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雑誌やネット記事を読み漁るより効果的…お金の専門家が実践「お金の知識をきっちり身に付ける最良の方法」

プレジデントオンライン / 2025年1月17日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mapo

増税や社会保険料の負担増の中でお金の知識は必須になっている。どうやって身に付ければいいのか。ファイナンシャル・プランナーの藤原久敏さんは「途中で挫折することなく、人生で直面する6分野のお金の知識がしっかり身に付く方法がある」という――。

■増税や社会保険料の負担増にどう備えるか

お金の知識をきっちり身に付けておきたい――。先行き不透明なこの時代、そのように思っている人は少なくないでしょう。

住宅ローン、保険、年金、税金、投資、不動産、相続……と、人生で直面するであろう局面で、お金の知識がないがゆえに損をしたり、騙されたり、そして不安になったりすることがない程度の知識を身に付けておきたいというのが、多くの人の思うところではないでしょうか。

そしてできれば、無駄な時間や労力を費やさずに、「効率よく」身に付けたい、というのが本音でしょう。

そんなことを思いながらも、ほとんどの人は、日々の忙しさの中で、とくに何も行動に移していないのが現実です。しかし、昨今の物価高や金利上昇、迫りくる増税や社会保険料増への不安に、これは本気で何とかしなければ、と感じている人は確実に増えているはずです。

では、効率よく、お金の知識を身に付けるには、どうすればよいのでしょうか?

■受け身の情報収集では役立つ知識は身に付かない

今の時代、少し意識すれば、お金の「情報」は簡単に得ることができます。

「値上がりする銘柄はこれだ!」「最速で1000万円貯める方法とは?」「サクッと分かる保険の入り方」など、分かりやすく、そして面白く加工されたお金の情報が、テレビ・雑誌・ネットなどには溢れていますよね。

我々は、そんなお金の情報に囲まれて生きていると言ってもよいでしょう。しかし、それらの情報だけで、体系的に、お金の知識をきちんと身に付けることは難しいでしょう。

なぜなら、それら簡単に得られるお金の情報、すなわち世の中に溢れるお金の情報(向こうから勝手にやってくる情報)は、断片的かつ表面的なものも少なくないからです。

その瞬間はなんとなく分かった気になっても、本当の理解にはつながっていないことがほとんどです。また、それらの情報の中には恣意的なもの(特定の商品を勧めるために脚色されたもの)もあり、それらを真に受けるのは危険なことでもあります。

さらに言えば、お金の知識の習得に終わりはなく、(最初は、お金の知識習得にヤル気に満ち溢れていても)世の中に溢れる情報のうち、いったい、何をどこまで学習すればよいのか分からず、途方に暮れてしまうことでしょう。

そこで、ぜひともお勧めしたいのが、資格の学習です。中でも、最も初心者向けの「お金の資格」である「FP技能検定3級」の学習をお勧めします。

■お金の資格を取得する2つのメリット

効率よく、お金の知識を身に付けるための方法として、「資格(FP技能検定3級)の学習」を勧める理由は、主に以下の2つです。

・体系的な知識が身に付く

FP技能検定の試験範囲は、「生きていくうえで必要不可欠なお金の知識を、過不足なく習得できる」よう、非常に洗練されています。つまり、きちんと体系化された学習範囲が確立されているので、試験合格に向けた(その学習範囲に沿った)学習が、そのまま、体系的なお金の知識の習得に直結して、非常に効率的に、お金の知識を身に付けることができるのです。

FP技能検定は、そのレベルに応じて1~3級までありますが、3級レベルであっても、最低限の知識は十分身に付くように設定されています。そして、市販されている資格テキストは、どれも非常によくまとめられており、資格取得後も、知識の再確認に大いに役立つことでしょう。

・ゴールが明確である

前述のとおり、お金の知識の習得には終わりはないことから、ゴールが見えず(何をどこまで学習すればよいのか分からず)、モチベーションも上がらないものです。そしていつの間にか、当初の(お金の知識習得に対する)ヤル気も消えてしまうケースは多いもの。

しかし、「資格の学習」という目的を設定することで、試験合格(資格取得)というゴールがハッキリします。そして、そのゴールを達成することは、一定のお金の知識を得ることでもあります。

このようにゴールが明確になることで、モチベーションは保たれ、一定のお金の知識を身に付けることができる可能性はグッと上がることでしょう。

もちろん、ゴールした後も、知識のブラッシュアップは必要ですが、ゴール後のことは、自身の状況に応じて考えれば良いでしょう。まずは、ゴールに集中することが大切なのです(ゴールしなければ、何も始まらない)。

スタートからゴールの矢印
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

■FP資格講師歴25年だからこそ、言えること

実は私は、FP資格の講師を約25年続けています。正直言いまして、当初は「ファイナンシャル・プランナーとして独立して不安定な時期の、安定した食い扶持」として、数年もすれば辞めようと思っていました。

しかし、FP資格の洗練された(お金の知識を体系的に、効率よく身に付けることができる)学習カリキュラムを肌で実感するにつれ、「これは、皆が、絶対に学習するべきものだ」と、ある意味、使命感にも駆られ、今も講師を続けています。

そして、普段からファイナンシャル・プランナーとして活動する中でも、方々で「お金の知識をしっかり身に付けたいのなら、アレコレ雑誌やネットを読み漁るよりも、腰を据えて、FP資格(FP技能検定3級)を学習するのが一番ですよ」と言っています。

ですので、本稿はポジショントーク(自分にとって有利になることばかり恣意的に選んで話すこと)などではなく、本心から、FP資格学習の有用性をお伝えすべく執筆していることを、ここでハッキリさせておきます。

■人生で直面する6分野のお金の知識が身に付く

さて、ここであらためてFP資格(FP技能検定)の説明をしておきましょう。FP技能検定とは、ファイナンシャル・プランニング技能検定と言い、その名のとおり、ファイナンシャル・プランニング習得の証しとなる国家資格です。

ファインナンシャル・プランニングとは、目標とする人生を実現すべく、お金の面からライフプランを提案する技法です。

このファイナンシャル・プランニング実行のためには、住宅ローン、保険、年金、税金、投資、不動産、相続など、人生において直面するであろうお金の課題を明確にし、そして解決すべく、幅広いお金の知識が必要となります。

そして、その必要とされる幅広いお金の知識がそのまま、資格取得のための知識となるのです。ですので、その試験範囲(学習範囲)は非常に広く、国内の数ある資格の中でも、指折りの広範囲と言えるでしょう。

ただ、「幅広いお金の知識」と言っても漠然としているので、そこは明確に、以下の6分野に区分けされています。

・ライフプランニングと資金計画

キャッシュフロー表や個人バランスシートを使ってのライフプラン(人生設計)の考え方や社会保険制度

・リスクマネジメント

生命保険(定期保険・終身保険など)のしくみや、損害保険(火災保険・地震保険など)のしくみ

・金融資産運用

経済指標や金融政策など金融経済の基礎知識や、株式・債券・投資信託など、資産運用の基礎知識

・タックスプランニング

主に、所得税の計算のしくみ(10種類の所得、損益通算、所得控除、税額控除など)

・不動産

不動産の売買や賃貸時のポイントや、不動産に関する法令(建築基準法など)や税金など

・相続事業承継

相続人と相続分のルールや、相続税・贈与税の計算のしくみ

■投資、保険、相続…の実践で役立つ

ところで、FP資格学習のポイントは、「広く」「浅く」と言われています。ここでの「広く」とは、前述のとおり、幅広いお金の知識のことで、これは問題ないでしょう。問題は「浅く」の方で、ここでの「浅く」とは、あくまでも、FPで学習する各分野の専門家から見れば、「浅く」という意味です。

たとえば、タックスプランニング分野では税金の学習をしますが、さすがに税理士レベルの知識までは求められませんし、相続分野では弁護士レベルの知識までは求められないということです。各分野において、それぞれの専門家並みの知識まで求められては、一生かけても取得できない資格となってしまいますからね。

ですので、「浅く」とは言っても、一般の方(お金の勉強を体系的に学習したことのない、多くの方)からすれば、それがたとえ3級であっても、人生で直面するであろう多くの場面にて、十分に役立つレベルではあるのです。

あと、FP資格の特徴としては、非常に「実践的」であることが挙げられます。初心者向けの3級レベルであっても、単に知識だけが問われるのではなく、その知識を実際に活用して、実生活に役立てることができるのかまでも問われます。

FP技能検定3級は、一問一答で知識を問う「学科試験」と、その知識の活用を問う「実技試験」の2本立てです。そして、その実技試験において、実践力が問われるのです。

たとえば、「資料から、割安な株式銘柄を選ぶ」「保険証券を読み取り、保険金等はいくら下りるかを計算する」「親族関係図から、相続人と相続分を把握する」などといった問題が出題されています。

【図表1】FP技能検定実技試験の出題例1
【図表2】FP技能検定実技試験の出題例2

■FP資格の意外な活用法

それでは最後に、(お金の知識を身に付けるための方法として)FP資格を学習するメリットをもう1つ付け加えるならば、それは、「資格」という肩書を得ることで、対外的に、お金の知識を持っていることをアピールできることです。

FP技能検定3級の出題形式は2択or3択と、非常にシンプルです。そして、正答率の合格ラインは6割と、比較的ハードルは低く、実際、その合格率は平均8割を超えています(日本FP協会実施分)。

すなわち、しっかり学習すれば、FP資格を手にすることは決して難しくはありません。なお、FP技能検定3級はCBT方式での実施なので、受検日は自身で選択することができて、会場も全国から選択可能であり、非常に受検しやすくなっています。

※試験要綱についてはこちら

手に入れたFP資格は、周りに自慢するもよし、ビジネス(営業、転職・就職)でアピールするもよし。実際、対外的なアピールのために、FP資格を取得する人も少なくありません。

FP技能検定3級は、年間受検者数10万人以上を誇る人気資格の1つで、近年では、FP資格を取得し、活動の幅を広げている俳優やアイドル、芸人もよく目にします。ちなみに、保険や投資商品のしつこい勧誘には、「私、FP資格を持っていますので」と言うことで、スムーズに断ることもできます。勧誘してくる人も、FP資格保有者(お金の知識を持っている人)に対して、下手なことは言えないですからね。

そして、FP資格保有者であるという自覚により、お金に対する意識が高まることはもちろん、普段の生活においても視野も広がり、行動範囲も広がるかもしれません。FP資格の学習は、お金の知識を身に付けるだけでなく、自身の世界を広げる(広がる)という可能性を秘めています。

本稿を読んで、少しでも興味を持っていただけたなら幸いです。

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藤原 久敏(ふじわら・ひさとし)
ファイナンシャルプランナー
1977年大阪府大阪狭山市生まれ。大阪市立大学文学部哲学科卒業後、尼崎信用金庫を経て、2001年に藤原ファイナンシャルプランナー事務所開設。現在は、主に資産運用に関する講演・執筆等を精力的にこなす。また、大阪経済法科大学経済学部非常勤講師としてファイナンシャルプランニング講座を担当する。著書に『株、投資信託、FX、仮想通貨… ファイナンシャルプランナーが20年投資を続けてみたらこうなった』(彩図社)など。

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(ファイナンシャルプランナー 藤原 久敏)

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