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3位は篠田麻里子、2位は深澤辰哉(Snow Man)、1位は…国内ドラマ「2024年俳優ランキング」男女混合ワースト10

プレジデントオンライン / 2024年12月30日 8時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/solidcolours

2024年に日本国内で放送・配信されたドラマで、評価するべき俳優はだれか。ドラマ偏愛コラムニストの吉田潮さんが作成した「2024年俳優ランキング」を紹介する。第3回は男優女優混合のワースト10――。(第3回/全3回)

■美貌も演技力も10代から変わらないのはどうなのか

ベスト俳優ランキングよりもなぜだか需要があるのが、超主観&偏向的「ワースト俳優ランキング2024」。なんだかなぁ。毎年やってるとレギュラー陣が固まりそうな勢いだが、今年は新メンバーも加入! 15名の栄えあるワーストをご紹介。

10位 後藤久美子

変わらぬ美貌と微棒

国民的美少女として名を馳せたゴクミ。うまいかどうかはさておき、80年代後半から歌に芝居にマルチな活躍、10代の頃から馬車馬のように働いてきた過去の栄華がある。

正月のスペシャルドラマ「顔」(テレ朝)で久々に復活、武井咲との共演が話題を呼んだが、変わらない美貌と微棒。変わらないことを称えるべきなのか。変わらない美学を今もなお貫く沢口靖子と共演した「痛快!ロックンロール通り」(TBS)をもう一度観たくなった次第。

9位 萩原利久

うまいのか下手なのか、どっちなんだい

ぼんやりしたおとなしめ・暗めの青年の印象。多くの作品に出演しているが、その実力が未だにわからないまま。悪目立ちしたのは昨年の「真夏のシンデレラ」(フジ)での罵詈雑言男子役だったが、今年は「めぐる未来」(読売テレビ・日テレ系)で主演、「降り積もれ孤独な死よ」(読売テレビ・日テレ系)では父親に虐待されていた主人公の弟役。

陰のある役が多いせいか、感情が起伏しないまま。なんかすごくうまかった記憶があったような気もするが、思い出せずじまい。

「鈍色の箱の中で」(テレ朝)で年上女性(トラブルメーカーが得意な筧美和子)に恋した男子の役とか? ちゃうなー。トリンドル玲奈にうまい夜食作る料理男子役を演じた「月読くんの禁断お夜食」(テレ朝)? それもちゃうなー。全部ぼんやり。

その判断をしたいと思っていたら、視聴を断念しかけた史上最凶の朝ドラに出始めたので、目下確認中である。

■番外編 2024ドラマワースト10 PART1

役者に罪はないが、いかんせん面白くなかったドラマをまとめてみよう。

10位 「民王R」(テレ朝)馬鹿騒ぎがすべり倒した敗因を考えたほうがいい
9位 「オクラ」(フジ)終始警察内部のいざこざで税金返せと叫びたくなる
8位 「イップス」(フジ)ミステリーとしての面白さが見つからなかった
7位 「若草物語」(日テレ)「若草物語」の名を騙る共感ゼロの四姉妹モノ
6位 「アクマゲーム」(日テレ)特撮モノの枠で3~5歳児向けにやるべき映像

今年はテレ朝と日テレがどうにもこうにも弱かった印象。ちなみに良作と思った作品数(BS含む)をカウントしてみると、

NHK 9本、日テレ 2本、テレ朝 1本、TBS 7本、テレ東 3本、フジ 6本だった。

NHKの受信料は月額で言えばNetflixと同じくらいだが、払うだけの価値があったなぁ。「ドラマのTBS」も復活の兆し。テレ朝はすべり倒している感。

ということでランキングへ戻ろう。

■女優の迫力に負け続ける

8位 亀梨和也

女優の貫禄に連敗

気の毒なのは、NHKの男女逆転「大奥」が好評を博し、その興奮冷めやらぬ時期に放送したのがフジテレビ「大奥」だったこと。本来ならば「大奥といえばフジテレビ」、本家であったはずが迫力不足で霞んでしまった。冨永愛の徳川吉宗(NHK版)が痺れるほどかっこいい将軍だったせいか、残念大奥になってしまったわけだ。

ここのところWOWOWのドラマ主演作が続き、2022年の「正体」では逃亡犯役を熱演していたのだが、笑わない役が増えたのは損だと思う。

挽回作品としては、「Destiny」(テレ朝)。悲劇のきっかけとなる事件が起こる前、学生時代に主役の石原さとみとイチャコラする場面はよかったのだが。その後は、貫禄のある石原が牽引したため、また霞んじゃってね。迫力や貫禄で女優陣に負け続ける宿命か。

■俳優というより脚本が悪い

7位 橋本環奈

偽善の家訓に呪われたギャル

NHK朝ドラ「おむずび」のヒロイン・米田結は高校生活初日に少年が落とした帽子を拾うために制服姿で海に飛び込んだり(無謀)、憧れの先輩のお誘いを説明もせずにドタキャンして(無礼)栄養失調ギャルを助けたり、栄養管理されている高校球児に毎日弁当を作ったり(自己満足)。

NHK連続テレビ小説の主演バトンタッチセレモニーで質問に答える橋本環奈さ
写真提供=共同通信社
NHK連続テレビ小説の主演バトンタッチセレモニーで質問に答える橋本環奈さん=2024年9月4日午後、大阪市 - 写真提供=共同通信社

困っている人をほうっておけない性分を米田家の呪いと雑にまとめているが、ほうっておいてほしい人やNOと言えない人の気持ちはあまり考えない。余計なお世話がすぎるので、偽善の文字が浮かぶ。結果的に、橋本環奈の自由度を奪い、感情表現にも表情にも奥行きが出ず、すべてがキョトン顔で終わっている。

名優・北村有起哉や名手・仲里依紗でさえも「キャラ崩壊」に陥れるとは……「おむすび」のすさまじい破壊力。

6位 杉野遥亮

成長痛

主演級に出世しているが、はたして彼はうまいのか?

山岳医療に登山ロケ、真摯に作っていることが伝わる「マウンテンドクター」(関西テレビ・フジ系)は主演作だったが、うまいか下手か判断がつかぬ。その後、反町隆史と組んで「オクラ」(フジ)に出演したものの、バディもろとも深く沈んでしまった。

黒木華と組んで、冴えない弟役を演じた「僕の姉ちゃん」(Amazon Prime Video)や、小学生を演じた「直ちゃんは小学三年生」(テレ東)は適役でよかったんだけどな。

未熟の妙技をもう少し重ねてほしかったのだが、急激に成長を促されて成長痛を起こしている感。

■「うざいおばちゃん」役はお嫌いでしたか

5位 篠原涼子

自我の断捨離

バカリズムと組んで、小説を書けなくなったミステリー作家役を演じたのが「イップス」(フジ)。設定は面白いのだが、篠原がはりきって事件に興味をもてばもつほど、好奇心で首を突っ込めば突っ込むほど、興味を失ってしまった。見事に反比例の曲線を描く。

図太さ炸裂という役どころは篠原の十八番だし、説明ゼリフに難があるわけでもない。コメディエンヌの素質は十分なはずだが、何かが過剰な気もする。自我?

「うざいおばちゃん」という、俳優としてはうまみのある役どころを、残念ながら掴み損ねている。

4位 田中みな実

外連味満タンのギャグ悪女のツケ

奇天烈すぎて失笑を誘う悪女役でのしあがってきた結果、普通の生活に戻れなくなっている、そんな印象がある。みな実が出てくると、無意識に構えるようになってしまった。

「Destiny」ではヒロインの大学時代の友人として登場したものの、初回で交通事故死という衝撃の展開。衝撃の展開のはずだが、みな実がなんかやらかすんだろうなと構えていたので、衝撃ではなかった。

逆に、何も起こさず、人としてまっとうな役を演じると、まあ目立たない。「ギークス」(フジ)では、滝沢カレンと仲良く揃って「変人詐欺」。ちっとも変人じゃない。

「あなたがしてくれなくても」(フジ)の仕事中毒編集者でサレ妻の役は、頭頂部から金属音が聴こえてくるようなギスギス感を醸し出して好演だったんだけどな。

■番外編 2024ドラマワースト10 PART2

5位 「龍が如く」(Amazon Prime Video)時の経過や場面転換わかりにくく、暗い
4位 「ギークス」(フジ)真面目で優秀な公務員を変人扱いするという致命傷
3位 「9ボーダー」(TBS)ボーダー感ゼロ、崖っぷち感ゼロ、心のざらつきゼロ
2位 「アイのない恋人たち」(ABCテレビ・テレ朝系)アンガーマネジメントが必要な案件
1位 「おむすび」(NHK)キャラ・セリフ・展開に魅力なし

特筆すべきは「龍が如く」かな。

「龍が如く」(Amazon Prime Video)
Amazon公式ウェブサイトより

なんだろう、あれ。役者はいいのに、とにかく全体的に暗くて、場面転換も突飛な気がするのよ。「ええと、今はいつ?」「ここはどこ?」と観ている側を混乱させる、なかなかの問題作だ。配信系でもワーストにエントリー。

そんなこんなで、吐き出してスッキリしたところでランキングへ戻ろう。

■私生活でいろいろあったもんねぇ

3位 篠田麻里子

「頑張っている」感が前面に

私生活でいろいろもろもろあって、再起をかけて挑んだ「離婚しない男」(テレ朝)で演じたのは、元アイドルで専業主婦の役。

新聞記者の夫(伊藤淳史)を邪険に扱い、愛娘を芸能界に入れるために奮闘するステージママ……というか、芸能事務所のマネージャー(小池徹平)とどっぷりがっつり性行為に溺れるという役どころで話題を呼んだ。

コメディであり、鬼嫁で色欲に溺れる不倫妻の役なのに、笑いも欲情も生み出せず、ただただ「必死に頑張ってるなぁ……」と憐憫を誘うのみ。

また、「潜入兄妹」(日テレ)では中盤に登場、犯罪組織から送り込まれた刺客という役どころだったが、これはこれで迫力が足りず。頑張っているのが前面に出ないように頑張ってほしい。

■不倫に至る熱量が足りないよ

2位 深澤辰哉

ぎこちない無表情

「わたしの宝物」(フジ)で、松本若菜と田中圭が不仲の夫婦、そこに間男として入る役なのだが、間男にしては力不足。優しくて思いやりがあるというのはぼんやりわかるのだが、いかんせん表情が乏しくて、ぎこちない。新たなる鉄仮面伝説の始まりか。

それにしても、不倫に至る熱量が足りない。元カレではなく、若菜の中学時代の幼馴染という設定だが、精神的な年齢差すら感じさせた。

偶然再会して、夫のモラハラに悩んでいた若菜を優しく包み込む。昔から思いやりがあって、寄り添って癒してくれて……でも避妊はしない。え、優しさって何?

「托卵」というテーマが強いだけに、優しさだけでは説得力が出ず。

■「アイドル→役者」のジレンマがここにある

1位 二宮和也

不機嫌の壁

2018年のSeason1で無愛想・威圧的・傲慢な凄腕心臓外科医・渡海を演じ、今年のSeason2では流暢にしゃべくり倒す強欲な心臓外科医・天城を演じた「ブラックペアン」(TBS)。

髪の色は違えど同じ顔、双子設定しかありえない展開で、二者の極端な演じ分けに挑んだわけだが、説得力はあったのだろうか。

アイドルの皆さんが出てくると、いつも思う。威厳や貫禄が出にくい童顔の人は年齢を重ねても厳しいものがある。不機嫌と貫禄はまったく違う。仏頂面や不機嫌だけで乗り切って、天才や凄腕などの下駄を履かされ続けると、愛嬌や愛想など天性の持ち味を封印してしまう。その典型例だと思う。

で、判断しかねるのは「推しの子」(Amazon Prime Video)のカミキヒカル役だ。名字が同じ名俳優が適役だと予想されていたが、開けてみたらニノ。

「推しの子」(Amazon Prime Video)
「推しの子」(Amazon Prime Video)公式ウェブサイトより

映画『青の炎』で魅せた狂気に期待する人もいる。もしかしたら挽回作になるかもしれないが、はたして不機嫌の壁を越えられるだろうか……。しばし見守ることにする。

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吉田 潮(よしだ・うしお)
ライター
1972年生まれ。千葉県船橋市出身。法政大学法学部政治学科卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆。2010年4月より『週刊新潮』にて「TVふうーん録」の連載開始。2016年9月より東京新聞の放送芸能欄のコラム「風向計」の連載開始。テレビ「週刊フジテレビ批評」「Live News イット!」(ともにフジテレビ)のコメンテーターもたまに務める。

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(ライター 吉田 潮)

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