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英会話で「Really?」とリアクションするのは三流…そのとき一流が使う"鉄板"合いの手フレーズ10パターン

プレジデントオンライン / 2025年1月19日 16時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/gmast3r

日常英会話を上達させる最大のコツは何か。スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長の星友啓さんは「英語のラリーをつなげていくには、積極的に対話に参加していくアクティブ・リスニングのテクニックが必要だ」という――。

※本稿は、星友啓『脳を活かす英会話 スタンフォード博士が教える超速英語学習法』(朝日新書)の一部を再編集したものです。

■アクティブ・リスニングが英会話の決め手

JTBが2018年に行った調査「コミュニケーションへの苦手意識」では、半数以上の日本人がコミュニケーション全般を「苦手」とした一方、7割以上の人は、聞くのは「得意」と答えました(*1)。こうした調査に表されているように、どちらかといえば、私たち日本人は聞くのが得意なのかもしれません。

しかし、相手の話を受け身の姿勢で黙って聞くだけの「パッシブ・リスニング」(passive listening)では、英会話のラリーは生まれません。

英語のラリーをつなげていくには、しっかり集中して相手の言うことを正確に聞き取るだけでなく、積極的に対話に参加していく「アクティブ・リスニング」(active listening)のテクニックが必要です。

アクティブ・リスニングの本質は、相手の話を聞きながら、こちらから「繋ぎの言葉」を入れて、さらに相手の会話を引き出したり、自分の理解を深めていくことです。

*1:https://www.jtbcorp.jp/jp/newsroom/assets/2018_195.pdf

■英会話のラリーをつくる4つの基本要素

「繋ぎの言葉」の基本要素は、以下の4つです。

1 Focus(フォーカス):相手の話に集中していることを示す。
2 Empathy(エンパシー):相手の気持ちを理解したことを伝える。
3 Paraphrase(パラフレーズ):相手の話を言い換えたり、まとめて確認する。
4 Question(クエスチョン):相手の発言を確認したり、より詳しく聞いてみる。

相手の話を聞きながら、これら4つの要素を織り込んで会話に参加していくのが、アクティブ・リスニングです。これによって会話のキャッチボールが生まれ、相手とのコミュニケーションがスムーズになったり、信頼が得られたりすることで、豊かに会話が弾んでいきます。

アクティブ・リスニングは、現代心理療法研究者のさきがけ的存在であるカール・ロジャースが提唱(*2)した方法で、心理療法やカウンセリングだけでなく、社会人教育の場でも幅広く応用されてきました。

このテクニックを身につけると、自信が増したり(*3)、メンタルが安定して友人関係がうまくいくなど(*4)、心の面でも良いことずくめであることがわかっています。

もちろん、英語などの外国語もより効果的に学べるという報告(*5)もあり、語学力のブラッシュアップにはぴったりです。

*2:Rogers CR, Farson RE(1957) Active listening. Chicago, IL: Industrial Relations Center of the University of Chicago.
*3:Graham S(2011) “Self-effi cacy and academic listening.” Journal of English for Academic Purposes. 10(2):113-117.
*4:Graham RA(2010) “Cognitive-Attentional Perspective on the Psychological Benefits of Listening.” Music and Medicine: An Interdisciplinary Journal. 2(3):167-173.
*5:Caruso M, Colombi AG., Tebbit, S(. 2017) “Teaching How to Listen: Blended Learning for the Development and Assessment of Listening Skills in a Second Language.” Journal of University Teaching & Learning Practice. 14(1):1-19.

■共感を示す“鉄板”合いの手フレーズ

アクティブ・リスニングの4つの要素のうち、今回は「Focus(フォーカス)」について詳しく見ていきましょう。

相手の話に集中していることを示すためには、もちろん、自分の表情や目線、身振り、手振りを相手にシンクロさせることが必要です。相手が話している間は、必ず相手の目を見ましょう。相づちを打ったり、顔の表情を相手の話題に合わせていくのも効果的です。そして、話の要所要所で素早い合いの手を入れていくと、相手との話が、英会話のラリーに変わっていきます。

青空に対して6つのカラフルな吹き出し
写真=iStock.com/mrPliskin
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mrPliskin

相手の話にフォーカスしていることを示す“鉄板”合いの手フレーズを、以下にリストアップします。

「なるほど」「そうですね」「わかりました」
・I see. (なるほど)
・Right. (そうですね)
・Got it. (わかりました)

これらは話を理解していることを相手に伝える、便利なフレーズです。相手が話している途中でも、さりげなく入れることができます。相手の話を了解しながら相づちを打つ、「はい」「うん」くらいのニュアンスです。話の腰を折らない程度に、合いの手として軽く言うと、話に集中していることが相手に伝わります。

「その通り」「絶対そうですね」「確かに」
・Exactly. (その通りです)
・Absolutely. (絶対そうですね)
・Certainly. (確かに)

相手の話への同意を強調する表現です。相手のことを理解した上で、「激しく同意」というニュアンスを出すのに便利です。

「理にかなっていますね」「理解します」
・That makes sense. (理にかなっていますね)
・I understand. (理解します)

これらの表現は、前述の「I see.」などの理解を示す表現と同じように使えますが、相手の言っていることに必ずしも同意しない場合でも、「おっしゃっていることは理解できます」というニュアンスとしても使えます。必ずしも強く自分の同意を表したくないときには、こうした表現で合いの手を入れることができます。

また、相手の話したことと相反することや、違った視点を示さなくてはいけないときにも、「That makes sense, but……」「I understand. However……」などとすると「おっしゃることは理解できるのですが、……」という意味を表現できます。

「面白いです」「いいポイントです」
・That's interesting. (面白いですね)
・That's a good point. (いいポイントですね)

相手の話への興味を示すのに便利な表現です。話に集中していることを、このような合いの手でアピールできます。

以上、どれもしばしば耳にするとても便利な表現なので、英会話での合いの手の引き出しに入れておきましょう。

■使い方に気をつけたい合いの手フレーズ

ここで気をつけておきたいのが、「否定的な合いの手は避ける」ということです。

星友啓『脳を活かす英会話 スタンフォード博士が教える超速英語学習法』(朝日新書)
星友啓『脳を活かす英会話 スタンフォード博士が教える超速英語学習法』(朝日新書)

アクティブ・リスニングの目的は、相手の言っていることを論破したり、ディベートに勝つことではありません。何が正しくて何が悪いのか、自分の意見と相手の意見が同じかどうかは関係ないのです。あくまでも相手を理解しながら、会話のラリーを続けていくこと。それが目的であることを理解しておきましょう。

プライベートの会話で、相手の意見に論理的な異議を申し立てたり、疑義を唱えたりしていては、会話のラリーは生まれません。ビジネスシーンはまた別かもしれませんが、プライベートの楽しい英会話では、アクティブ・リスニングを心がけて、オープンマインドで相手を尊重しながら対話を進めるように心がけましょう。

そのため、しばしば使われる次のような合いの手には、じゃっかん注意が必要です。

・Really? (本当ですか?)
・No way! (まさか!)

どちらも日常的に使われる合いの手ではありますが、言い方や表情によっては、意図しない表現に受け取られてしまうことがあるので、慣れないうちは誤解のない気の知れた間柄に限って使ってみたほうが無難かもしれません。

3dパペットの会話の様子
写真=iStock.com/3D_Sparrow
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/3D_Sparrow

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星 友啓(ほし・ともひろ)
スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長
哲学博士、EdTechコンサルタント。1977年東京生まれ。東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒業。その後渡米し、Texas A&M大学哲学修士、スタンフォード大学哲学博士を修了。同大学哲学部の講師として教鞭をとりながらオンラインハイスクールのスタートアップに参加。2016年より校長に就任。現職の傍ら、哲学、論理学、リーダーシップの講義活動や、米国、アジアにむけて教育及び教育関連テクノロジー(EdTech)のコンサルティングにも取り組む。全米や世界各地で教育に関する講演を多数行う。著書に『スタンフォード式生き抜く力』(ダイヤモンド社)、『全米トップ校が教える 自己肯定感の育て方』『脳を活かすスマホ術 スタンフォード哲学博士が教える知的活用法』(共に朝日新書)がある。

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(スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長 星 友啓)

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