12月に大掃除をする人は「なぜお金が貯まらないのか」を片付けのプロが丁寧解説
プレジデントオンライン / 2024年12月26日 9時15分
■間違いなく「お金が貯まらない」人の特徴
そもそもなぜ12月に大掃除をするのでしょうか。
その風習は平安時代に始まり、江戸時代には薪や炭で天井に溜まった煤(すす)を払うために、12月13日が「煤払(すすはら)いの日」と定められていたようです。また昔は10月が農作物の収穫の時期だったことから、農作業が一段落した12月が大掃除をするのによいタイミングとされていたとのこと。
しかし時代が変わった今、薪や炭を使う家はめったにありませんし、自分で食べる野菜をつくるのに農作業をしている人も少ないでしょう。
現代の12月は、まさに「師も走る」日本国民全員が忙しい時期。ビジネスパーソンは、仕事の大詰めを迎え、イベントや行事に追われ、大掃除どころではないでしょう。それなのに12月にあわてて大掃除をしている人がいる。この人たちは間違いなくお金が貯まりません。
■「時間管理」と「お金」の密な関係
なぜなら今、大掃除をしているということは、これまでやる時間がなかったから。つまり、時間管理ができていなかったということ。時間管理ができないと、どうしても無駄なお金が出て行くのです。
たとえば大掃除を担う家事代行サービスは、同じサービスでも10月と12月は値段が違います。12月は季節料金が加算されて、10月よりも割高になるのです。12月にギリギリ頼み、わざわざ高い金額を払うのは、むだとしか言いようがありません。
また12月や1月はクリスマスや正月など、何かとイベントごとがあります。その時に家が片づいていなければ、クリスマスのホームパーティで使う飾りや、お正月にいるポチ袋など、季節のイベントに必要なものが見つからず、買い直すことになります。ささいなことの積み重ねが数万単位のむだ遣いになっていくのです。
■大掃除の正解は10月
大掃除は12月ではなく10月にするべきです。10月に大掃除に取り掛かれば、家事代行サービスも安く頼めますし、季節のものを整理できるので、無駄遣いを防げます。
また少し話が飛躍しますが、12月は単純に寒い時期。ただでさえ疲れが溜まり、免疫が落ちてくる時期に寒い中、窓を開けて大掃除をすると、風邪をひく可能性大です。実際、私も子どもの頃に、年末の極寒の日に窓拭きをさせられて、ひどい風邪をひいたことがあります。体調を崩すと、薬代が病院代など医療費もかかるし、仕事のパフォーマンスも落ちます。予定していた帰省をとりやめて、チケット代がむだになるなんてことも……。
一方、10月なら窓を開けても気持ちいい時期。12月と比べて、寒さで具合が悪くなることもないでしょう。
ちなみに、わが家は10月に家事代行サービスをお願いして、お風呂やキッチンなどの水回りと換気扇、それから家じゅうの窓を徹底的にキレイにしてもらっています(食器棚やパントリー、クローゼットの中などは、ふだんから気がついたときに、ちょこちょこと進めています)。
とにかく大掃除はプロに念入りにやってもらい終了としています。これを無駄使いと思う人もいるかもしれませんが、プロに頼むことで時間が生まれて、その間に仕事などのすべきことができるので、私はこれを無駄使いとは思っていません。これも時間管理のひとつの手段ですね。
■これからやる人のための2ステップ
では、今あわてて大掃除に取り掛かっている人、まだ手をつけていない人はどうすればよいのでしょうか。諦めて片づけないよりは、来年の自分のために片づける方が良いに決まっています。2ステップで考えていきましょう。
ステップ1:ゴミの日をカレンダーに書き出す
まず最初にやってほしいのが、年末までにゴミを出せる日をカレンダーに書き込むこと。不要なものを捨てるのが片づけの最初の手順であり、最低限、いらないものはすべて年内に手放してほしいからです。燃えるもの、燃えないもの、不要品の回収、地域によって異なるので、お住まいの地域の日程を確認してカレンダーに記入したうえで、自分が片づけのできる時間を見つけていきましょう。
たとえば土曜日の3時から5時までならできるとか、来週はフレックスが使えるから朝はできるな、と隙間時間を可視化していきます。それをゴミの日と照らし合わせると「ここまでに燃えるゴミを集めないといけない」と動きが見えてきます。
ゴミが集まったから捨てる……ではなく、ゴミを捨てる日に合わせて自分を動かしていくのです。
■「完璧主義」から「完了主義」へ
ステップ2:ポイントを絞って片づける
片づける時間を見つけたら、こことここだけ終わらせようと、ある程度ポイントを絞って行いましょう。全部が中途半端に終わるのがいちばん残念なことなので、決めたところをきっちりと終わらせます。
大掃除を先延ばしする人は、完璧主義の傾向があります。片づけ始めると完璧にやりたいから、今日はここだけ済ませるということができない。でも大事なのは、完璧主義を捨てて“完了主義”でいくこと。
朝10分だけの片づけでも、ビフォー、アフターで写真を撮ってみると、見た目の大きな変化に気づきます。10分あれば引き出しをひとつ片づけたり、本棚を整理したり、紙類を捨てたりといったことができます。この積み重ねが片づけなのです。
ですから大掃除も、時間を区切って完了主義で取り組みましょう。完璧主義の人は、やり遂げる力が高いので、走り始めるとさっさと進んでいきます。
ここまで読んで「ここを片づけたい!」と浮かんだ方はそこの片づけを目標にしましょう。きっと、そこが片付くと気持ちの良い場所ですから。特に浮かばない方は、次の話を参考に片づけを頑張ってください。
■キッチンの片づけ、お風呂の掃除が完了すればOK
この時期にまず片づけを完了させてほしいのは、キッチンです。パントリーの中身もチェックして、賞味期限切れのものは処分し、期限が切れそうなものは料理して年内に食べきってほしいですね。
キッチンが完了したら、次はお風呂や洗面所などの水回りの掃除。
年末年始は家族が帰って来たり、親戚が遊びに来たり、何かと来客が多いので、みんなが気持ちよく使えるようにきれいに掃除しておきましょう。もちろん誰も呼ぶ予定がない、という人も同様に、掃除しましょう。そこまでやれば年内は十分。あとは年明けに回してOKです。
ちなみに掃除グッズにこだわると、お金がかかるのでNG。グッズを買うときには、しっかり吟味しましょう。ポイントは多用途かどうか。用途が一つだと、使いにくいものが多いですから。
■本当に使える「おすすめアイテム」
私のおすすめは、無印良品の隙間掃除シリーズ。
特に「ヘラ」や「ポイントブラシ」は、サッシの端や家電の隙間などに溜まった、細かい汚れをキレイにかき出せるスグレモノです。値段もお手頃なので、ぜひチェックしてみてください。また、わが家の掃除用洗剤は、キッチンもお風呂もharuの「ザ・ライフクリーナー」1本で済ませています。水回りはすべて使えるので、あれこれそろえずに済んで便利です。
あわてて大掃除をしている人、まだ大掃除に取りかかっていない人は、今さらジタバタしても仕方がありません。やれることをやりましょう。
そのうえで、必ずやってほしいことが一つ。それは2025年の手帳を広げて、10月に家事代行サービスを呼ぶスケジュールを入れること。
こうすれば、きっと来年はお金の貯まる家になるはずです。
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お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表
1967年生まれ、岡山県出身。大学卒業後、住宅メーカーのインテリアコーディネータとして従事。結婚し、20年専業主婦を経験したが離婚。その後はヨガスタジオの店長としてスタジオに通う多くの女性のさまざまな相談に応じる。2015年、得意の片づけを生かして起業。お片づけ習慣化講座「家庭力アッププロジェクト」修了生は全国で3000名を上回る。
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(お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表 西崎 彩智 構成=池田純子)
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