かや誰かのせいにするという甘い誘惑に負けて自分を甘やかすのではなく、挫折やコンプレックスを成長の糧にするために、名言の力を借りてみましょう。
名言その1
■【私たちの最大の弱点はあきらめることにある】
トーマス・アルバ・エジソン(アメリカの発明家・起業家/1847~1931年)
エジソンは、努力や失敗の大切さを説く言葉を多く残しています。「失敗は成功の母」「私は今までに一度も失敗をしたことがない。電球が光らないという発見を今まで二万回しただけだ」「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」などなど。
この言葉は、さらに「成功するのにもっとも確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることなんだ」と続きます。思うような結果が出なくて落ち込んでいる人は、エジソンの言葉に背中を押してもらって、「もう一回だけ」試してみましょう。ダメだったとしても、また「もう一回だけ」試し続ければ、きっと道は開けるはず。
「あきらめたら、そこで試合終了だよ」という有名な言葉もあります。あきらめない限り、その挑戦は「失敗」ではないし、その戦いは「負け」ではありません。ただし、何度も同じ方法を試すのではなく、成功に近づくための工夫と努力は重ねましょう。
名言その2
■【高みに上る人は、皆らせん階段を使う】
フランシス・ベーコン(イギリスの哲学者・政治家/1561~1626年)
目標に向かって努力しているときに、思ったような手ごたえを感じられず、遠回りをしている気がすることがあります。そんなときは、ベーコンのこの言葉を思い出しましょう。遠回りをしていると感じるのは、あなたが「高み」に上っているからです。
人間の成長も旅も、節目や目的地に「最短距離」でたどり着けばいいというものではありません。らせん階段でゆっくり着実に前に進んだほうが、長い目で見るとより多くのものを得られるし、より高みに到達できるはずです。旅も同じ。寄り道しながらゆっくり進んだほうが、より充実した道のりになるでしょう。
近ごろよく聞くのが「タイパ(タイム・パフォーマンス)」という言葉。もちろん、無駄に時間や手間をかけるのは、いいことではありません。しかし、常に「タイパ」を最優先していたら、いつまでも「低み」をウロウロすることになる気がします。
名言その3
■【咲くのが早い花はしぼむのも早い。すぐにこぼれ落ちない松葉が寒い風にも耐える】
ナシ族(中国の少数民族)のことわざ
歌人の石川啄木も「友がみな我よりえらく見える日よ花を買い来て妻と親しむ」という歌を詠みました。誰しも他人と自分を比べて、落ち込むことはあります。たとえ現時点では、友のほうがえらく見えていたとしても、気にする必要はありません。まして、落ち込んでも仕方ありません。
ナシ族のことわざは「咲くのが早い花はしぼむのも早い」と言ってくれています。松葉は見た目は地味ですが、寒い風にも負けません。人にはそれぞれのペースがあり、それぞれの花の咲かせ方があります。もちろん、他人が咲かせた花がしぼむのを願う必要はありませんが、自分には自分の花があり、時期が来れば必ず咲かせることができると信じましょう。
冒頭で紹介した石川啄木も、泣き言を言ってはいますが、こうして後世にその名と作品を残しています。えらく見えた友の中で、啄木ほど見事な花を咲かせた人はいないでしょう。落ち込んだときに、一緒に花を愛でて語らってくれる妻の存在も、きっと大きな力になってくれたに違いありません。
名言その4
■【だから皆ゲーテになる気で精進することが必要なのだ】
芥川龍之介(小説家/1892~1927年)
ゲーテは、『若きウェルテルの悩み』などで知られるドイツの文学者・詩人。芥川龍之介が深く尊敬する人物です。これは「人間は自然の与えた能力上の制限を越えることはできぬ。そうかといって怠けていれば、その制限の所在さえ知らずにしまう。」に続く言葉です。
人間は、どうがんばっても空を飛ぶことはできないし、水の中で暮らすこともできません。そして、誰もが学問を究めたりビジネスで成功したり芸術の分野で成果を残したりできるわけでもありません。ただ、自分の能力には限界があるからといって「がんばってもたかが知れてるから」「どうせ○○には勝てないから」と怠けてしまうのは、じつにもったいない話です。
能力や環境に制限があるからこそ、高い目標や理想を掲げて、そこに少しでも近づけるように精進することが大切。「できるだけのことはやった」と思えれば、自分なりの「制限の所在」を知った上で、満足感や達成感を覚えられるでしょう。それは、ゲーテになる以上に素晴らしいことです。
名言その5
■【自分は有用の材なりとの自信ほど、彼に有益なるものはあるまい】
アンドリュー・カーネギー(アメリカの実業家/1835~1919年)
日本には「謙譲の美徳」という概念があります。仕事に関しても、自分はこんなに有能だ、こんなに役に立つとアピールするより、自分なんて何もできない、自分はまだまだだと謙遜するほうが美しい態度であり、人として尊敬されるという考え方です。
たしかに、中身がないのに自慢ばっかりしている人は、評価も信用もされません。しかし、うぬぼれや過大評価ではない範囲で「自分にはできる」「自分は役に立つ」と自信を持つことは、とても大切。その気持ちは、苦しい状態を乗り越えたり困難に立ち向かったりする上で、大きな力となるでしょう。
謙遜は、時に「自分を甘やかす言い訳」になりかねません。新しいことや難しいことに挑もうとしたときに、「自分なんて」という謙虚な気持ちが足を引っ張ることもありそうです。ことさら周囲にアピールする必要はありませんが、心の中では「自分ならできる」と自分を信じましょう。たとえ勘違いでも、ヤル気がみなぎる効果は確実にあります。
「名言」は人類の叡智の集大成です。さまざまな偉人が残した言葉や、世界各地で大昔から伝わっている言葉には、強く生きるための知恵や自分を元気づける秘訣が詰まっています。生きていく上で必ず付きまとう悩みや迷いやモヤモヤは、名言に解消してもらいましょう。悲しいときや落ち込んだときは、名言に慰め励ましてもらいましょう。名言という頼もしい味方と手を取り合いながら、あなたの人生をあなたらしく胸を張って歩いて行ってください。
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大人系&検定系コラムニスト
1963年三重県生まれ。1993年に『大人養成講座』でデビューして以来、大人の素晴らしさと奥深さを世に訴え続けている。『大人力検定』『父親力検定』『大人の言葉の選び方』など著書多数。最新刊『昭和人間のトリセツ』(日経プレミアシリーズ)と『人生が好転する95の言葉 大人のための“名言ケア”』(創元社)が好評発売中! 郷土の名物を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」を務める。
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(大人系&検定系コラムニスト 石原 壮一郎)
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