こんなジャケットの着こなしは恥ずかしすぎる…野暮な印象を与えてしまう絶対NGな"ボタンの留め方"
プレジデントオンライン / 2025年2月9日 16時15分
※本稿は、丸山ゆ利絵『初対面から信頼関係を築く 第一印象の磨き方』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
■社会人として信頼される外見を自然につくる便利な装備
ビジネスカジュアルというスタイルは一年を通して一般的になり、スーツの着用が必須ではない企業も増えてきました。
しかし、今後長く信頼を得やすいビジネスパーソンになるなら、カジュアルが一般化している現在でも、伝統的なスーツのルールや着こなしを知識として身につけることをおすすめします。それは、スーツがビジネスウェアの基礎を成すものだからです。
スーツは昔ながらの仕事服という単純なものではなく、社会人として信頼される外見を自然につくり出せる便利な装備であることを覚えておいてください。
着ているだけで、能力や仕事への姿勢の確かさや、役割やポジションの格を感じさせるように、歴史の中でできあがってきたスタイルなのです。
ビジネスシーンにおいては、カジュアルな装いでも、そのコーディネートやアイテム選びの原点はもともとのビジネススーツにあります。女性のビジネスウエアも、歴史的に見てそのシルエットやフィット感、素材の選び方など、男性のスーツをベースに進化した部分があります。
ですからスーツについてよく知ることは、誰にとってもビジネスシーンでの装いに自信を持ち、適切なスタイルを選ぶために役立つことです。
■適切にカジュアルダウンするにはスーツの勉強が必要
スーツについて本当に必要な知識を手に入れるなら、まず適切なサイズ(肩のフィット感、袖の長さ、上着丈、パンツの長さ、シャツの首周りサイズ、襟とそでの出方)、ビジネスフォーマルに合うアイテム・合わないアイテム(たとえばシャツ、靴、ネクタイ)、適切な色と柄(スーツ生地、ネクタイ)を最初に覚えてしまいましょう。選ぶときにも自信が出てきます。
きちんとした装い方を知っていると、カジュアルダウンもしやすくなります。しかし、カジュアルな格好しか知らなければ、正式なスタイルが必要なときにできません。
そして、正式なスタイルが必要な場面はほとんどがあなたにとって信頼が必要な重要な場面になるでしょう。ぜひ興味を持ってスーツを勉強してください。
■自分の体形に合う「サイズ感」が清潔感に直結する
服装は第一印象からの信頼感や期待を大きく左右する要素です。その人がどんなふうに着こなしているかを見て、その人となりや生活態度、仕事の取り組み方や姿勢などを想像します。そこで示したいのが清潔感、つまりきちんとしていて気持ちよく整って感じるようなイメージです。
「清潔と清潔感は違う」と前述しましたが、身につけるものが洗濯されていて汚れておらず、清潔であることは人前に出る以上当然のこと。信頼を勝ち得るビジネスパーソンは「清潔感」を意識しなければなりません。
では清潔感のある着こなしには、まず何が必要でしょうか? じつは「サイズが合った衣服」を選ぶことは最初のポイントです。
![女性の肩幅を採寸する仕立て屋](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/a/e/1200wm/img_ae5d705feecc8c44e12e0904b0ed1787429282.jpg)
ビジネスシーンでは、「フィット」するサイズの衣服を選ぶことが「見た目の清潔感」に直結することを覚えておいてください。
「フィット」とは、ピタピタでもダボダボでもなく、自分の体形につかず離れず沿うくらいのシルエットとなるサイズです。この法則は男女関係なくあてはまります。
スーツを着る場合は「フィット」のサイズ感は絶対です。サイズが合っていないと、カッコよくキマるはずが余計なシワが入りだらしなく見えます。
■意識して整えることで、人の感覚をプラス方向へ動かす
ジャケットだけでなく、シャツのサイズを吟味して首回りや身頃がフィットするものを選んでください。スーツをオーダーする人はシャツも一緒にオーダーすることをおすすめします。
ビジネスカジュアルであっても同様の感覚です。もちろん、シルエットに多少ゆとりはあっていいと思いますが、ジャケットの着丈や袖丈が短すぎたり、逆に袖回りがブカブカであると、きちんとして気持ちよく整っては見えません。
女性はシルエットは男性より選択の自由がありますが、やはりフィット感を大事にされるようおすすめします。
衣服のサイズ感のように一見目につきにくいように思えることこそ、意識して整えることで全体の印象をよいほうに変え、人の感覚をプラス方向へ動かします。
■「人のエネルギーや健康イメージを左右する肩」を補完
ビジネスでジャケットを着るのは、「仕事服だから」という理由だけではありません。ジャケットは着る人に信頼に値する雰囲気をまとわせてくれる、便利な衣服だからです。
ここで言うジャケットとは、肩がフィットし、肩のラインをしっかり見せる形で生地にある程度の張り感(生地がある程度しっかりとしてシルエットが保てていること)があるものを指します。
もともと男性スーツのジャケットは広い肩と厚い胸を引き立たせる形をしています。それはそういった身体の部位が古来より威厳や高い能力の象徴となってきたからです。
![腕を組んだビジネスマン](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/d/3/1200wm/img_d3f739b7c0b9af2f31b561f6007f058f564569.jpg)
とくに肩は、姿勢で目立つ部分であり、その人間について感じる印象や人となりの判断に小さくない影響を与えます。疲れていて気力がない様子を「肩が落ちている」と表しますね。
肩は人のエネルギーや健康に関するイメージも左右します。ジャケットがそのイメージを補強、補完してくれるのです。
■プロフェッショナルに見えるジャケットの着こなし方
しっかりした肩のラインは、男性女性に限らず堂々とした印象を与えます。試しに、ジャケットを着た自分とカーディガンのようなやわらかい肩の線の服を着た自分を見比べてみてください。自信や責任感がある様子はどちらでしょうか? 格があってプロフェッショナルに見えるのは?
そのように見せたいとき味方になってくれるのがジャケットです。男性が着るジャケットは、いわゆるテーラードジャケット(ここでは一般的な男性スーツ上着のように首にあたる襟の下にラペルと呼ばれる胸にかかる襟がついたジャケットを指します)をおすすめします。
女性はテーラードのほかに襟のないものなどバリエーションがありますが、場面に応じて決めてください。
対面はもちろん、胸から上だけ見せるオンライン会議や自宅でも、さっと羽織ってください。対面より若干カジュアル感があると、自宅という環境になじんでいいかもしれません。ただし、ジャケットを味方にする意識は持っていてください。
■一番下のボタンははずさないと変なスタイルに
カジュアル化の中、いざというときにスーツの基本的な着方がわからない、とあわてる人も増えてきました。割と見落としがちなのが、ジャケットのボタンの留め方です。
![丸山ゆ利絵『初対面から信頼関係を築く 第一印象の磨き方』(日本実業出版社)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/c/c/1200wm/img_cc18d440797e093440e2c9129bf71d4b364683.jpg)
「アンボタンマナー」をご存じですか? ボタンがついているジャケットの一番下のボタンをはずすという着こなしのルールです。
服装の歴史の中で、一番下のボタンは飾りでしかなかったことから、もともとジャケットの一番下のボタンは留めないよう仕立てられています。また、そういう伝統から、ほかのボタンと比べ留めにくい仕付けになっている場合もあります。
「マナー」という言葉に「そのボタンを留めていると人に失礼なの?」と思う方もいるかもしれませんが、余計なボタンを留めてしまうと、シルエットが崩れる、余計なシワが入る、着ていて苦しいなど、着る本人にマイナスがあるだけです。
ですから、「余計に留めていると野暮」くらいの感覚でいいかと思います。真面目に装っているのに、何となく変なスタイルになるのは避けたいので、ぜひ知っておいてください。
ビジネスで多いのは、二つボタンのジャケットですが、これは上のボタンだけ留め、下のボタンははずしておきます。
「段返り」の場合は一番上のボタンはもともと留めず、一番下も外すので、真ん中のボタンだけを留める着方になります。「段返り」とは、一番上のボタンが襟の折り返し(ラペル)に隠れていて、前から見るとボタンホールだけ見えるタイプです。
最近はあまり見ませんが、三つボタンの場合は上と真ん中だけ留めます。フォーマルで着るジャケットはひとつボタンが一般的なので、これは留めてください。
アンボタンマナーは男性服のルールです。女性服の場合はテーラードジャケットには適用していいと思いますが、違う意図でデザインされているものも多いので、購入するところやテーラーに確認してみてください。
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日本初のプレゼンス・コンサルタント
アテインメンツ合同会社代表。五つ星ホテルやエグゼクティブビジネスクラブ経営会社で社長秘書など要職を歴任。一流と言われる財界人と交流を持つ。その中で上に立つ人の資質・リーダーシップの重要要素とされる「エグゼクティブプレゼンス」を研究し、印象コントロール、コミュニケーション力、自己設計の3つの分野から成る修得方法を体系化。2010年からエグゼクティブプレゼンスの企業研修や個人トレーニングを提供し始め、今日まで国内有名企業や多国籍企業の経営幹部2800人以上に指導を行う。著書に『「一流の存在感」がある人の振る舞いのルール』(日本実業出版社)などがある。
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(日本初のプレゼンス・コンサルタント 丸山 ゆ利絵)
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