やっぱり"フッ軽でカジュアルな銀行員"は成功しづらい…仕事のデキる人が終始一貫している「自己演出法」
プレジデントオンライン / 2025年2月6日 16時15分
※本稿は、丸山ゆ利絵『初対面から信頼関係を築く 第一印象の磨き方』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
■なぜ、セルフプロデュースのできる人は好ましい印象を与えるのか
あなたがこれからより多くの人に信頼されたいなら、セルフプロデュースの意識を持っておきましょう。
セルフプロデュースとは、自分が持つ魅力や能力を的確に表現するために、外見や振る舞いにほどよい演出を施すことです。これを意識できている人は、自分にとって好ましい印象を人に与えやすく、第一印象でも有利です。また、それはそのまま信頼感にもつながりやすいのです。
では、セルフプロデュースは具体的に何をするのか、何から始めるのでしょうか?
「自分がどうありたいのか」、あるいは「自分はどんな人物だと見てもらいたいのか」をあらためて考え、自分の外見や振る舞いは本当にその考えと合致しているかをしっかり見直してみることです。
セルフプロデュースを意識できている人が好ましい印象を人に与えやすい理由は、「その人が表現したい自分のイメージ」と、「その人の外見や振る舞いなどの方向性」が一致しているからです。
これは、自分が望む自分をしっかり理解しているからこそできることです。違う言い方をすると、セルフプロデュースとは、自分自身をブランドとしてとらえ、外見や振る舞いを一貫性のあるイメージで統合することです。
■自分というブランドに対する確信が自信に変わる
一貫した見せ方ができることで、印象全体は整えられ、それだけでも好ましい印象となります。それだけではなく、自分というブランドに対する確信を引き出し、それが自信として雰囲気に加わります。それはまた、その人の雰囲気を印象的なものにするのです。
その人自身につりあった適切な外見と振る舞いは、落ち着きや余裕も醸し出し、周囲に安心感を与え、期待も裏切りません。よって、信頼されやすいのです。
セルフプロデュースは、強い差別化をはかる必要がある個人事業主や独立系専門家のすることと思われがちですが、会社員など組織に属する人にも必要です。それは、自分を適切にアピールしなければ、勝てない時代になってきているからです。
■自分を知るだけで信頼感はアップする
セルフプロデュースの第一歩は、「自分がどうありたいか」や「どんな印象を与えたいか」を考え、それに合わせて外見や振る舞いを見直すことです。しかし、もしもご自身やそのブランドについて考える機会が今まであまりなかった場合は、唐突でとまどうかもしれません。
そんなときは自分をよく知ることから始めることをおすすめします。自分の内面にアプローチして、自分が持つ思いや価値観に触れれば「自分のあり方やその理想」も描きやすくなります。
自分を知るには、まずは自分について知っていることをいろいろ書き出してみましょう。「自分のことは自分でわかっている、書き出すなんて面倒」と思う人もいるかもしれませんが、書くことの効能をいかさない手はありません。
頭の中で考えることと、それを言葉や文章に書き出して目で確認することは、使う脳の部位が異なります。それに頭の中の思考は断片的で混沌としていることが多いです。
これを言語化して視覚的に確認することは、ただ思考をめぐらせることよりも物事の理解を進め、自己理解だけでなく、思わぬ発想を生むことにも役立つのです。
■自分のプロフィールに対して「なぜ?」と自問してみる
書きやすいことから書き出してみてください。氏名、所属先、出身地、出身校や学部、特技や資格など。そして、そこから発想を広げていろいろなことを思い出してください。
自分の名前の由来、幼少期になぜか夢中だった遊び、学生の頃に打ち込んだ活動、今の会社や仕事、こうした事実を書き出したら、「なぜ?」を自問してみてください。
取るに足らない感情や記憶の断片が、自分が信念のように持ち続けている思いに気づかせてくれることがあれば、自分の中に流れる価値観をあらためて理解させてくれることもあります。
思いや価値観に気づくと、自分に対する確信が強まります。自分の芯が強くなるような内部変化が起こるのです。周囲と向き合う姿勢もしっかりし、信頼を得られます。周囲に自分をどう伝えるかは自分を知ることから始まると断言できます。
■相手が自分に求める価値を知る
自分への理解を深めるほど、自分以外の人のことも洞察しやすくなります。他者の立場や気持ちを推測する力が高まるからです。
この力をいかして、つぎに「自分が他者から何を求められるか」を考えてください。もちろん、最も求められるのは仕事力ですが、ここで言うのは、あなたの印象や振る舞いです。
顧客や取引先、上司や部下、同僚など、信頼されたい相手が誰であれ、その人たちが自分に期待することを洞察する必要があります。そのヒントとなるのは「あなたがどんな価値を提供している人か」ということです。
あなたの所属や役職、役割、キャリアや実績によって提供価値は違います。大事なことはあなた自身が他者にどんな価値を提供できているかを自覚しているかどうかです。それがわかっていれば、自分が相手に与える印象もかなり戦略的に考えられるはずです。
もしまだ、しっかり自覚ができていないと思われる場合は「自分は現在どのような価値を提供しようと努力しているか」を考えてみてください。
さらに、提案があります。提供する価値に実際に「値段」をつけてください。私の研修では、「自分の価値に値段をつける」というワークを行います。
■自分の仕事の価値は「いくらか」を具体的に書き出す
まず自分の仕事はどんな相手にどんな価値を与えることかを書き出して、その価値を「いくらで与えているか」と具体的な金額を自分で書くのです。
金額の考え方は比較的自由で、現在の年収を書く人もいれば、未来の希望額を書く人もいます。もちろん、仕事の価値はある意味「プライスレス」と考えるべきかもしれません。しかし実際に数字で書き出すと、自分の内面に覚悟が生まれそれも信頼の元となります。
研修では、最初はとまどう人が多いのですが、「意識が変わった」「新たな気持ちになった」など前向きな声が多く聞かれます。ぜひトライしてみてください。あらためて「何を求められているか」を感覚的にとらえられます。
■自分や所属先に顧客が一般的に求めるものは何か
自分が提供する価値を掘り下げるさいには、自分または属している組織が顧客や社会に提供するビジネスソリューションが何かを一度考えてください。
ビジネスソリューションとは、読んで字のごとく顧客が抱える問題や課題を解決することです。それが何かということと、顧客が期待するイメージとを照らし合わせてみるのです。
まず、自分や所属先に顧客が一般的に求めるであろうビジネスソリューションを割り出しましょう。ここではそれほど難しくせず、シンプルに考えることです。
つぎに、そのようなソリューションを提供する側に求められるイメージを考えてください。つまり、どのようなイメージの人間が、その分野での頼りがいや専門性を相手に感じてもらえるかという視点で想像するのです。
組織の場合、本来は組織ブランディングの一環として考える部分なので、すでに定義されているかもしれません。そうであれば、それを自分のイメージに落とし込んでください。
逆にまだ組織全体で考えられていない場合は、自分自身の信頼のためにも、一度考えてみてください。
■提供するビジネスソリューションにふさわしいイメージを考える
たとえば、提案型マーケティング会社であれば「先端の情報、自由な発想力」、銀行であれば「間違いない金銭管理や取引の遂行」かもしれません。そうすると、前者はフットワークが軽くカジュアルなイメージ、後者は堅実で堅いイメージを自然に想像しませんか?
しかし、もし実際に目の前にあらわれた人のイメージが反対であったらどうでしょうか。あなただったら、とまどいはしないでしょうか。
こういった組織や仕事のイメージと、個人のイメージにギャップがあることが必ずしも間違いというわけではありませんが、一度は「本来はどんなイメージが求められるか」を理解しておいてください。
プロ意識が高い人は、顧客の求めるものに応えることを大事にします。そのほうが信頼され満足感を感じてもらう確率が高いからです。
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日本初のプレゼンス・コンサルタント
アテインメンツ合同会社代表。五つ星ホテルやエグゼクティブビジネスクラブ経営会社で社長秘書など要職を歴任。一流と言われる財界人と交流を持つ。その中で上に立つ人の資質・リーダーシップの重要要素とされる「エグゼクティブプレゼンス」を研究し、印象コントロール、コミュニケーション力、自己設計の3つの分野から成る修得方法を体系化。2010年からエグゼクティブプレゼンスの企業研修や個人トレーニングを提供し始め、今日まで国内有名企業や多国籍企業の経営幹部2800人以上に指導を行う。著書に『「一流の存在感」がある人の振る舞いのルール』(日本実業出版社)などがある。
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(日本初のプレゼンス・コンサルタント 丸山 ゆ利絵)
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