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「予定があって無理です」よりも何倍も効果的…「今度も誘おう」と思ってもらえる愛され上手の"断り方"

プレジデントオンライン / 2025年1月6日 19時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kuppa_rock

相手にとって都合の悪いことを言っても、なぜか好かれる人がいる。何が違うのか。ネタ作家の芝山大補さんは「言い方が9割といっても過言ではない。『人間関係は良い誤解か、悪い誤解』という言葉があるが、無意識に“悪い誤解”を生んでしまっているケースがある」という――。

※本稿は、芝山大補『お笑い脳』(KADOKAWA)の第3章「誰からも愛されるお笑い脳」の一部を再編集したものです。

■人間関係は言い方が9割

今回は、より人に好かれて人間関係が良くなる「コミュニケーションの伝え方」をメインにお届けしていきます。

その前に、人とコミュニケーションを取る上で、「伝え方」の大事なポイントをおさえておいていただきたいのですが、それは「言い方」です。

「え? 言い方ぐらいで?」と思っているそこのあなた。

人間関係は「言い方が9割」だといっても過言ではありません。

それを証明するために、次の2つ目のセリフを読んでみてください。

「○○さん〜! 今日飲みに行こうよ」
「すみません。今日は予定があって無理です」

このような誘いを断るセリフ。この言い方のパターンだけでも、1億飛んで2000パターンはあるでしょう。(そこまであるかはしらんけど)

■「次もまた誘おう」と思ってもらえる

これをサラッと読んだ人はダメです。明日から変顔で生活してください。

お笑い脳の人は、これを申し訳なさそうに言います。(「空気を悪くしない断り方」については、第2回の記事でお伝えしたね)

もっと言うと「ああ、残念だ。行きたかったのに」と気持ちを込めます。そうすると2つ目のセリフの言い方は、悔しがるようにゆっくり読むはずです。

もう一度、気持ちを込めて読んでみてください。

このセリフを受けた側は、サラッと言われたのか、感情を込めて言われたのかでは、感じ方が大きく違います。サラッとした言い方だと「誘われるのイヤなのかな?」とまで思わせてしまうかもしれません。

それに比べてお笑い脳の断り方だと、「あ〜残念がってくれてる。次も誘おう」とまで思ってくれるはずです。こうした積み重ねが、次の誘われる機会を作ります。

■人間関係の肝は「悪い誤解をさせない」こと

たかが言い方、されど言い方なのです。

この「言い方」ができると、人間関係で誤解されることが減ります。

「言い方ぐらいで誤解?」と思った方も多いでしょう。

立川談志師匠の名言に、「人間関係は良い誤解か、悪い誤解」があります。

「そもそも人間なんてのはどうしようもない生き物だ。仲が良い人も自分に対して良い誤解をしてくれているから仲良くなっている。仲が悪い人も悪い誤解によって仲が悪くなっているといえる」このような意味だと僕は解釈しています。

そう、コミュニケーションはいかに「悪い誤解をさせないか」が肝だといえます。

■初対面はとくに誤解を与えやすい

では「悪い誤解」はどういうところから発生するのでしょうか?

僕は、人間関係で多くのすれ違いを招くのは、「言い方」だと思っています。

例えば、言い方がキツかったから「相手は怒っていた」と思っていたけど、実は「相手は怒っていなかった」という経験はありませんでしたか。

人はいつもの通りに優しく伝えているつもりでも、疲れや機嫌によって「言い方」に微妙な変化が生まれます。

それに加えて、初対面のときだと人柄が伝わっていない状態です。相手の情報がない状態は、より怒っているかどうかの判断がしづらいといえます。そうした悪い誤解を改善せねば、崩れる関係性もあるかもしれません。

それを回避するために、1つの対策として「エンターテインメントの言い方」を覚えていただきたいです。

■「エンターテインメントの言い方」とは

例えば、「何言うてんねん!」というツッコミ。

専門的に言うと、「少し怒っている感」を表現しているほうがおもしろさは出ます。

しかし、そんな言い方だと「怒っている」と勘違いさせてしまう可能性があります。

そこで「エンタメ(エンターテインメント)の言い方」です。

「エンタメの言い方」とは、「笑顔で明るくゆっくり」を心がけた言い方になります。

鏡で笑顔と歯をチェックしている女性
写真=iStock.com/lielos
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/lielos

勘違いさせてしまうような言葉の場合は、こうした言い方で「怒っていない」と安心させるのです。

第1回の記事でもお伝えしましたが、コミュニケーションは相手に「安心感」を与えることが大切です。

■「飲みのお誘い」で練習してみよう

さて、言い方の重要性は説明しましたが、「はたしてそれができるのか?」と考える人もいると思います。

結論としては大方できるでしょ。(軽っ)

だって、言い方に「気持ちを乗せた」経験は、誰にでもあるはずですから。

例えば、落ち込んでいる子供に話しかけるときは「どうしたの?」と優しく安心させるように、言い方を変化させませんか? 冷たい感じでサラッと「どうしたの?」と言う方はいないはずです。(人の心があれば)

その要領で「言い方」に気持ちを表現するんです。そうすれば聞いている側の印象は大きく変わるでしょう。そこまで変わるかと信用できない方は、こんなふうに誘われたらどうでしょうか?

「飲みに行きませんか?」(暗い感じで)
「飲みに行きませんか!」(明るい感じで)

■いろんな感情で「はぁ」と言ってみる

こんなことですら、相手の「行く」「行かない」の行動が変わる可能性があります。

前者だと何やら楽しくなさそうだし、後者だと何かワクワクする感じがしませんか。

こうした言い方の練習は「言い方の変化を録音する」というやり方もありますが、僕がオススメなのが、いろんな感情で「はぁ」と言う『はぁって言うゲーム』(幻冬舎edu)という商品です。

怒っているときの「はぁ」、ボケているときの「はぁ」などなど、与えられたお題を声と表情だけで演じて、当て合うカードゲーム。状況に合わせた言い方の練習になると思います。

こうやって、同じ言葉でも「言い方の変化」ができるようになると、悪い誤解が生まれる確率をグッと下げられるようになるでしょう。

■難しい人は「少し笑顔で言う」だけでも大丈夫

僕は以前まで、初対面の人には必ず「怖い人」と勘違いされていました。

しかし、この「エンタメの言い方」に変えたら、その誤解は生まれなくなったのです。

ものすごく細かい変化ですが、それだけで大きな変化がありました。

ですので、みなさんも自分なりの「エンタメの言い方」を練習していきましょう。それだけで、本来は誤解されて生まれてなかった人間関係ができるかもしれませんよ。

芝山大補『お笑い脳』(KADOKAWA)
芝山大補『お笑い脳』(KADOKAWA)

ただ、どうやっても「言い方に変化」をつけるのが難しいと思う方もいると思います。

そんな方は、「少し笑顔で言う」ことを心がけるだけで大丈夫です。それだけで相手は、不安にはならなくなるはずです。(「殴るよ?」とかを笑顔で言うと、逆に怖くなるからそういうのはやめてね)

こういう細かなことも自分のコミュニケーションの手札を増やすことに繋がります。手札が増えれば、様々な状況にも対応しやすくなるはずです。そしていつしか「コミュ力が高い人」になります。

まずは「言い方」から意識をしてみましょう。

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芝山 大補(しばやま・だいすけ)
ネタ作家
1986年兵庫県生まれ。2007年、NSC大阪校に入学。2009年、2011年にはキングオブコント準決勝進出。現在はネタ作家に転身し、賞レースのファイナリストなど、芸人300組以上のネタ制作に携わる。2019年からは、「笑いの力で人間関係に悩む人を救いたい」という想いから、お笑いの技術を言語化して伝える「笑わせ学」に取り組む。講義やイベントでの指導、YouTubeやTikTokでの活動を通じて、多くの人に芸人の技術を伝えている。著書に『おもろい話し方 芸人だけが知っているウケる会話の法則』(ダイヤモンド社)、『お笑い芸人が教える みんなを笑顔にしちゃう話し方』(えほんの杜)、『お笑い脳』(KADOKAWA)。

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(ネタ作家 芝山 大補)

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