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一流の経営者は初詣で必ず守っている…「二礼二拍手一礼」だけではない、鳥居から本殿参拝までの正しいルール

プレジデントオンライン / 2025年1月1日 6時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/taka4332

2025年が明けた。毎年多くの人が初詣に出かけるが、参拝ルールを守っている人はどのくらいいるのだろうか。神社検定1級をもつ複眼経済塾塾長の渡部清二さんは「初詣で絶対にやってはいけないことがある」という――。

■初詣で願い事をすると天罰が下る

初詣に出かける人も多いと思いますが、正しい初詣の方法をご存じでしょうか。たとえば、お賽銭。私は「お賽銭は投資と同じ」だと思っています。投資は文字の通り「資産を投げる」ものです。貸したお金と違って、二度と返ってきません。

言ってみれば、子育てのようなものです。親は子どもの成長を祈って投資します。リターンは求めていません。会社の成長を祈って見返りを求めずに投資するのが本来の投資です。

ところが今は、本体の投資の考え方がゆがんでしまい、「リターンありき」の投資になってしまっています。つまり、欲が先に出てしまうから失敗するのです。最近、投資詐欺が増えているのも同じ理由です。

神社への参拝もまったく同じです。お賽銭は二度と戻ってきません。「お金持ちになりたい」とか「結婚したい」とか、自分の欲のために参拝するのは間違っています。神様の立場になって考えてみてください。5円玉をお賽銭にして、「彼氏が欲しい」「お金持ちになりたい」といわれても、「ふざけるな」という話です。天罰が下ります。

■著名人や経営者が神社に通う理由とは

神社は本来、食べ物をお供えして天地の恵みに感謝するために行く場所です。何かしてほしいと願うのは、根本的に間違っているのです。

多くの著名人や経営者などの成功者も神社に参拝していますが、彼らは「私は日本のために頑張ります」と誓っているのではないでしょうか。落ち着いて考え直す時間を持つために神社に通っているのです。

言い換えると、悩んだとき、迷っているときに、自分の思考を整理するために神社に参拝する。参拝することによって神様から恵みを与えられる側面もあると思いますが、正しい参拝をしているからこそ、結果として成功しているのだと思います。

投資も無欲でいると、知らないうちに儲(もう)かっています。投資で成功した人の多くは同じパターンです。お金のために投資をするのではなく、別のことのために投資していたら儲かったというケースが多いのです。神社も「お金持ちになりたい」ではなく、「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝え続けているうちに、何かにつながります。それは私自身も体感しています。

■お賽銭を1万倍にしたら事業が成功した

私は2013年に会社を退職し、1年間無職でした。同じ時期に地元の大宮八幡宮が創建950年の式年を迎え、大祭が行われました。ちょうど修復のための募金が行われていたので、思い切って5万円を寄付しました。それまではお賽銭といっても5円玉を出す程度でしたから1万倍の金額です。

その後は毎朝、参拝しました。その時に「日本のために○○がしたい」と伝えました。最初は具体的な計画はなかったのですが徐々に形になり、いまでは多くの人と協力していまの事業をしているのです。

転職活動も一切しませんでした。毎朝神社を参拝して、散歩するだけです。そして朝日が昇ったら太陽拝をします。太陽を見つめていると、さまざまなものが落ちて固定観念から解き放たれる感じがありました。

そんな生活を続けているうちに、神社検定の存在を知りました。私は「日本を良くしたい」と思っていましたが、実は日本のことをまったく知りませんでした。日本を知るために「神社検定から始めてみよう」と思ったのです。

最初に受けたのは3級ですが、古事記、日本書紀、神社の基本、の3つが課題になっていました。2級になると万葉集などが加わり、1級になると宮中祭祀や遷宮なども出てきて、これまで見たことのないような祭祀の用語なども登場してきます。それらを一通り勉強したために、「日本のなりたち」について理解ができました。

■神様は本殿にはいない

初詣に話を戻しましょう。神社を参拝する際、本殿でお参りをする人が多いと思いますが、実は本殿には何もありません。空っぽです。一般的には神様は奥宮(おくみや)あるいは奥之院と呼ばれる場所にいます。一般的には本殿の裏の山などにあります。

たとえば埼玉・秩父の三峰神社は、パワースポットとして人気を集めていますが、多くの人は本殿に参拝するだけです。本殿も立派なのですが、できれば奥宮まで参拝に行ってほしいのです。

ただ、本殿と奥宮は離れていることも多く、三峰神社の場合も本殿から徒歩で1時間半ほどかかります。ですから、多くの人が集まる初詣の時期は本殿で参拝するしかありません。時期をずらして奥宮まで行って、自然のパワーを感じてほしいと思います。

神奈川・伊勢原の大山阿夫利神社も人気です。新宿から小田急のロマンスカーに乗ると45分で伊勢原駅に到着します。そこからタクシーに15分ほど乗り、山のふもとからケーブルカーに乗ると、本殿に到着します。

さらに登っていくと奥宮があります。私は下からケーブルカーを使わずに上がっていきましたが、トータルで2時間半かかりました。かなりハードな行程です。

大山阿夫利神社
大山阿夫利神社(写真=comachiangel/CC-BY-3.0/Wikimedia Commons)

■初詣は有名な神社よりも、氏神神社に行こう

私の考える「いい神社」とは、やはり自然に囲まれているところです。三峰神社や大山阿夫利神社はその意味ですばらしい神社だと思います。しかし、本殿と奥宮は離れていますし、人が多くなる初詣には向きません。

ですから、初詣は氏神神社に参拝するのがいいでしょう。氏神神社とは、自分が住んでいる地域の氏神様を祀っている神社です。日本全国どこに住んでいても、住んでいる地域の氏神があります。初詣は氏神様に参拝するのが基本です。

日本では昔から「3つの神を大事にしろ」と言われています。それは、「産土神(うぶすながみ)」、「氏神」、「自分の好きな神様」です。産土神は生まれた場所の神様です。

氏神神社以外でどこに初詣に行けばよいかを迷ったときには、一宮に行くのがおすすめです。国の1番格式の高い神社を一宮と呼びます。たとえば、東京周辺は昔、武蔵の国でしたが、一宮は大宮にある氷川神社です。武蔵の国では東京は田舎で大宮が首都だったのです。

■初詣で絶対にやってはいけないこと

初詣に行ったら、まずは鳥居の前で挨拶をしましょう。お辞儀をして鳥居をくぐったら、左側通行です。真ん中は絶対に歩いてはいけません。神様が通る場所だからです。

神社では、すべて左優先です。手水(ちょうず)舎でも同じです。

右手で柄杓(ひしゃく)を持って清水をくみ、左手にかけて清めます。次に柄杓を左手に持ち替えて、右手を清めます。再び右手に柄杓を持ち替えて、左の手の掌に水を受けて口をすすぎます。最後に柄杓を立てて、残った水で柄杓の柄を清めて終わります。

写真=iStock.com/joka2000
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/joka2000

混雑した神社では、遠くからお賽銭を投げ入れる人を見かけることがありますが、ぜひ賽銭箱の手前まで行ってください。鈴がある場合には、鳴らします。そしてお賽銭を入れたら、二礼二拍手一礼が基本です。出雲大社のように神社によっては二礼四拍手一礼のケースもあります。神社のルールに沿ってください。

拍手をするときにも、左優先です。左手が少し上に出るように両手を合わせます。このとき、前述のようにお願い事はしないようにしましょう。「今年1年家族が健康に過ごせますように」程度であれば構いません。これは利他だからです。反対に「お金持ちになりたい」とか「結婚したい」といった利己的な願い事はいけません。

参拝を終えた後も左側通行で鳥居まで戻り、一礼して帰ります。参拝の時間は午前中がいいでしょう。本当の神事は夜中に行われますが、参拝は午前中がいいとされています。はっきりとした理由はわかりませんが、おそらく明るい気のうちに行ったほうがいいという意味でしょう。

■天皇もやっている「おみくじ」の由来

初詣でお守りを受けたほうがよいか、と迷う人もいるかもしれません。常に信仰心を高める意味でお守りを受けて、肌身離さず持っているのはいいと思います。そして1年たったら、神社に返します。絶対にゴミ箱には捨てないでください。

おみくじを引くのもいいでしょう。昔は亀の甲羅を焼いて占いをしていました。天皇が代替わりしたとき大嘗祭(だいじょうさい)をおこないますが、そのときに、お米を奉納します。このとき悠紀殿(ゆきでん)で、悠紀地方の悠紀田で収穫されたお米で悠紀殿供饌の儀が執り行われます。続いて主基殿(すきでん)で主基地方の主基田で収穫されたお米で主基殿供饌の儀が執り行われます。どの田んぼのお米を使うかを決める際には、未だに亀の甲羅を焼いて占う亀卜(きぼく)が行われています。

おみくじは、亀卜から来ているものですので、歴史は古いのです。

■じつは初詣よりも大晦日が重要な理由

そして私が初詣より重要だと考えているのが大祓(おおはらえ)です。これは神社の大事な行事の一つで6月末と12月末に行われます。一般の人でも参加できます。私の通っている神社では茅(ち)の輪(わ)くぐりをします。細長い葉っぱを束ねてつくった、人が通れるほどの輪をくぐるのですが、これにより知らず知らずのうちについた罪や穢れを落とすことができるのです。

「自分は清廉潔白で罪穢れはない」と思う人もいるかもしれませんが、それは間違いです。誰でも生きていくために殺生をしています。何かの命をいただいて生きているわけですから、罪穢れがついているのです。年に2回、それを思い起こす意味でも大祓に参加するのはいいと思います。

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渡部 清二(わたなべ・せいじ)
複眼経済塾 代表取締役・塾長
1967年生まれ。1990年筑波大学第三学群基礎工学類変換工学卒業後、野村證券入社。個人投資家向け資産コンサルティングに10年、機関投資家向け日本株セールスに12年携わる。野村證券在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報読破」を開始。20年以上の継続中で、2022年秋号の会社四季報をもって、計100冊を完全読破。2013年野村證券退社。2014年四季リサーチ株式会社設立、代表取締役就任。2016年複眼経済観測所設立、2018年複眼経済塾に社名変更。2017年3月には、一般社団法人ヒューマノミクス実行委員会代表理事に就任。テレビ・ラジオなどの投資番組に出演多数。「会社四季報オンライン」でコラム「四季報読破邁進中」を連載。『インベスターZ』の作者、三田紀房氏の公式サイトでは「世界一「四季報」を愛する男」と紹介された。著書に、『会社四季報の達人が教える 誰も知らない超優良企業』(SB新書)、『会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方』(東洋経済新報社)、『「会社四季報」最強のウラ読み術』(フォレスト出版)、『10倍株の転換点を見つける最強の指標ノート』(KADOKAWA)などがある。

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(複眼経済塾 代表取締役・塾長 渡部 清二 聞き手・構成=向山勇)

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