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子どもを言い訳に使っていないか…メンタルコーチが「仕事か、子育てかの二者択一は古すぎる」というワケ

プレジデントオンライン / 2024年12月21日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ljubaphoto

人生の転機に、二者択一を迫られたらどのように決断すればいいか。メンタルコーチの一条佳代さんは「『二兎を追う者は一兎をも得ず』ということわざがあるが、これは昭和時代にインストールされた、まるでアップデートされていない発想だ。今は家電などテクノロジーも進化し、『二兎を追う者だけが二兎を得る』時代である」という――。

※本稿は、一条佳代『行動力神メソッド55』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■行動力を低下させる“タラレバ思考”という鎧

無意識のうちに「できないこと」を探し、何かにつけて「できない理由」を持ち出していませんか?

「できない理由」は、思考の鎧です。

重くて堅い鎧を全身にまとっている自分を、イメージしてみてください。

鎧で自分を守ろうとしたつもりが、事あるごとに鎧を追加していくうちに、身動きがとれなくなってしまう。次第に、鎧と完全に一体化してしまい、鎧すら自分の一部になっていないでしょうか?

行動できる人は、やりたいことに対して鎧がなく、とても身軽です。身軽だから、必要なタイミングで動くことができるのです。

あなたも、今すぐ、自分を縛っている鎧の存在に気づきましょう。鎧を脱ぎ捨てて、身軽な自分を取り戻すのです。

「もし○○だったら」「あのとき、○○していれば」のように、まだ起きていないことを気に病んだり、すでに終わったことをいつまでも引きずったりする“タラレバ思考”はあなたの行動力を低下させます。また、クリエイティブな発想を邪魔します。

「もし親の介護で時間がとれなくなったら……」
「もっと会社の理解があれば……」

こんなタラレバ思考の言い訳があふれてきそうになったら、すぐさまその言い訳をストップしましょう。完全に言い訳をやめるのが難しかったら、ちょっとやめてみる、くらいのスタンスでもかまいません。

■自由に発想を広げ、理想のモデルケースを探す

初級 タラレバ思考を受け入れる

初級では、タラレバ思考の言い訳をしている自分を、否定せずに受け入れるところから始めます。タラレバで考えてしまっても大丈夫。自分の中にタラレバ思考があるという事実を認めるだけでも、大きな前進です。

中級 タラレバ思考を手放して得られるものをイメージする

次に、タラレバ思考を手放したら何ができるかを考えます。たとえば「小さい子どもがいるから、英語の勉強ができない。時間があればできるのに」と言い訳しているなら、「子どもがいなかったとしたら、実際にどうするか」「子どもを一時保育に預けてみたらどうなるか」などを考えてみます。

実際に子どもを預けてください、ということではありません。思考のトレーニングをするつもりで、自由に発想を広げてみましょう。

上級 やりたいことを実現している「理想のモデルケース」を探す

前述の例であれば、子育てをしながら英語を勉強してスキルアップしている理想のモデルケースを探してみます。そのモデルケースがどのように過ごしているのかに興味をもって、調べてみましょう。

ご本人と直接お話ができれば、もっとよいですね。「どんな工夫をしているんですか?」などと質問をすれば、貴重なヒントが得られるはずです。

Point まずは、言い訳をしている自分に気づくことから始めよう

■明日に回さず、今やりたいことを一つやる

「明日からダイエットを始める」と言いながら、おいしいものをたくさん食べてしまう。翌日になったら、「今度こそ明日からダイエットする」と言い、やっぱり、いつものように食べてしまう……。

あなたも、こんな経験がありませんか?(何を隠そう、かつての私がまさにそうでした)。

でも、いつかやろう、今度やろうと考えているだけでは、「いつか」「今度」は永遠にやってきません。

やろうと思ったことが手つかずになると、時間とともにやる気が失われていきます。「できなかった」と自分を責める気持ちも芽生えてしまいます。

ですから、いつかやろう、今度やろうという考えを手放しましょう。明日に回すのをやめて、今やりたいことを何か一つ始めてみるのです。

今日と明日の文字が並び、今日にチェックが入っている
写真=iStock.com/yuriz
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/yuriz

たとえば、友だちや職場の同僚と話をしていて、「一緒にランチに行きたいね」という話になったとします。そんなときは、「また今度行こう」で終わらせず、できることを考えて動いてみてください。

■スマホを取り出して「いつにする?」と聞く

初級 その場でスケジュールを相談する

まずは手帳やスマホを取り出して、カレンダーやスケジュールアプリを開きます。それを見ながら「いつにする?」「どのお店に行く?」などと相手に尋ねましょう。

中級 日程と場所を決める

相手と話をしながら、具体的な日程や場所を決めます。日程や場所が決まれば、8割方、ランチは実現したも同然です。

上級 即座にお店に予約を入れる

ここですぐにお店に予約をしてしまえば、万全です。セッティングは完了しました。

スマホを取り出して「いつにする?」と聞いたら、相手が困った様子を見せたり、やんわり断られてしまったり、ということもあると思います。

それはそれでOKです。相手は、会話を盛り上げるために話を合わせていただけかもしれませんし、相手にも都合がありますから、断られても何ら問題ありません。

大事なのは、あくまでも自分の行動です。スマホを取り出して「いつにする?」と聞けただけでも、立派な行動力です。行動できた自分を認め、肯定しましょう。

私の場合、コーチングを継続的に行っているクライアントに対して、コーチングを始める前に「次はいつにしますか?」「次回の日程を決めておきましょうか?」と、確認しています。

うっかり次の日程を確認し忘れて、次回までの期間が開いてしまうと、クライアントのモチベーションが停滞してしまうおそれがあるからです。

「引っ越ししたいと思ったら、まずネットで物件を検索してみる」
「英語を勉強したいと思ったら、書店でテキストを探してみる」

とにかく、今日からできることを考えてやってみる姿勢が肝心です。

同僚とランチをとるビジネスマン
写真=iStock.com/franckreporter
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/franckreporter
Point 「今度、ランチに行こう」と言われたら、その場で日程を決めてしまおう

■「二兎を追う者だけが二兎を得る」時代

「仕事を頑張るか、子育てに集中するか」「会社員を続けるか、起業するか」「東京で働くか、地方で働くか」……。

こういった二者択一を前に、どちらを選んだらよいのか迷っている人がいます。

一つの選択肢を選ぶと、もう一つの選択肢はあきらめることになります。あきらめることで失うものを考えると、なかなか決断できなくなります。

結局、悩むだけで手つかずのまま。そんな人が少なくないと思います。

でも、本当にどちらか一つを選ばないといけないのでしょうか。どちらか一つしか選べないというのも、思い込みによるものではないでしょうか?

たとえば「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざがあります。私はこの言葉は“昭和アプリ”だと思っています。昭和時代にインストールされた、まるでアップデートされていない発想ということです。

どちらか一つを選ばなければいけないという考え方は、幼少期に刷り込まれた可能性があります。実際、昔は洗濯や掃除、料理などの家事に、今よりもはるかに時間がかかりました。仕事と家庭の両立が難しかったのも事実です。

しかし、今は家電も進化しています。タイマー機能を使えば、ご飯を炊くことができ、洗濯から乾燥だってできます。ロボット掃除機も普及しています。

今や「二兎を追う者だけが二兎を得る」時代です。一つだけを選ぶ昭和アプリは、今すぐアンインストールしてください。

■食べたいメニューが二つなら、一緒に行く人を誘えばいい

私は先日、子どもたちを連れてテーマパークに行ったのですが、駐車場に一人残り、車の中でパソコンを開き、オンラインでコーチングの仕事をしました。

テーマパークでは遊びに徹するのが世の常識ですが、私にとっては子どもと遊ぶ時間も仕事をする時間も、両方大事です。そのため、一部の時間を仕事に充てたのです。そのような選択をしても、家族からは文句一つ言われたことがありません。

「二兎を得るにはどうすればいいか」を考えれば、必ず方法が見つかるのです。

初級 ワクワクするほうを選ぶ

二者択一で悩んだときは、ワクワクするほう、ときめくほうを選んでください。

たとえば、コンビニでアイスを買うとき、いつもなら買わない高級アイスを手にしてみましょう。これがワクワクするほうを選ぶ訓練となります。

一条佳代『行動力神メソッド55』(三笠書房)
一条佳代『行動力神メソッド55』(三笠書房)
中級 冒険心をもって、やったことがないほうを選ぶ

カフェや飲食店で、いつものお決まりのメニューではなく、時には違うメニューを選んでみてください。それだけでも、自分の視野が広がります。

上級 二者択一の場合、両方得る方法を考える

中級までトレーニングできたら、次は、両方を得るトレーニングです。ランチで食べたいメニューが二つあったら、一緒に行く人を誘って、相手に「シェアしない?」と声を掛けてみるなど、両方を得るための工夫を考えて行動します。

ここまでくれば、二兎を得る感覚が徐々に身についてくるはずです。

Point どちらか一つを選ぶという発想を捨てよう

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一条 佳代(いちじょう・かよ)
メンタルコーチ、Vision Navigation代表取締役
コーチ育成コンサルタント、ネクストコーチングスクール代表。1971年兵庫県生まれ、京都府出身。高校卒業後、オムロン株式会社に10年勤務し、出産を機に退職。2020年二人の子どもと一緒に京都から東京に拠点を移し、株式会社Vision Navigationを設立。「すべての人が夢を持ち、夢に生き、互いの夢を応援し合える社会に」との理念のもと、ネクストコーチングスクールを主宰、「人気コーチ養成講座」を開講。また、法人向けに復職支援セミナーやコミュニケーション活性セミナーの研修講師も数多く務める。

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(メンタルコーチ、Vision Navigation代表取締役 一条 佳代)

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