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「フライドチキンの血管、神経をチェック」「麺は人間の神経に見える」解剖実習期の医学部生あるある

プレジデントオンライン / 2024年12月26日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

今どきの医学部生はどんな大学ライフを送っているのか。「プレジデントFamily」編集部の取材に難関の医学部に合格した4人の男女が明かした、その赤裸々な内容とは――。(前編/全2回)

※本稿は、『医学部進学大百科2025完全保存版』(プレジデントムック)の一部を再編集したものです。

座談会メンバー ※すべて仮名
● 首都圏国立大 太郎くん 2年生、運動部
● 私立総合大 茂雄くん 5年生、運動部
● 国立大 瑠美さん 3年生、運動部
● 私立大 明子さん 5年生、元運動部。吹奏楽部に所属

■入学後は、勉強ざんまいな6年間?

【国 太郎くん】医学部イコール日々授業や課題に追われて勉強ざんまい……というイメージを持つ人が少なくないかもしれませんが、実際にはそんな人は少ないかな(笑)。部活に入って大学生活を謳歌(おうか)している人のほうが圧倒的に多いよね。僕自身、運動部に入っています。

【国 瑠美さん】うん。8割くらいが、運動部に入っているイメージです。

【私 明子さん】むしろ部活が忙しすぎて授業との両立が大変なくらい。

【国 瑠美さん】部活疲れからか、授業中爆睡している子もいっぱいいます(笑)。

【私 明子さん】最低でも週2〜3回、忙しいところは週4〜5回活動しているからね。部活によっては、授業後、夜に活動したり、土日は朝練があったりも。

座談会の様子
『医学部進学大百科2025完全保存版』(プレジデントムック)より

【国 瑠美さん】私が入っている運動部は結構ラクだといわれているけど、それでも土曜日を含めて週に3回は活動しています。

【国 太郎くん】うちの大学の部活は全般的に、練習内容はめちゃめちゃハードってわけじゃないけど、基本的に週3回の練習はほぼ強制参加。部活に来ること自体が大事だといわれていて、バイトで休むなんてもってのほかという雰囲気です。

【私 茂雄くん】うちは、夏の東日本医科学生総合体育大会(東医体)に向けて練習がどんどんハードになっていきます。ほかの部活も、春から夏にかけては大体忙しいと思う。逆に言えば、大会が終わった秋以降は、比較的時間をつくりやすいと思います。どちらにしろ1年生は、一般教養科目が中心で、医学に関する授業もないし、結構時間に余裕があるので、受験勉強を乗り切ったあとに、のんびり大学生活をスタートできるかと。

■テストの点数は6割ギリギリでOK

【国 太郎くん】ただ、授業のほうは秋以降ハードになっていく傾向があるかも。学校にもよるけど、カリキュラム的に学年末に向けて少し重い科目に移行していくから……。

X線画像を見ている女性医療従事者
写真=iStock.com/alvarez
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/alvarez

【国 瑠美さん】期末試験があるし。

【私 明子さん】そこにアルバイトも追加すると、時間のやりくりがなかなか大変に。結果的に、時間の使い方を工夫するようになっていきます。普段は部活に精を出して、テストが近くなったら集中して勉強するとか。そういう人が多い印象です。

【私 茂雄くん】むしろ、勉強は試験前しかしない人が多い気が(笑)。

【国 瑠美さん】その中にグラデーションがあって、2週間ぐらいかけてコツコツやる人、1週間前からちょこちょこやる人、一夜漬けの人という感じでしょうか。そんなに難しい試験でなければ、1週間前からちょこちょこやる人が多いですかね。

【私 明子さん】効率のいい人は多いかも。

【国 瑠美さん】みんな、受験勉強を経て、勉強の仕方がわかっている人たち、というのはあると思います。効率的に勉強するのが得意、という。

【私 茂雄くん】医学部は、成績の良しあしよりも、いかに単位を落とさないかが肝だしね。

【国 瑠美さん】うちはテストの点数が6割切ったら再試験。裏を返せば、6割取れればOKってこと。なので効率を極めて、ギリギリセーフの61〜63点を目指して勉強する人も。その分の時間を部活やバイトに注いでいる印象です。

■内職の「罰ゲーム」でカラオケを披露

【国 瑠美さん】カリキュラムの構造的に、一つでも単位を落とすと留年するのが医学部。そういう意味では常に危機と背中合わせなのですが、「どうにかなる」「なんとかなる」精神が育まれていく環境なのかなと思います(笑)。万が一、成績や出席が足りなくなりそうなときにも、親身になってくれる教授が多いというイメージです。

『医学部進学大百科2024完全保存版』(プレジデントムック)
『医学部進学大百科2024完全保存版』(プレジデントムック)

【国 太郎くん】まさに僕がそうでした(笑)。朝が弱くて起きられなくて、単位が取れるギリギリの線を狙っていたつもりだったのですが、ギリギリ足りていないことがわかって……(苦笑)。さすがに焦りましたが、先生が特別にマンツーマンで授業をしてくれて出席扱いにしてもらったことがあります。

【私 明子さん】おかげで留年を免れられた、と。

【私 茂雄くん】授業中は厳しい先生も少なくないけどね。ある先生の授業では、授業中にほかのことをやっていることがバレると、1曲歌わされるという罰ゲームがあって。それを逆手に取って、カラオケが得意な子がわざと内職して、歌を披露していたのは面白かったし、教授も笑っていたけど(笑)。

【国 瑠美さん】度胸がありますね(笑)。

■解剖が毎日続くとラーメンが神経に見えてくる

【私 明子さん】医学部ならではの体験といえば「解剖」でしょうか。2年生の後半くらいから始まるのですが、解剖が始まると、ぐんと週の予定がハードになります。ご献体を解剖する実習は、フル出席がマストなので。

人体解剖モデル
写真=iStock.com/ChrisChrisW
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ChrisChrisW

【国 太郎くん】僕は今2年生で、後期から解剖実習が始まるのですが、それが結構スケジュール的にきついという話を先輩からも聞きました。

【私 明子さん】大学にもよると思うけど、偶数学年の2、4、6年生の実習は特にハードかも。

【国 太郎くん】うちは週3回、午前から夕方6時くらいまでが解剖実習の予定。その後部活。

【国 瑠美さん】うちは解剖の授業がスタートすると、全授業が解剖になります。その時期は、解剖しかしていないから、頭の中が解剖でいっぱいになる。お昼ご飯のお弁当も、友達と解剖で出てきた内臓とかの話をしながら食べたり……。「私の班のご献体は血管が特殊だった」「うちの班のご献体は教科書通りじゃなかったな」という話とか。「こういう状態だったから、がんで亡くなられたのかな」とか、死因について話し合ったり。

実習後にメンバーとしゃぶしゃぶを食べに行ったとき、特別薄い肉があったので、「これ、小胸筋に似てない? という会話になり、それで笑いあったり。それって医学部以外の人からすると、ちょっと異様な光景なのかも……? ちなみに小胸筋というのは、大胸筋の下にある、薄くて面積の狭い肉のことです。

【私 茂雄くん】わかる。フライドチキンを食べるとき、いつも「これが血管で、これが神経で……」みたいな確認はしちゃう。

【国 瑠美さん】ラーメンを食べているときに、ラーメンの麺が神経に見えてきたことも……。

(以下、後編 医学部入学祝は大学と駅の間にある「タワマン」…国立と私立では違う医大生が普通に乗っている“外車格付け”へ続く)

(プレジデントFamily編集部 構成=桜田容子 撮影=大森大祐 取材協力=駿台予備学校 市谷校舎)

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