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シュッとした中高年はコンビニランチでこれを選ぶ…鶏むね肉+「血糖値を上げにくい炭水化物」の名前

プレジデントオンライン / 2024年12月25日 6時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Hakase_

血糖値を安定させるには何を食べたらいいのか。医師の大坂貴史さんは「主食の糖質だけではなく、食物繊維やタンパク質を含む食材を食べることが大切だ。忙しい人におすすめしたい、コンビニで買える血糖値を上げづらいフードを紹介しよう」という――。

※本稿は、大坂貴史『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■“食物繊維”を含む野菜は高血糖を防ぎやすい

健康維持のために積極的に食べるといい食品は? と問われたら、「野菜」と答える人がほとんどでしょう。1日に350gの野菜を食べることが推奨されていて、意識して野菜を食べている人もいると思います。

ところが2023年に行った厚生労働省の調査によれば、野菜摂取量の平均は1日250g。目標値よりも100gほど下回り、統計を取り始めてから最少であったことが示されました。糖尿病を防ぐために「野菜をもっと食べましょう」というのは簡単ですが、実際にはそれが簡単ではないという現実に即して対策を考えなくてはいけません。

野菜と血糖値の関係を考える上で、ポイントとなる成分は「食物繊維」です。

食物繊維には“水溶性”と“不溶性”の2種類があります。このうち、水溶性食物繊維は水分を吸収してゲル状になり、食べたものの消化スピードを遅くします。これによって胃から小腸への糖の移行スピードが遅くなり、血糖値の上昇を緩やかにすると言われています。だから、“食物繊維を含む野菜を食べると高血糖を防ぎやすい”のです。

野菜を増やす工夫としては、手間をかけずに食べられるものを選ぶのがひとつの手。レタスやミニトマトなら、包丁を使わなくても食べられます。

また、おかずの下に千切りキャベツを敷くのもおすすめ。千切り専用ピーラーを使用するのも便利ですし、すでに千切りにされているカットキャベツが袋入りで売られています。ブロッコリーやほうれん草、いんげん、オクラなどの冷凍野菜を活用してもよいでしょう。

■便秘も糖尿病と関係している

糖質制限ブームもあって、ダイエット目的で主食を食べない人がいます。しかし、これは一歩間違うと健康を大きく損なう危険な食べ方です。糖質制限で体重が一時的に落ちるのは、水分を取り込む食物繊維が減るからで、体から水分が抜ける事も理由の一つです。結果的にリバウンドしやすいという報告もあります。

そして、食物繊維が不足すると便秘につながります。さきほどご説明したように、水溶性の食物繊維は水に溶けるとゲル状になるため、便を柔らかくします。不溶性の食物繊維は便のかさを増やして、ぜんどう運動などの腸の動きを活発にします。食物繊維はお通じにとって重要な働きをしているのです。

しかも、体から水分が抜けるのですから、便も硬くなって出にくくなるのは当然のこと。食物繊維を積極的に摂ることで腸内細菌にも良い影響がありますし、近年腸内細菌と糖尿病の関係についても研究で明らかになってきています。

この食物繊維の量の面から言えば、葉物の野菜よりも、豆類やいも類、海藻などを増やすようにするといいでしょう。米や小麦、そばなどの穀類をしっかり食べることでもカバーしやすくなります。

日本人の食物繊維摂取量が減っている理由は、野菜不足に加えて、玄米や全粒穀物などの未精製の穀類が減っている影響が大きいと考えられます。ご飯と一緒に枝豆やさつまいも、わかめなどを炊いたり混ぜたりすれば、食物繊維がたっぷり摂れる主食になります。

■糖尿病を防ぐ食習慣の基本

“主食を抜かない”ことが大切な理由には、インスリンとの関係も挙げられます。

ご飯などの主食を食べない食事を続けると、血糖値を下げるホルモンのインスリンが出にくくなることが報告されています。そうすると、いざ糖質を摂取したときには“血糖値が下がらない”事態にもなりかねません。だから、ご飯は1食あたり、お茶碗1杯の150gを目安にしましょう。

朝食を食べる女性の手
写真=iStock.com/west
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/west

米の種類としては、白米と比較すれば未精製の玄米のほうが食物繊維量が多く、血糖値を上げにくいです。ただ、食べやすさや消化の面で、玄米が合う人と合わない人がいます。せっかく玄米にしても続かなければ意味がないので、玄米が好きな人以外は白米でかまいません。

白米に“もち麦”や“雑穀”をプラスすれば同じ量を食べても食物繊維量の摂取を増やせますし、炊飯器で簡単に炊くことができます。精米度合いを選べるなら“分つき米”や“胚芽米”にするのもよいでしょう。とにかく、こうでなくてはダメ、と選択肢を狭めるのではなく、自分が続けやすい方法を見つけて広げていってください。

■筋肉が減れば血糖値は上がりやすくなる

主食では、ご飯に限らず、パンもOKです。ご飯150gに相当するカロリーは、6枚切りなら1.5枚、8枚切りなら2枚、ロールパンなら2〜3個。目安としては100gと覚えておくといいでしょう。

ただし、食パンやロールパンをそのまま食べるならいいですが、バターやジャムを塗ってしまえば余計なカロリー摂取につながりやすく注意が必要です。おかずの組み合わせで、ウインナーやベーコンだと、さらに脂質が多くなります。

その点、ご飯なら合わせるおかずもヘルシーになりやすいです。納豆ご飯や卵かけご飯なら脂質は控えめな良質のタンパク質摂取が可能です。かつお節やじゃこをかけるだけでも、タンパク質をプラスできます。

タンパク質は筋肉の材料となる重要な栄養素。体にためておきにくいので、3食とも、こまめに摂取することが大切で、特に朝食には必ずタンパク質の食材を加えていただきたいです。体内の糖をためる部位の1つが筋肉です。タンパク質不足で筋肉が減れば、血糖値が上がりやすくなります。

■パスタとピザならどっち? 血糖値を上げにくいコンビニ飯

麺が好きな人も多いでしょう。その場合は、「そば」がお勧めです。そばは精製されていない全粒穀物なので、血糖値を上げにくい主食です。そば粉100%の「十割そば」が理想ですが、つなぎが入っていたとしても小麦粉100%のうどんを食べるよりも血糖値の上昇を抑えやすいです。

そばはコンビニでも買うことができます。一緒に鶏むね肉入りのサラダを購入すれば栄養バランスが整うランチになりますね。

量が決まっているコンビニのそばを活用することは血糖値を管理する上で悪くないと思います。また、スーパーで売っている冷凍そばも、クオリティが上がっていておいしいので、試してみてはいかがでしょう。

意外なところでは「パスタ」もおすすめできる麺です。パスタは基本デュラムセモリナという粗びきの小麦が原料で、完全に精製される手前のもの。だから、そばと同様、血糖値を上げにくい麺なのです。

大坂貴史『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)
大坂貴史『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)

しかも、パスタにはタンパク質が含まれます。1食で必要なタンパク質を完全に満たすとまではいきませんが、ゆでたパスタ240gのタンパク質量は14gほど。1食で摂りたいタンパク質量は20gが目安なので、7割を満たすことができます。

具がほとんど入っていないペペロンチーノではなく、タンパク源となる具がたっぷり入ったものを選ぶとさらにベター。普段のおかずで肉料理が多い人は、ペスカトーレやサーモンクリームパスタなどの魚介の具のパスタを選べば、タンパク源の選択肢も広げやすいでしょう。

ちなみに、昨今、冷凍のパスタでも味のよいものがたくさん市販されています。対して冷凍ピザは精製された小麦粉が原料なので血糖値を上げやすいです。選ぶなら、冷凍パスタに軍配が上がります。とはいえ、パスタはそばと比べてカロリーが高い点は否めないので、毎日のランチにパスタというような食べ方は避けましょう。

■たくさん噛んでゆっくり味わう。毎日の食事で大切なこと

忙しい毎日の中で調理時間はなかなか取れないものです。これまで紹介してきたように、カット野菜や冷凍野菜、冷凍麺などを活用したり、出来合いの惣菜に頼ったりすることは現代の知恵だと思います。

ただ、調理にかける時間は減らしても、食べる時間は減らさないことが大切です。早食いになると胃や腸が一気に食べ物を消化しようとするため、ブドウ糖も一気に血中に増えて血糖値が急上昇しやすいのです。

血糖値の急上昇は、できるだけ避けたいこと。一口ずつ、かむ回数を増やして、ゆっくり味わい、楽しみましょう。

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大坂 貴史(おおさか・たかふみ)
医師
京都府立医科大学卒業後、京都南病院で初期臨床研修を経て京都第二赤十字病院に就職。その後、京都府立医科大学大学院博士課程で医学博士を取得し、現在は綾部市立病院_内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学大学院医学研究科内分泌糖尿病代謝内科学講座客員講師。糖尿病専門医・指導医、総合内科専門医、日本医師会認定健康スポーツ医。市中病院で糖尿病をもつ患者さんを診察しながら、大学で糖尿病に対する研究を行っている。糖尿病と筋肉、糖尿病運動療法が専門。幸せになる運動の開発が現在の研究テーマ。趣味は料理とワイン。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、SAKE DIPLOMA。居合道・弓道・合気道有段者。YouTube、Xで医療情報を発信している。YouTubeの掛け声は「健康はぁ〜筋肉ぅ〜」

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(医師 大坂 貴史)

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