「朝、布団から出るのがつらい…」冬季うつを解消する"寝る前の3分間"で自分の機嫌をとる方法
プレジデントオンライン / 2025年2月3日 19時15分
■「やる気が出ない」はあなたのせいじゃない
なんか最近、やる気が出ない、集中できない。じつはそうしたモチベーションの低下は、誰にでも起こりうるものです。なぜなら、外的な要因として、立春が訪れる2月は季節の変わり目であり、最近では「冬季うつ」といって、日照時間の短さや寒さによって、やる気がわかなくなることも明らかになっているからです。
つまり、この時期は人によって差はありますが、「やる気が下がりやすい時期」といえます。だから、「やる気が出ない自分がダメだ」などと落ち込む必要はありません。「モチベーションが下がってもOKの時期」と思えるくらいの気持ちの余裕を持つといいでしょう。
一方で、内的な要因として4月の新年度に向かっていく直前の繁忙期や決算期で、タスクが物理的に増えている方もいるのではないでしょうか?
自分でコントロールできないくらいの負荷がかかり、気づけばやる気が低下している。まずは、こうした外的要因や内的要因でやる気が上がったり、下がったりすることを知っておくと気持ちも楽になるでしょう。
■「やる気スイッチ」を押せばいい
そもそもやる気は、誰にでもあるものです。人が生きることに向かっていく気力として、やる気は先天的なベースにあるからこそ、成長や発達していくからです。
一方で、後天的なものとして、さまざまな場面や出来事に対して、「やろう」という気持ちが起きることもあれば、逆に、「やりたくない」気持ちが起こることもあります。つまり、やる気にグラデーションがあるわけです。
まずは人間にはやる気があったり、なかったりするものだと受け入れて、その上でどうやってスイッチを入れるか。やる気というと、「気持ち」を変えていく必要があるように思うかもしれませんが、じつは「行動」を変えることで「気持ち」を変えていけます。
心と体はつながっているので、やる気につながるシステム起動を促すことで、モチベーションを高めることができるのです。
では、やる気のスイッチを入れるにはどうしたらいいのか。朝・昼・晩の3つのステップで説明していきましょう。
■「モーニングルーティン」で機嫌をとる
朝のステップとして、とても大事なのが「朝の使い方」です。2月、3月は季節柄まだまだ寒い時期です。日差しも弱く、空もどことなくどんよりとして暗い感じがする日もあります。
だからこそ、気持ちが滅入るこの時期は、起きた瞬間から自分の機嫌をとる時間に変えていく必要があります。具体的な行動としては、自分の好きな「モーニングルーティン」を設けるわけです。
例えば、起きたらコーヒーやハーブティーを飲む。しかも、朝すぐに飲める状態に前日から準備しておくとよりいいでしょう。
体を動かすのが性に合っている人なら、ストレッチを3つくらい決めておいて、起床後に5分から10分程度でいいからやってみる。朝なので、過度なストレッチでなく、体を伸ばす程度でも十分です。そうやって、朝のブレイクタイムを充実させることで、気持ちを前向きにさせます。
■好きな音楽・動画を流す心理的効果
自分の気持ちを元気にさせるために、朝だけとは限りませんが、元気になる音楽を聴く習慣を取り入れるのもいいでしょう。
自分にとって心地よく、楽しい音楽を聴けば、気分も楽しくなるもの。モーニングルーティンのひとつに取り入れてもいいし、朝の通勤時間やランチタイム中など、いつ聴いてもいいと思います。
具体的に何を聴くといいかは人によるので絶対はありませんが、アップテンポな曲なら、聴きながら気持ちも高まっていきます。映画『ロッキー』のテーマ曲でもいいかもしれません。
音楽ではなく、お気に入りのYouTubeを見るといった、ビジュアライゼーションでも元気になります。朝のルーティンに加えるなら、じっと見続ける必要はなく、会社に行く準備をしながら動画を流しておく。軽いストレッチをしながら、トレーニングしている人の動画を流しておくのでもいいですね。
好きなものを見るだけでオキシトシンの分泌が促され、自然とやる気がでてきます。じつはこれらのルーティンは私もふだんから実践していることで、冬場の朝は濃い目の珈琲を飲んだりしています。
■小さなタスク1つでも達成感を味わえる
朝からやる気を上げられても、日中、どうにも気が乗らない時だってあります。そういう時は、これも私自身が実践していることですが、どんな日常も肯定的にとらえられるように、昼のステップとして「ミニミッション」をメモするようにしています。ミッションといっても、大げさなものではなく、今日達成できそうな目標を書くだけです。
例えば、今日の私だったら、「今行っているこの取材をきちんと終わらせる」、それだけでもいいんです。ジャーナリングすると集中力が高まり、自分の考え方を客観視できたり、ポジティブな感情を作りだせたりします。そして、書いたことは達成しようと行動につながっていきます。
やる気が出ないからといって、あきらめてしまったり、ボーっとしたりするのではなく、手を動かし書いてみて、1つでも達成できれば、「これは終わらせられた」と自己承認ができます。タスクをクリアしていけば、勝手にスイッチが入っていくわけです。
■苦手な人に対してはまず線引きを
ただ、仕事自体へのやる気ではなく、人間関係でやる気が出ないこともありますよね。「あのクライアント苦手だな」「部長とのミーティングは億劫……」など、仕事自体はやる気があっても、苦手や嫌いなタイプの人との関係でやる気の低下を招くケースです。
この場合、仕事を変えない限り、人間関係を断ち切るのは無理なので、主体的に自分のモチベーションを管理していけるかがポイントです。
まずは、自分で「変えられること」と「変えられないこと」を区別する、課題の分離をすることから始めましょう。「変えられないこと」に目を向けてもしかたないので、「変えられること」をもっとよくしていこうと、心の整理整頓をします。
投げやりな意味ではなく、前向きな心の転換として相手のことはキッパリと諦めて、変えられることに目を向けます。
■「憧れの人」だったらどう乗り越えるか…
次に、メンターやロールモデルとなる人を参考にして、思考や行動をマネしてみます。苦手な人との打ち合わせだから気分が乗らないといった時は、「自分だけがつらい」と思いがちです。かといって、友人や同僚とそういった負の感情を共有するのも難しいでしょう。
だから、自分が憧れる「メンターだったら」と思いを巡らし、「嫌なこともあったんだろうな、と考えながらも、でも、やってきたんだよな」と。どういう乗り越え方をしたのかなと、具体的にその人がどのように行動していったかを考えるのが大事です。思考を推測しながら、自分もその行動や思考パターンもマネてみるのです。
例えば、野球界でいまや無敵とさえ思える大谷翔平選手だって、通訳の水原一平さんによる銀行詐欺や虚偽の納税申告事件がシーズン開幕時に発覚しましたが、それを乗り越えて活躍をしました。
「それは大谷ほどのスーパースターだから」と思いますか? 自分が全幅の信頼を置いていた人から裏切られ、しかも多額のお金を勝手に使われてしまった。これはどんな人だってショックを受けますよね?
それでも、大谷選手はシーズンでのモチベーションを落とさず、終わってみれば、ワールドシリーズ制覇を果たし、個人では全人未到の50-50の快挙まで達成しました。どんな苦境でもやる気を保つ大切さを思い知る出来事だと思います。
■「寝る前の3分間」で自己肯定感をアップ
そして夜のステップは、寝る前に「スリー・グッド・シングス」をすることです。
アメリカの心理学者・セリグマン博士が提唱したストレス解消法と言われ、就寝前にその日起きた良かったこと、幸せに思ったことを3つ書き出すというものです。3分程度でできるでしょう。
書き出せばストレスが解消され、幸福度を上げる効果もあると言われています。メモする内容は、時間通りに出社できた、美味しいラーメン店を見つけられた、夕焼けが綺麗だった、などなんでもOKです。1日の終わりに自己評価を高めてあげるわけです。
誰にでも、やる気はない時とある時にグラデーションがあって、でも、やる気がないと言い訳していても、仕事は待ってくれません。だから、自分でやる気をコントロールする。
気温が上がり、気分もリフレッシュされる春を前にしたこの寒い時期に、やる気のスタートダッシュができれば、周囲の見る目も変わるかもしれません。すべては自分次第です。
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心理カウンセラー
自己肯定感アカデミー代表、トリエ代表。困難な家庭状況による複数の疾患に悩まされるなか、独学で学んだセラピー、カウンセリング、コーチングを10年以上実践し続ける。「奇跡の心理カウンセラー」と呼ばれメディア出演オファーも殺到。著書に『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書』『書くだけで人生が変わる自己肯定感ノート』『自己肯定感diary 運命を変える日記』(すべてSBクリエイティブ)、『1分自己肯定感 一瞬でメンタルが強くなる33のメソッド』(マガジンハウス)、『習慣化は自己肯定感が10割』(学研プラス)などがある。
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(心理カウンセラー 中島 輝)
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