だから1日2時間の肌ケアと化粧を欠かさない…101歳・ポーラの最高齢美容部員が今も持つ"仕事人マインド"
プレジデントオンライン / 2024年12月28日 8時15分
※本稿は、堀野智子『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。
■百寿者の健康の秘訣5カ条
私は2024年4月9日に101歳になりました。年齢を知ると驚かれますが、それ以上に「この年まで、病気らしい病気をしたことがありません」「今まで一度も介護保険を使ったことがないんです」と言うと、みなさん目を丸くして「すごいですね、そんな方がいるとは思いませんでした!」なんておっしゃいます。
血圧も血液検査も基準値の範囲内です。
さすがに若いころに比べて足腰が弱ってきた自覚はあり、床に座った状態から立ち上がるのも大変になってきたので、ケガをしないように気をつけています。
でもこの年齢になっても、介護の手も借りず、食事の支度もお風呂も自分1人でできていますし、特に困っていることもありません。こんなに丈夫な体に産んでくれて、母にはとても感謝しています。
いろんな方から「長生きの秘訣(ひけつ)はなんですか?」と聞かれるのですが、何か1つに絞り込むことは、なかなかできません。
私が思うに、次の5つがあるから、今の自分に幸福感を感じられ、それが心身の健康につながって元気でいられるような気がします。
2 人との交流を絶やさない
3 規則正しい生活をする
4 日々の楽しみを持つ
5 暗いことを考えない
では、今回は1から3についてお話ししていきましょう。
■たった1人のためにでもできることをしたい
トモコさんの秘訣1 仕事を通じて自分が必要な存在だと感じられる
本書でお話ししてきたように、私は今の仕事が大好きです。
61年前に初めてこの仕事に就いたときは、本当にうれしかったのですが、まさかこんなに長く続けるとは思ってもいませんでした。
勤続40年のときも勤続60年のときも表彰されましたが、「この賞は堀野さんのためにあるみたいな賞ですね」と言われ、晴れがましいような、こそばゆいような思いがしました。
私が仕事を続けてこられたのは、私から化粧品を買ってくださるお客様がいたからこそです。
かつては私のようなセールスレディから直接買うしかなかったポーラの化粧品ですが、最近ではデパートでも扱うようになり、さらにはインターネットでも買えるようになっています。私のお客様は高齢者が多いので、ネット通販は使わないでしょうけれども、他の販売員から買うことはできるわけです。
それなのにあえて私を選び、ずっと私から買い続けてくださっているのですから、感謝以外の何ものでもありません。化粧品の注文を受けるたびに心からありがたく思いますし、ああ、私もまだ必要とされているんだな、と感じます。
たとえお客様がたった1人になったとしても、そのたった1人のために自分にできることをしたい! そんな気持ちはずっと持ち続けています。
■愚痴を聞いたり秘密を打ち明けたりするのもご縁
トモコさんの秘訣2 人との交流を絶やさない
1つ目の「仕事を通じて自分が必要な存在だと感じられる」とも関連しますが、仕事を通じていろんな人と出会うことができ、今でもその何人かと交流を持てていることが、張り合いになっているのではないかと思います。
それこそバスで顔見知りになった人とも友達になるくらいなので、人付き合いは好きですし、人間関係がもたらしてくれるものは、とても大きいと思うのです。
自分にはできなかった体験について教えてくれたり、自分では思いつかないことに気づかせてくれたり……人と交わること自体が、人生を豊かにしてくれると思うのです。
たまには相手の人の愚痴を聞いたり、私もあまり他の人には打ち明けられないようなことを聞いてもらったりしたこともあります。
人と人は支え合って生きているのですから、日々のご縁を大切にしたいと思うのです。
■子どもが老親を訪ねるのは当然のことではない
支え合うといえば、私の13歳下の妹が関東に住んでいるのですが、しょっちゅういろんなものを送ってくれます。
高齢になった私が負担なく栄養をとれるよう、温めるだけで食べられるレトルト食品やお菓子などが多いですが、本当に頻繁に送ってくれるので「こんなにしてくれなくていいんだよ」と言ったことがありました。
すると妹は、「だって私は9歳でお母さんを亡くして、その後、ねえちゃんに育てられたんだよ。ねえちゃんは私のお母さんも同然だから、これくらいして当然でしょ」と言ってくれたのです。そんなふうに言ってもらえたことが心からうれしく、「あぁ、妹と私はお互いに支え合ってきたんだな」という思いを新たにしました。
子どもたちにも支えられていると感じることがよくあります。超高齢になった私を気遣って、孫たちを連れてよく訪ねてくれるんです。
会ったからといって、たいした話をするわけではありません。若い人には、他にやりたいことがたくさんあるはずなのに、わざわざ私のために時間を割いて来てくれることを、心からうれしく思います。
私は「子どもが年老いた親を訪ねるのは当然」とは思っていません。ありがたいことだといつも感謝しています。気恥ずかしいので、口には出しませんけどね。
高齢になると、若いころと違って、出歩いていろんな人と知り合うことはできなくなります。それと反比例するように、人と人との絆が貴重なものになっていくように感じます。
感謝の気持ちを忘れなければ、いくつになっても大切な人とのご縁は続いていくものなのではないでしょうか。
■朝起きたら真っ先にすることは
トモコさんの秘訣3 規則正しい生活をする
生活のペースは、この何十年も変わっていません。
まず朝ですが、決まって6時半に起きます。福島の冬は寒いので、正直なところ「もっと寝ていたい」と思うこともないではありません。でも、ずっと同じペースで生活してきているので、一度寝坊をしてしまうと夜眠れなくなるんじゃないかと思ってしまうんです。
そこで心を鬼にして、バッと勢いよく起きることにしています。
起きたらまず手を洗います。なぜ顔でなく手かというと、いつのころからか夜中に2回ほどお手洗いに立つようになったからです。そのたびに冷たい水で手を洗ってしまったら、眠れなくなるのでは? と思い、夜間に手を洗うのを控えるようにしているんです。
だから、起きて真っ先にするのが、手を洗うこと。
その流れで歯を磨き、うがいをします。
夜寝ているとき、自分がどんな呼吸の仕方をしているか、わかりませんよね? 余計なものを吸い込んでいるかもしれないし、口の中で雑菌が繁殖しているなんてこともいわれますし。
それを全部出すつもりで、歯磨きとうがいをします。それから洗顔をして、入念にお肌のお手入れをします。
■お化粧は毎日欠かさない
この図表1が、私の「外出しない日」の日課です。
「洗顔・お化粧」が朝6時半から7時半、「顔の手入れ」が夜22時から23時になっているでしょう?
現役でポーラのセールスレディをやっている身なので、お肌のお手入れは朝晩1時間かけてしっかりと丁寧にやるようにしているんです。
朝は必ずお化粧します。人に会う予定のある日かどうかは関係ありません。
お客様がお見えにならないとも限りませんからね。
ファンデーションをつけておしろいをはたき、口紅もつけます。これらを、骨折をして入院していた期間を除いて365日、欠かしたことがありません。
----------
ビューティーアドバイザー
1923年4月9日、5人きょうだいの長女として福島県に生まれる。女学校を卒業後、1941年逓信省(電話局)に入局。1946年23歳で結婚して、その後子ども3人、孫5人に恵まれる。1962年39歳のときに「子育てしながら自由に自分らしく働ける」ことに魅力を感じてポーラの化粧品販売員として働き始める。「生きている限り、大好きな仕事を続けていきたい」と日々セールス。個人の売り上げは2024年4月時点で累計約1億2670万円。2023年8月から2024年4月の月間売り上げの平均は前年同期に比べて25%増加。月10万円以上という売り上げ目標の達成を20年間続けている。2023年8月「最高齢の女性ビューティーアドバイザー」としてギネス世界記録に認定。
----------
(ビューティーアドバイザー 堀野 智子)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
収納にパンパンにモノを詰め込んではいけない…常に家がピカピカな人が「年に1度の大掃除」でしていること【2024編集部セレクション】
プレジデントオンライン / 2024年12月28日 16時15分
-
60代半ば、都心から郊外へ「美学ある」団地暮らし【再配信】 人生のアップダウンを経てたどり着いた「部屋」
東洋経済オンライン / 2024年12月28日 8時0分
-
だから今も働き続けている…101歳の現役販売員が病院のベッドの上で得た"一生モノの気づき"
プレジデントオンライン / 2024年12月26日 9時15分
-
「機械に介護されたい」89歳のIT強者が描く"老後" シニアは「0から1を創る」ことを生きがいにしよう
東洋経済オンライン / 2024年12月23日 9時0分
-
日向坂46佐々木美玲「人が怖くなってしまった」辛い時期に支えてくれたメンバーの存在 相次ぐ卒業・グループの転換期に本音語る【「陽射しのパレード」インタビュー後編】
モデルプレス / 2024年12月17日 15時0分
ランキング
-
1エアコン暖房「つけっぱなし」と「こまめに消す」どっちが節電になる?プロに聞いた節電方法
女子SPA! / 2024年12月28日 8時47分
-
2「通行人に暴言や舌打ち」東京駅前の“ウエディング撮影”が物議、JRは「許可が必要」
週刊女性PRIME / 2024年12月28日 19時0分
-
3Wi-Fiルーターを設置しているのに、あまりネットを使用していない実家の両親。ネット回線を使っていないときも「電気代」はかかっているのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月26日 5時30分
-
4新幹線の帰省ラッシュは“地獄”。泣き出す子供、指定席なのに「譲っていただけませんか?」に困惑
日刊SPA! / 2024年12月28日 8時53分
-
5トースターでお餅を焼くと中がかたいまま…上手に焼くコツをタイガーが伝授!「予熱」より「余熱」がおすすめ
まいどなニュース / 2024年12月25日 17時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください