これで妻は突然ブチ切れる…「家事とか手伝うから」に並ぶ絶対言ってはいけない忘年会シーズン典型フレーズ
プレジデントオンライン / 2024年12月14日 10時15分
※本稿は、岡野あつこ『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』(講談社プラスα新書)の一部を再編集したものです。
■絶対に言ってはいけない一言
夫に言われて妻が思わず怒ってしまう代表的なフレーズとして、「家事とか手伝うから」があります。
夫のほうとしてはよかれと思って言っているのですが、女性が予想外に怒りはじめてしまい、ショックを受けてしまうこともあるようです。
「男性は外で仕事、女性は家事」という役割分担が暗黙に決まっていたのは昔の話です。女性の社会進出が進み、いまや共働きが当たり前。これまで専業主婦が担っていた「家事」「育児」を男性も分担するのはもはや当然、と受け止めている女性は多いことでしょう。
だから家事はお互いが負担すべきものなのに、それを「手伝う」と言うと、強い違和感があるわけです。「家事のメイン担当は女性側」という古臭い家父長的な考え方が透けて見えるのです。そもそも「手伝う」という言い方に、「上から目線」な態度を感じる人もいるでしょう。
働いている女性にとって、家に帰ってきてさらに家事をやるのは大変です。その上、子育てもやるとなると本当に重労働だと思います。
それを手伝うと言う夫の気持ちは大事なのですが、言い方に気をつけないと、相手の感情を逆なでしてしまうわけです。
ただ、感じ方は人それぞれという面もあります。ある程度以上の年齢の方だと、「家事は女性の仕事」という暗黙の了解を受け止めていて、夫に「手伝う」と言われれば普通に嬉しく思う人もいます。
逆に、男性に家事を手伝うと言われても、「自分のテリトリーに口出しされる」と感じてバッサリ断る人さえいます。そういう世代の感じ方を、いまの時代の主流のジェンダー意識を振りかざして批判するのはあまり生産的ではないと感じます。
妻に言われて夫がカチンとくる言葉もあります。「男のくせに稼ぎが少ない」などと言われていい気はしないでしょう。
そもそも家事の分担については、一緒に暮らす前からよく話し合っておくほうがいいでしょう。家事が苦手な人もいますし、「料理はできるけど、片付けは苦手」といった人もいますから。
「料理も洗濯も二人でやる」というよりも、それぞれが得意な作業を担当し、苦手な分野はパートナーにやってもらう、という「分担」で解決することも多いと思います。経済的に余裕があれば家事代行を頼んだりもできるので、二人で正直に話し合えば解決策はいろいろとあるものです。
■「仕事だから」でブチ切れ
「仕事だからしょうがない」――。急に約束をキャンセルすることになった場合など、つい言ってしまいがちなフレーズですが、これが許せないという人も結構多いです。
だいたい、「しょうがない」とは言うものの、どうにかして仕事をキャンセルすることができる場合もあるものです。ケースによっては、実際には「しょうがなくはない」と何となく想像がつくこともあります。
そもそも、先に約束をしているのですから、仕事が入らないよう調整するのが当然です。その仕事を他の人に頼むという手もあるはずです。
同僚や上司にそういうお願いをするのが面倒だから、身内を泣かせようとしているのでないかと勘繰りたくもなります。
それに、仕事を理由にするのはちょっと卑怯というか、言い訳のように聞こえるところがあります。そのため「仕事だと言えば何でも許されると思うな」という、思わぬ拒絶反応を引き出してしまうのです。
そもそも予定をキャンセルするのなら、謝るべきです。謝りたくないから「仕事だから」と、あたかも正当な理由があるかのごとく装っているようにも疑われます。本来なら、「キャンセルしてごめんね」と、謝罪の言葉が必要なところです。
さらに言えば、ただ謝るだけでなく「次はしない」とか、先のことについても約束しないとダメだと思います。
もちろん、本当に仕事が忙しい人もいるでしょうし、どうしても予定をキャンセルせざるを得ない場合は仕方ないとしても、それでも弁解の仕方を考えるべきだと思います。
「接待が入ったので、予定をキャンセルしたい。この接待で新規開拓できるかもしれないから、出なきゃいけないんだ」とか、「仕事だから」の一言で片付けずに、キャンセルせざるを得ない仕事の重要性を、こと細かく説明したほうがいいと思います。
丁寧に説明してくれるということは、相手のことを大事にしている、ないがしろにしていないという暗黙のメッセージになります。
場合によっては、これまでもお伝えしてきたように「フリ」でもいいので、言葉を尽くして丁寧な説明を心がけましょう。そうすれば、きっとパートナーもイラッとくることなく送り出してくれることでしょう。
■「今日は飲み会になった」
よく似たフレーズですが、「今日は飲み会になった」と言って、予定をキャンセルしようとする人もいます。
「なった」と、まるでどこぞのだれかが勝手に決めたように言っていますが、もちろん、本人の意志で飲み会の予定を優先したわけです。
要するに「飲み会に行きたいから、予定をキャンセルしたい」というのが本音です。
自分の都合で予定をキャンセルしたいのですから、本来ならもっと下手に出て謝るべきです。それを言いっぱなしのように、「今日は飲み会になった」と自分には非がないかのごとくに堂々と居直るのでカチンとくるわけです。
こういう誤魔化しのフレーズを使うときの真意は、たいてい、パートナーの反論を恐れているものです。
「飲み会に出たいから、行ってもいいかな」と下手に出て頼むと「何よそれ!」ともろに撃をてケンカになりかねない、と恐れているのでしょう。
「職場が近ごろギクシャクしてるから」など、飲み会に出なければいけない理由はきっとあると思います。その理由も添えて正直に明かせば、相手も受け入れてくれるはずです。
ケンカになると思うのなら、居直ってやりすごそうとするのではなく、代替案や取引材料を添えて交渉してみてはいかがでしょうか。
「今日の予定をキャンセルする代わりに、次の週末にプレゼントを買う」などと「交換条件」を出せば、相手も「まあ仕方ない」と受け入れやすいでしょう。金額的に大したプレゼントではなくても、こういう姿勢を見せることが関係を円滑にするカギです。
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夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー・公認心理士
夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー、NPO日本家族問題相談連盟理事長。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚相談所を設立。離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立する。これまでに32年間、38000件以上の相談を受け、2200人以上の離婚カウンセラーを創出『離婚カウンセラーになる方法』(ごきげんビジネス出版)。近著は夫婦の修復のヒントとなる『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)。著書多数。
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(夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー・公認心理士 岡野 あつこ)
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