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旧一万円札・福沢諭吉の「人の上に~」以上に味わい深い言葉を発見…2025年の指針にしたい「退かない」生き方

プレジデントオンライン / 2024年12月15日 10時15分

アンリ・ベルクソン(写真=Henri Manuel/アメリカ議会図書館/PD US/Wikimedia Commons)

新たな一歩を踏み出せる人ととどまる人は何が違うのか。『人生が好転する95の言葉 大人のための“名言ケア”』(創元社)を上梓したコラムニストの石原壮一郎さんが、転職すべきか否かなどで悩む人に向け、「怖い、心配、不安」といった迷いの気持ちを持つ人の背中を押してくれる3つの名言を紹介する――。

※本稿は、石原壮一郎『人生が好転する95の言葉 大人のための“名言ケア”』(創元社)の一部を再編集したものです。

未来がどうなるかは、誰にもわかりません。決断が吉と出るか凶と出るかも、あとになってみないとわかりません。例えば、転職するのが正解かどうか、どれだけ悩んだところで答えは出ないでしょう。とにかく転職すればいいということでもありません。

「このままじゃいけない」と転職を思い立っても、いざ行動を起こそうとすると「環境を変えるのが怖い」「うまくいくかどうか心配」「何となく不安」といったマイナスの感情が、次の一歩を踏み出そうとするのを邪魔してきます。「やらない理由」を探したくなることもあれば、転職したいと思うことが現実逃避の手段になっているケースも。

転職がいい未来につながる保証はありませんが、それは現状維持を選んだとしても同じ。自分にとって望ましい未来をつかむために、名言に背中を押してもらいましょう。

名言その1

■【どこまで行けるかを知る方法はただひとつ。出発して歩き始めることだ】

アンリ・ベルクソン(フランスの哲学者/1859~1941年)

就職にせよ転職にせよ移住にせよ、あるいは結婚にせよ離婚にせよ、新しい道を歩き始めるときは、誰しも「うまくいくだろうか」「この道でよかったんだろうか」と不安でいっぱいです。かといって「見通しが立ってから出発したい」と思っても、それは無理な話。とにかく一歩を踏み出さないと始まりません。

どんなに不安でも、どんなに険しい道のりでも、一歩ずつ踏みしめていけば確実に前に進みます。ぬかるみがあれば避ける方法を考えればいいし、壁にぶち当たったら、はしごを探すなり横道にそれるなりして、どうにか越えることができるでしょう。

そして、しっかり地面を踏みしめて歩いて行くうちに、いつの間にか自分がイメージしていた限界を軽々と越えてしまうこともよくあります。歩き始めてしまえば、こっちのもの。今抱いている不安は、やがて自信や希望に形を変えてくれるはずです。

●結論 世の中にはいつまでも歩き出さずに予想や論評ばかりしている人もいる
名言その2

■【進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む】

福沢諭吉(啓蒙思想家・教育者/1835~1901年)
1891年ごろの福沢諭吉
1891年ごろの福沢諭吉(写真=福沢研究センター/PD-Japan-oldphoto/Wikimedia Commons)

変化には勇気が必要です。変化したことで、いい方向に進むとも限りません。今の状況や環境に強い不満がなければ、とりあえず「現状維持」が正解という気持ちにもなるでしょう。しかし、福沢諭吉は「進まざる者は必ず退き」という言葉で、前に進まないことは後ろに下がることと同じであると警告しています。

それに続くのが「退かざる者は必ず進む」という言葉。人は「やらない理由」を探すのが得意です。旗色が悪くなると、いったん後ろに下がってまた機会を伺おうと考えがち。しかし諭吉は、「退かざる者」であり続ける大切さを訴えました。

スムーズにはいかなくても、退きさえしなければ、ジタバタしているうちに必ず前に進めます。ムキになって「前進」にこだわるのは危険ですが、態勢を立て直すにせよ作戦を練り直すにせよ、「退いているのではない」という意識は持ち続けましょう。

●結論 仕事も人間関係も日々努力と変化を積み重ねてやっと現状維持を保てる
名言その3

■【満身の力を込めて現在に働け】

夏目漱石(小説家、英文学者/1867~1916年)

はたして、今の仕事を続けていていいのだろうか――。誰しも、そんな迷いを抱くことがあります。仕事だけではありません。勉強している内容に対しても、「この選択でよかったのかな」「幸せな未来につながっているのかな」と迷うことはあるでしょう。

この言葉には、前置きがあります。フルバージョンは「妄りに過去に執着するなかれ、いたずらに将来に望を属するなかれ、満身の力を込めて現在に働け」。過去を振り返って後悔しても、やたらと未来に希望を託しても、ますます迷いが深まるばかり。人生に手ごたえを感じるために自分ができるのは、今やっている仕事や勉強に「満身の力」を込めることだけです。

満身の力を込めて目の前のことをやり続けられたら、どんな結果になっても満足できるはず。たとえ予想とは違う展開だったとしても、人生に悔いが残ることはありません。現在を疎かにしていたら、どんな結果にも不満を覚えそうです。迷いが生じたときは、まず目の前のことに全力を尽くしましょう。

●結論 過去や未来について考えがちなのは今すべきことをサボりたいからかも
名言その4

■【今日という日は残りの人生の最初の日だ】

イタリアのことわざ

何かを始めようとしたときに、最初の障壁となりがちなのは、自分の中に芽生える「もう○歳だしなあ」という気持ち。しかし、本当にやりたいことなら、年齢なんて関係ありません。今日は残りの人生の最初の日だし、今日の自分は残りの人生の中で「もっとも若い自分」です。

「もっと早く始めればよかった」「せめてあと○歳若かったら」と思う必要はありません。そもそも思っても仕方ありません。もし、誰かがそう言いながら何かを諦めているとしたら、本当はやりたくなくて「もっともらしい理由」にしているだけです。

誰もが新しい一日を迎えるたびに、人生の新しいスタートを切っています。戻っては来ない過去のことは忘れて、未来だけを見て、遠慮なく夢や希望を抱いてしまいましょう。いくつになろうと、あなたには無限の可能性があります。

●結論 大人に「もう遅い」ことはないが「まだ早すぎる」こともまずない
名言その5

■【逃げるのは恥だが役に立つ】

ハンガリーのことわざ
石原壮一郎『人生が好転する95の言葉 大人のための“名言ケア”』(創元社)
石原壮一郎『人生が好転する95の言葉 大人のための“名言ケア”』(創元社)。古今東西の名言から「人間関係がラクに」「自信がわく」「心が軽く」「前向きに」「自分を好きに」なる言葉を厳選。今必要な名言、指標となる名言、これからの人生を支えてくれる名言が満載。

人気ドラマと、その原作となった漫画のタイトルとして、日本でも広く知られているフレーズです。もともとはハンガリーのことわざで、「自分の戦うべき場所を見つけるために、時には逃げることを選ぼう」という意味。

今いる場所でがんばることも、途中で投げ出さないことも、もちろん大切です。ただ、もっと大切なのは、自分が持ち味や実力を発揮して、やりがいのある毎日を過ごせること。その苦労に意味があるのか、苦労することで自分が進みたい方向に進めているのか、時々は立ち止まって考えてみることが大切です。

「ブラック企業」や「パートナーのDV」が典型ですが、あなたを心身ともに痛めつけるだけの場所から逃げるのは、恥でも何でもありません。胸を張っていい勇気ある行動です。逃げることで新しい未来を切り開きましょう。

●結論 逃げることを「恥」だと責める人は、あなたを都合よく利用したいだけ

「名言」は人類の叡智の集大成です。さまざまな偉人が残した言葉や、世界各地で大昔から伝わっている言葉には、強く生きるための知恵や自分を元気づける秘訣が詰まっています。生きていく上で必ず付きまとう悩みや迷いやモヤモヤは、名言に解消してもらいましょう。悲しいときや落ち込んだときは、名言に慰め励ましてもらいましょう。名言という頼もしい味方と手を取り合いながら、あなたの人生をあなたらしく胸を張って歩いて行ってください。

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石原 壮一郎(いしはら・そういちろう)
大人系&検定系コラムニスト
1963年三重県生まれ。1993年に『大人養成講座』でデビューして以来、大人の素晴らしさと奥深さを世に訴え続けている。『大人力検定』『父親力検定』『大人の言葉の選び方』など著書多数。最新刊『昭和人間のトリセツ』(日経プレミアシリーズ)と『人生が好転する95の言葉 大人のための“名言ケア”』(創元社)が好評発売中! 郷土の名物を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」を務める。

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(大人系&検定系コラムニスト 石原 壮一郎)

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