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「ラフすぎる服装」は自分の値打ちを下げるだけ…一流の仕事人がスーツをパリッと着こなす本当の理由

プレジデントオンライン / 2025年1月10日 8時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/miniseries

人から大切にされる人と、ぞんざいに扱われる人は何が違うのか。1959年にアメリカで発売されて以来、世界中で読まれている自己啓発本、ダビッド・J・シュワルツ著『大きく考えることの魔術』(翻訳:桑名一央氏/実務教育出版)より、その一部を紹介しよう――。

■人によって扱われ方が違うのはなぜか

店の店員が、ある人にはていねいに「おはようございます。なにかご用は?」と挨拶するのに、他のお客にはぶっきらぼうな態度で接するのを見て、不思議に思ったことはないだろうか。あるいは、ある女性のためにはドアを開けてあげるのに、ほかの女性に対してはまったくそうしないのはなぜなのか?

このような例は見回せば数多くあるだろう。ある人は「おい」とか「こら」といった扱いを受けるのに、別な人は丁重に扱われる。よく観察してみたまえ。信頼や忠節、賞賛を受ける人と、そうでない人がいるのに気づくはずだ。

どうしてこうなってしまうのだろうか?

ひと言で言ってしまえば、それはあなたの考え方からくるのだ。われわれは、自分がそれに値すると考えているような扱いを受けているのである。

自分は劣っていると考える人は、その人の本質がどうであるかには関係なく、劣っている人の扱い方をされる。劣っている人は、劣っている人なりの行動をとるからだ。劣等感を持っていれば、彼はそのような行動をとる。どんなに隠そうとしても、長い間それを隠し通せるものではない。どこかで劣等感を持った人の行動をとってしまうのだ。

こうして自分が重要な人物ではないという劣等感を持っている人は、重要ではない人間となってしまうのである。考えが行動を規制するのだ。

■あなたの考えがあなたの価値を決める

逆にいえば、自分はその仕事に適していると考えている人は、ほんとうにそのようになるのである。

ということは、大切なことは、自分は重要な人間だと考えねばならないということだ。心からそう考えなければならない。そうすれば、周囲もそう考えるようになるだろう。このことをわかりやすく書き表わせば次のようになる。

あなたの考えがあなたの行動を決定する。

同時にあなたの行動が、あなたに対する他人の反応をも決定するのである。

他人の尊敬を得るには、まず、自分は尊敬に値する人間だと考えなければならない。そして、自分自身に尊敬の念を持てば持つほど、人はあなたに対する尊敬の念を強めるのである。この原理を試してみることだ。

■服装はなぜ重要なのか

自尊心を増し、他人の尊敬を得るためにはいくつかの方法がある。

私が教えを受けた心理学の老教授は、学年試験の前になると、決まってなぜか次のようなことを言っていた。

「この大切な試験のためには、きちんとした服装をすることだね。新しいネクタイを買いたまえ。ズボンはプレスして、靴も磨いておくことだ。外見がシャープだと、考えかたもシャープになるものだよ」

日本人ビジネスマンのポートレート
写真=iStock.com/key05
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/key05

あなたの肉体的な外観は、あなたの精神の内面に影響するのである。外からどう見えるかは、あなたが内心どう考え、どう感じるのかに影響するのだ。だから、服装を、あなたの精神を高揚させ、自信を植えつける道具として用いることである。

軍隊に入ったことのある人なら誰でも知っていることだが、軍服を着ると軍人らしく感じ、軍人らしく考えるものなのだ。女性なら、パーティー用のドレスを着てはじめて、いかにもパーティーへ行くのだという気分になれるのである。

■人はあなたを外見で判断する

とはいえ、人間を服装で判断してはいけない、中身で判断すべきだ、とよく言われる。たしかに道徳観としてはまことにそのとおりなのだが、この言葉に惑わされてはいけない。実際には人びとはあなたを外見をもとに判断するのだ。あなたの外見こそが、あなたの評価の第一の基礎となっているのである。

ある日私は、スーパーマーケットで、種子なしブドウを1ポンド15セントで売っているのを見つけた。ところが他の棚では、それと同じようなブドウが、ポリエチレンの袋に入れられて2ポンド35セントで売られていた。私は係の若い店員に「あちらの1ポンド15セントのものと、この2ポンド35セントのブドウはどう違うのですか?」と聞いてみた。すると「袋が違うだけですよ。同じものを2倍入れただけですが、ポリエチレンの袋に入れるとよく見えますからね」と言うのだった。

自分を売りこむ機会があったら、このブドウのことを思い出すことだ。適切に“包装すれば”、自分自身をより高く売りつけることができるのだ。

明日からは、レストランやバスの中で、ホテルのロビーやお店で、職場などで、人から尊敬を受け、愛想よくされる人を観察してみることだ。彼らの外観が決定的なことを語っているからていねいに扱われるのだ。

きちんとした服装は、

「ここに知的で、成功者で、頼りになる重要な人間がいます。この人は多くの人から賞賛され、信頼されています。彼は自分でも、そして人からも尊敬されています」

と語りかけているのである。

■みずぼらしい外観が伝えるメッセージ

これに対して、落ちぶれて、みすぼらしい外観は次のような消極的なことしか語っていない。

「ここに何をやってもうまくいかない人間がいます。この人は注意力が散漫で、能率が悪く、何ら重要な人物ではありません。普通の人間ですから、特に考慮する必要はありません」

シャツを着た男性
写真=iStock.com/Liudmila Chernetska
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Liudmila Chernetska

繰り返すが、あなたの外見は、あなたに話しかけると同時に、周りの人にも話しかけているのだ。だから常に「ここに高い自尊心を持った人間がいます。この人は重要な人間です。だからそのように扱ってください」と自分自身に話しかけることである。

外見が、自分は劣った人間だと考えさせるようなものだと、あなたはそのとおり劣った人間なのである。そうならないためにも、あなたにとって最善だと思われる外見を保ちなさい。そうすれば、あなたは最善なことを考え、そのように行動するようになるだろう。まさしく、あなたは自分がそうだと考えるとおりの人間なのである。

■仕事観でその人の潜在能力がわかる

三人の煉瓦(れんが)職人の話がある。三人の煉瓦職人が「君たちは何をしているんだい?」と聞かれたとき、一人目の職人は「煉瓦を積んでいます」と答えた。二人目は「1時間3ドル30セントで働いているのです」と答えた。だが三人目の職人は「私ですか? 私は世界最大の大聖堂を造っているんですよ」と答えたというのだ。

この話はここで終わりで、彼らがその後どうなったのかについては語っていない。しかしおそらく最初の二人は、そのままの煉瓦職人で終わっただろう。彼らにはビジョンがないし、仕事に対する自尊心もあまりない。大きな成功をもたらす何かが欠けているのだ。

これに対して三人目の、世界最大の大聖堂を心に描いていた男は、決して煉瓦職人のままでは終わらなかっただろう。少なくとも職長か請負人、ひょっとすると建築技師になったかもしれない。そしてもっと前へ、上へと昇っていったと思う。なぜか?

彼の考え方がそのことを実現させてくれるからだ。三人目の煉瓦職人は、自己発展の道を示すチャンネルに、自分の考え方をあわせているからである。

ダビッド・J・シュワルツ著、桑名一央訳『大きく考えることの魔術』(実務教育出版)
ダビッド・J・シュワルツ著、桑名一央訳『大きく考えることの魔術』(実務教育出版)

仕事に対する考え方は、その人の潜在的な能力を推しはかるものなのだ。就職コンサルタントをしている友人はそのことをよく知っていた。

「就職希望者にいつも注意することは、その人が現在の仕事についてどう考えているかということです。いまの仕事のどこかが嫌いになっていても、その仕事は重要な仕事だと考えている場合には、その人からはいつも好印象を受けます」

「その理由は簡単です。そういった人からはプライドが感じられるからです。そして、いまの仕事が重要だと感じている人は、仕事を移っても、プライドを失わずにいい仕事ができるはずなのです。仕事に対する尊敬の念と仕事の成果とは、驚くほど緊密に関係しているのです」

■一流の人として振舞おう

外見と同じように、あなたの仕事に対する考え方も、多くのことを周囲の人に語っている。

だから、自分は二流だ、必要なものが欠けている、失敗するだろう、弱い人間だと考えている人は、やはり凡庸の域を出ないだろう。

逆に、私は重要なのだ、私は必要なものを持っている、私は一流の人間だ、私の仕事は重要な仕事だと考えてごらんなさい。そうすれば、成功への道をまっしぐらに進むことになるだろう。

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ダビッド・J・シュワルツ ジョージア州立大学経営管理学部教授
ネブラスカ大学で理学士取得。オハイオ州立大学で修士号、オハイオ州で博士号取得。専門分野は主として、経営組織、マーケティング、経済、心理学。また、人材の活性化および開発を手がける業界のコンサルタントも務める。『大きく考えることの魔術―あなたには無限の可能性がある』(実務教育出版)の原書『THE MAGIC OF THINKING BIG』は、アメリカで1959年の発売以来、世界的ベストセラーとなった。

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(ジョージア州立大学経営管理学部教授 ダビッド・J・シュワルツ)

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