「頼まれるまでやらない」が大正解…よく気づく人が陥りがちな「いつも私だけ忙しい」を脱出するスルーテク
プレジデントオンライン / 2025年1月8日 16時15分
※本稿は、武田友紀著『イラスト版「繊細さん」の本 人間関係も仕事もラクになる方法、集めました』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
■「いつも私だけ忙しい」をなくす頭のいい方法
繊細さんは、作業する、メールを見る、といったごく普通の行動をしているだけで、改善点や誰も手をつけていない仕事に気づきます。非・繊細さんよりも多くの物事に気づくため、すべてに対応していると仕事量が多くなり、忙しくなってしまうのです。
自分の行動を「気づく」と「対応する」に分けてみましょう。気づくのはOKです。「気づく・気づかない」は、自分の意志でコントロールできるものではないからです。
大切なのは、対応するかどうかを自分で選ぶこと。
やりたいかどうかや自分のキャパシティをみて、対応するのか、放っておくのか、他の人に任せるのかを判断していきましょう。
「気づく」と「対応する」を分ける
忙しいときほど、まずは落ち着きましょう。気づいたことに片っ端から対応するのではなく、いったんすべて脇に置くこと。そして重要なものから順に、ひとつひとつやっていきましょう。
気づかない人を真似てみる
職場を見渡すと「自分よりも気づかない人」あるいは「気づいても対応しない人」がいるはず。思い切ってそういう人を真似してみましょう。
マイルールを決めて対応を減らす
対応するかどうか毎回悩んでいるのなら「こういう場合はこうする」とマイルールを決めるのがおすすめ。自分ばかり電話を取って仕事が進まないなら、「3回に1回だけ取る」と決めるのです。自分が取らなければ他の人が取ってくれることに気づけるはずです。
人に頼るという発想を持つ
繊細さんは相手の状況や気持ちを深く考えるため、なかなか気軽に「手伝って」と言いにくいもの。人に頼るのは、自分が頼まなければ他の人も困ってしまうときや、体調が悪くて動けないときなど、よほどのときだけ、という人も。
ですが、元気に生きるには、まわりに頼ることがとても大事。まずは「人に頼る」という発想を持ってください。
「これを頼んだら迷惑だろうな」とひとりで考えるのではなく、ズバリ「◯◯してほしいけど、どうかな?」と相手に聞いてみましょう。
「無理そうだったら言ってね」のひと言をつけくわえるのがポイント。引き受けるかどうかの判断は相手に任せます。
相手が引き受けてくれたら、「OKしてくれたけど、本当に良かったのかな」などと考えず、「いいよ」と言ってくれた相手の判断を信じましょう。
■「頼る」も練習
3つのステップを踏みながら、頼る練習をしてみましょう。
ステップ1は、「確実に応えてくれる人に頼ってみる」。
まずは練習の段階です。たとえば、百貨店で受付の方に場所を聞いてみる。教えてもらったら笑顔で「ありがとうございます、助かります!」と言ってみましょう。
ステップ2は「知り合いへは、簡単な頼みごとから始める」。
家族や友人など、話しやすい相手に少しずつ頼ってみます。ごく簡単な頼みごとから始めてみましょう。「お醤油とって」でOK。
ステップ3は「家族や職場で日常的に頼る」。
練習で慣れてきたら、仕事でも頼ってみましょう。「頼んだら助けてもらえるんだ」とわかると、安心感が増えて、生きやすくなります。
■先回りして相手を助けてしまうのはNG
繊細さんは相手の様子や周囲の状況を細やかに感じ取り、過去の出来事をもとに、「同僚の仕事はこのままじゃうまくいかないだろうな」「この調子だと、夫は風邪をひく」など、未来を予測します。相手よりも先に、相手の危機に気づくのです。
気づくのが早いからこそ、助けるタイミングも早い。でも、先回りして相手を助けることは、必ずしも良い結果をもたらしません。
相手が自分で気づかない限り、成長できずに同じ問題が繰り返されますし、「頼んでもないのに、手を出された」と感じることも。良かれと思ってやったことが、報われない結果になってしまうのです。
■助けるのは、相手に頼まれてから
まずは、手出しも助言もせずに見守ることが必要です。
「困ってるみたいだな」と思ってもグッと我慢。助けるのは、相手にはっきり言葉で頼まれてからにしてください。
「半自動的に助けてしまい、自分がイライラしてしまう」のはNG対応。
食器洗いから書類仕事まで、相手がやるべきことを手伝って自分を後回しにすると、「私ばかりやってる!」と苛立(いらだ)ちがつのります。
そうではなく、「しばらく見守り、頼まれてから助ける」のが正解です。
口出しや手出しをせずに、ただ同じ空間にいましょう。自分のことをしていると、相手が悩みを話し始めますが、そこで助けるのはまだ早いです。ただ話を聞いていると、助けが必要なのか、それとも自分でやるのか、相手自身が答えを出します。
助けるのは、はっきりお願いされたタイミングにしましょう。
■休みの日はひたすら寝てしまう…
仕事でぐったり疲れて、休みの日はひたすら寝て回復にあてている。そんな繊細さんが消耗しているのは、体ではなく頭です。
仕事の段取りやメールへの返信、上司の言葉が頭をめぐる。終わったことへの反省が浮かぶ……。こうした「考え疲れ」や「緊張疲れ」があると神経が休まらず、疲れがとれにくくなるのです。
■「考え疲れ」の対処法
そんなときのとっておきの対処法を5つ、お教えします。
1 ふーっと4回息を吐く
頭が忙しいときは、体も緊張しています。仕事の合間や仕事終わりに、4~5回ふーっと細長く息を吐きましょう。緊張が和らぎ、頭も静かになっていきます。
1日の終わりにぐったりしないためにも、マメに休憩するのが大切です。
2 机を片付ける
次から次へと仕事するのではなく、頭を使わない時間を作りましょう。休憩しにくいときは机を片付けるのがおすすめです。
3 ちがう階のお手洗いに行く(お散歩してくる)
歩くと頭の整理になります。ちがう階のお手洗いに行ったり、昼休みに軽くお散歩するのもいいですね。
4 お茶を味わう
五感に意識を向けると緊張が和らぎます。水筒に好きなお茶を入れて、仕事の合間に飲むのもOK!
5 のんびりしたBGMをかけて、ペースメーカーにする
自分のペースを落とすため、ゆっくりな曲にするのがポイントです。頭の中で好きな曲を流すのも◎。
こうした方法をうまく使い、リラックスして仕事に臨んでください。1日の終わりの疲れが、変わってくるはずです。
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HSP専門カウンセラー
メーカーでの研究開発を経て独立。フリーのカウンセラーとして個人向けの人間関係カウンセリングや適職診断を行う。著書に『「繊細さん」の本』『「繊細さん」の幸せリスト』ほか。繊細の森にてコラム掲載中
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(HSP専門カウンセラー 武田 友紀)
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