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「年下のイケメン」としか結婚したくない…結婚相談所でさまようバツイチ50代女性の高すぎる理想と残酷な現実

プレジデントオンライン / 2025年2月6日 16時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/DimaSobko

結婚相談所にはさまざまな男女が訪れる。主宰する結婚相談所でカウンセラーを務めている大屋優子さんは「再婚するために結婚相談所を訪れた50代のバツイチ女性がいた。収入も高く、見た目も10歳以上若く見える方だったが、ホストクラブにハマっていたため交際を希望する相手は年下のイケメンばかりだった」という――。

※なお、本稿は個人が特定されないよう、相談者のエピソードには修正を加えている。

■結婚相談所を訪れたバツイチ50代女性

結婚相談所にやってくるシニア女性は年々増加傾向にある。

ある日、私の結婚相談所にやってきた50代女性。生活感のまったくない指先は、美しいネイルがほどこされ、漂う品とスラリとした華奢な体型、鎖骨の見える襟もとには決して安くはないであろうダイヤのネックレスが光り、実年齢より10歳は若く見える。そんな彼女も、再婚を考えて婚活がしたいという。

後述するが、彼女は高学歴・高収入の男性と結婚したが、夫の浮気が発覚し、離婚を経験している。しかし、彼女の婚活はスムーズには進まなかった。なぜなら彼女はかなり“クセあり女性”だったのだ。ではまず、彼女のプロフィールと離婚までの経緯を紹介する。

そもそも、彼女はかなりのお嬢様だった。

彼女の父親は建築関係の会社を一代で成功させいて、いまや従業員100人以上の中堅企業となっている。彼女の母親は、財テクに長けた女性で、株や不動産で、その資産価値を10倍以上にしたそうだ。

彼女は、小さいころから、教育熱心な母親の愛情を一身に背負い、塾や習い事に没頭。彼女も、親の期待に応えるべく、頑張り屋さんの女の子だった。とくに絵の才能は素晴らしく、小さいころから、コンクールで入賞するなど、その才能を発揮し、大学は、美術系の最高峰を目指していた。

高校は、自宅から少し離れてはいるが、美大への進学に有利な学校に進学。実家から通うこともできたけれど、箱入り娘の親は、その学校の近くに、マンションを一棟建て、その最上階に彼女を家政婦付きで住まわせた。家政婦付きでしかも新築マンションを建ててもらい、高校に進学した彼女は、周囲からみて別格の存在だったという。

大学を卒業後、お見合い結婚で、首都圏にある病院の跡取り息子と結婚。医者との結婚は、彼女の母親の夢だったようで、彼女は結婚まで、親の希望通りに動いていた。老舗名門ホテルで盛大な結婚式をし、子宝にも恵まれて、娘を二人産んだ。

そんな彼女が、離婚して、実家に舞い戻って来たのは今から10年ほど前。40代を過ぎたころにシングルになった。

■不倫から立ち直るために「サレ妻サークル」に参加

彼女が離婚に至るまでのいきさつを聞いてみた。原因は、よくある話だがご主人の浮気。浮気程度ならなんていうことはないが、ご主人の病院にお勤めしている看護師と付き合い、子どもができ、認知せざるを得ない状況になったという。彼女の穏やかではいられない心中を思うと、こちらも胸が痛む。

女にとって、自分が産んだ子供以外を、夫が認知するという事態は、このうえなくつらいことだ。認知するということは、財産も認知した子どもと、自分が産んだ子供とで、将来は遺産分与していくことになる。

たっぷりと、慰謝料をもらい、自分の産んだ二人の娘の教育費も約束させ、セレブ離婚。地元に舞い戻ったのだが、実家から相続する財産もたっぷりある彼女のプライドは、富士山より高い。凱旋というわけにはいかず、出戻り娘というレッテルが、元来優秀で真面目なお嬢様の彼女には、とてつもなく苦しかったそうだ。

それに、元ご主人への未練がまったくなくなったわけではない。そんな彼女が、苦しさから逃れるために、参加したのが、夫に浮気された妻いわゆる『サレ妻』が集まるサークルだった。

このサークルでは、浮気夫を懲らしめるための方法や、有利に離婚を進めるための弁護士紹介、傷んだ心を癒やすメンタルクリニックなど、浮気された女たちを癒やすべく、さまざまなセミナーが開催されているらしい。

■真面目なお嬢様は一瞬で“ホスト狂い”に

そんなサークルがあることは、彼女から聞いて初めて知ったのだが、同類相憐れむで、参加女性たちはすぐに意気投合していくのだそう。そこで、友達になった女性に連れられて、彼女は初めて、ホストクラブに行った。

学生時代も真面目な優等生。大学卒業後に、ほどなくお見合い結婚した世間知らずな彼女には、ホスト遊びの楽しさにハマるのに時間はかからなかったという。

ホストクラブは、初回は格安で、お気に入りホストにはまれば、お高いシャンパンやウイスキーを入れ、ホストの売り上げ貢献をし、推しホストがナンバーワンを目指すのを応援する。ホスト狂いの女性たちの話は、あちらこちらで耳にするが、身近でそんな話を聞くのが初めての私には、衝撃的だった。

何しろ、彼女は、推しホストのバースデーに、ドンペリニヨンの数百万のシャンパンタワーを積んだという。

シャンパンタワー
写真=iStock.com/ParfonovaIuliia
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ParfonovaIuliia

真面目な優等生で、実家はお金持ちとはいえ、彼女のご両親は堅実な方。一代のたたき上げで、会社を大きくしてきたお父様は、朝から晩まで働きどおしだったし、お母様も、彼女を立派な女性にすることを、最優先にしてきた母親。そんな両親に育てられ、お医者様とお見合い結婚した彼女が、ホストにハマるなんて、誰も想像もできなかった。彼女自身も思ってもみなかったとはいう。

■もっとも高価なプレゼントは「ベンツ」

結婚相談所での面談中に彼女は、目をキラキラさせて、

「ホストクラブは楽しいですよ! 初回は安いですから一緒に行きましょう!」

と、本気で私を誘う。

彼女に、悪気なんか微塵もない。楽しいことを、私に教えてくれようとしてくれているだけ。彼女の推しホストの、バースデーのシャンパンタワーは、私も見たかった。だけど、私がホストのために、シャンパンタワーを積み上げる気はさらさらない。彼女からのホストクラブのお誘いは、やんわりとお断りした。

だが、彼女から聞く、ホスト遊びは、楽しそうで、彼女の推しホストの話や、ホストクラブがあったから、辛い離婚から気分転換できた彼女の気持ちは、理解できる。ホストクラブ遊びが、彼女の癒やしになり、彼女のお財布が許す限りで遊ぶことは、悪いことでもなんでもない。

彼女のお金は、彼女が自由に使えば良いし、推しホストをナンバーワンにすることは、誰にもとがめられることではない。彼女は、ホストにちやほやされ、褒められ、女王様のように扱われることが、大好きなのだ。これは、彼女の趣向だから仕方がない。

幼いころから、ご両親に大事にされ、周囲からもてはやされてきた彼女には、50歳をとうに過ぎても、そうされたい願望が強い。リッチな、アラフィフ女性は、ホストクラブで上客なのは、言うまでもなく、推しホストには、とことんお金を使う。

彼女のホストクラブ通いの話は楽しくて、つい引き込まれた。

興味本位で、一番高い、推しへのプレゼントは何ですか? と聞いたら、「ベンツ」とあっさり答えたので、あっぱれすぎて、思わず「カッコイイですね!」と言ってしまった。

ベンツ
写真=iStock.com/shaunl
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/shaunl

■年収1000万超えでも返事はNO

さて、そんなホスト狂いアラフィフ女性の婚活は、写真撮影からスタートした。

高身長でスタイル抜群。四捨五入すれば、還暦になるというのに、彼女の美しさは、同世代の婚活女性より、群を抜いていた。

プロフィール文も、完璧に仕上げた。当然ながら、彼女への申し込みは次から次へと殺到した。お申し込みをいただくのは、彼女より少し年齢が上の60歳くらいの男性が中心だった。

髪の毛が寂しい男性や、おじいちゃんにしか見えない男性もたしかにいるが、なかには楽しい交際ができそうな男性もチラホラいる。写真の雰囲気から醸し出す空気感が素敵な、年収1000万円を超える高収入の男性も何人かいた。毎日のように彼女には、この人からお申し込みが来ましたよ、この人良さそうですよ~と連絡を入れるが、彼女の返事は、毎回NO!

「どんな男性がお好みですか? 会いたい方に会うには、ご自分からお申し込みを入れる必要があるのですよ」と私はアドバイスする。

お見合いをしなければ、婚活は始まらない。

でも、女性たちの一部は、お見合いは相手からお申し込みいただくのみで、自分からはお申し込みするのはいやだという。彼女もそんな女性の一人だった。

■「お気に入り」を入れる男性は年下のイケメンばかり

「わかりました。お見合いを私から申し込むのは恥ずかしいからいやだけど、お気に入りは入れてみることにします」

大屋優子、現代洋子『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)
大屋優子、現代洋子『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)

そう言う彼女が入れてきた、お気に入りの男性の一覧を見て、私は一目で、彼女がお見合いを受けない理由を理解した。彼女がお気に入りに入れるのは、年下のイケメンばかり。言うなれば、ホスト系の男性しかいなかった。

彼女のお気に入りの男性の写真が、ホストクラブの入り口に飾られていたとしても、何ら違和感ないくらいの、ハンサムなメンズばかり。そう。彼女がお見合いしたいのは、美男子だけなのだ。

人生のあれこれを乗り越えて、厚みのある考えや、高い判断力がある、頼りにできる男性ではなく、美しいルックスを持つ男性のみを、彼女は受け入れることができるのだ。

■生粋の面食い女性は、一度もお見合いをしなかった

結婚相談所に、ハンサムな男性は多い。だが、ハンサムな男性は、人気がある。ハンサムな男性で、彼女より年下の男性が、お見合いしたいのは、やはり男性より若い女性。となると、いくら美人でも、四捨五入すれば還暦の彼女が、40代の男性とお見合いできる可能性は低い。なにしろ、ハンサムな男性とお見合いしたい、30代の女性が、結婚相談所にはわんさか登録しているのだから……。

顔目(かおもく)男性は、少なくない。とくに、高い所得の男性に、その傾向は多く見られる。彼女は、財産もあり、親から引き継いだ会社の役員でもあるから、年収も高い。女性が顔目で婚活することは、何ら悪いことはない。彼女は、イケメンが好きな、生粋の面食いオンナなのだ。イケメン以外は受け付けないのだから、仕方ない。

彼女が、入会して半年。彼女はお申し込みいただいた、数十件のお見合いを、一件も受けず、彼女がお気に入りに入れたレベルの、10歳以上年下美男子男性からのお申し込みは、残念ながらまだ届いていない。私の婚活サロンで、一件もお見合いしていない会員さんは、後にも先にも、この彼女だけである。

女性の前に置かれたコーヒー
写真=iStock.com/Kateryna Kukota
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Kateryna Kukota

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大屋 優子(おおや・ゆうこ)
結婚カウンセラー
1964年生まれ、株式会社ロックビレッジ取締役。ウエディングに特化した広告代理店を30年以上経営のかたわら、婚活サロンを主宰。世話好き結婚カウンセラーとして奔走。著書に『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)がある。

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(結婚カウンセラー 大屋 優子)

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