「お母さんにやさしい国ランキング」発表、1位はノルウェー、日本のお母さんは30位 ~「産休の充実」と「男女格差縮小」で北欧レベルのお母さん支援を~
PR TIMES / 2012年5月8日 14時43分
子ども支援の国際NGOセーブ・ザ・チルドレンは5月8日、「母の日レポート2012 (State of the World’s Mothers 2012)」を発刊し、保健、栄養、教育、政策決定への参加など、世界165か国の母親を取り巻く状況を総合的に考察し、順位付けした「母親指標 (Mother’s Index)」を発表しました。この母親指標は、女性指標(Women’s Index) と子ども指標(Children’s Index) のデータをもとに順位が出されています。今年で13回目となる母の日レポートですが、1位はノルウェー、最下位はニジェール、日本は30位でした。例年同様、母親指標の上位には先進国が、下位にサハラ以南アフリカを中心とする開発途上国がランクインする傾向にあります。
2012年母親指標ランキング 母親になるのに最も適した国
順位 トップ10位の国
1 ノルウェー
2 アイスランド
3 スウェーデン
4 ニュージーランド
5 デンマーク
6 フィンランド
7 オーストラリア
8 ベルギー
9 アイルランド
10 オランダ/イギリス
順位 ワースト10位の国
156 コンゴ民主共和国
157 南スーダン
158 スーダン
159 チャド
160 エリトリア
161 マリ
162 ギニアビサウ共和国
163 イエメン
164 アフガニスタン
165 ニジェール
母親指標(総合)
1 ノルウェー
2 アイスランド
3 スウェーデン
4 ニュージーランド
5 デンマーク
30 日本
女性指標
1 ノルウェー
2 ニュージーランド
3 オーストラリア
4 デンマーク
5 アイスランド
36 日本
子ども指標
1 アイスランド
2 スウェーデン
3 日本
4 オーストリア
5 イタリア
女性指標と子ども指標は下記内容を比較し、順位付けしています。
【女性指標】
・産婦死亡のリスク
・現代的な避妊手法の使用
・訓練を受けた医療従事者の立会いのもとでの出産
・女性の平均余命
・女性の正規教育期間
・男女間の給与所得の比率
・産休・育休制度
・女性の国政レベルでの参加率
【子ども指標】
・5歳未満の子どもの死亡率
・5歳未満の子どもの栄養不良率
・就学前教育就学率
・初等教育就学率
・初等教育就学の男女比
・中等教育就学率
・安全な水の利用率
昨年から2つ順位が下がった日本ですが、1位のノルウェーとは女性指標において大きく差がついており、特に働く母親へのサポート体制の違いが要因となっています。ノルウェーでは産休が最大46週間まで取得できるのに対し、日本はわずか14週間しか取得できないほか、産休取得中の給与支給額においてはノルウェーが最大100%なのに対し、日本は67%です。また、国会議員における女性の割合においても、ノルウェーは約4割なのに対し、日本はノルウェーの約3分の1にも達していません。その一方で、子ども指標では日本は、5歳未満の子どもの死亡率の低さ、義務教育への就学率の高さにより3位にランクインしています。日本の母親指標を向上させるには、トップ3を占める北欧諸国と同レベルの産休制度の充実や政治参加における男女格差の縮小が鍵となります。
最下位のニジェールは、開発途上国の中でも出産時に医療従事者の立会いが行われることが少なく、妊産婦の死亡率が極めて高くなっています。また、5歳未満の乳幼児の栄養不良率、死亡率ともに高く、母子保健の整備が喫緊の課題であることがうかがえます。とりわけ最上位国のノルウェーと比較すると、妊産婦の死亡率がノルウェーは7,600人に1人であるのに対し、ニジェールでは16人に1人、5歳未満の乳幼児死亡率は、1,000人あたりノルウェーでは3人ですが、ニジェールでは143人と報告されており、過酷な事実が浮き彫りになっています。
今年の母の日レポートでは、5歳未満の乳幼児の死亡原因と大きく関係している「栄養不良」問題を主要テーマとして取り上げ、その対策として、安価かつ有効な取り組みである「Lifesaving Six (生命を助ける6つの方策)」を提唱しています。これは1.鉄・葉酸の摂取、2.ビタミンAの摂取、3.亜鉛の摂取、4.生後6か月間の完全母乳、5.6-23ヶ月期の補完栄養食の摂取、6.石鹸による手洗いや安全な水の使用であり、この包括的パッケージは1人当たりわずか20ドルで実施することが可能です。また、これらの保健サービスをはじめ、母乳育児の推進や抗生物質の投与などを行うコミュニティ・ヘルスワーカーの存在も非常に重要です。しかし、現在世界では100万人以上のコミュニティ・ヘルスワーカーが不足しており、途上国の子どもと母親を守る取り組みが急がれます。
「母の日レポート2012 (State of the World’s Mothers 2012)」の詳細は以下をご参照ください。
英文全文:http://www.savethechildrenweb.org/SOWM2012Interactive/SOWM2012/
企業プレスリリース詳細へ
PRTIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
「ラファの60万の子どもに安全な行き場はない」ユニセフ、強制移動の回避を求める【プレスリリース】
PR TIMES / 2024年5月7日 17時45分
-
「消費税の税率が高い国」ランキング! 税率25%のスウェーデンら4カ国を抑えた1位は?
オールアバウト / 2024年5月4日 13時10分
-
予防接種拡大計画発足50周年:半世紀で1億5,400万人以上の命守る【プレスリリース】
PR TIMES / 2024年5月1日 17時45分
-
スーダンでの戦闘激化から1年~重度の急性栄養不良に苦しむ子どもたち【プレスリリース】
PR TIMES / 2024年4月15日 17時45分
-
『ゴッドランド/GODLAND』監督インタビュー「デンマークとアイスランドを対峙させた時、それらがどのように姿を現すのかを探りたかった」
ガジェット通信 / 2024年4月13日 10時0分
ランキング
-
1年賀状は過去最大17%減、2023年度の引受数…「ゆうパック」はヤマト運輸と協業で増加
読売新聞 / 2024年5月11日 20時22分
-
23期連続減益に沈むヤマト「強気計画」に漂う暗雲 2024年度は荷物量回復で巻き返しを図るが
東洋経済オンライン / 2024年5月11日 7時30分
-
3「超円安」に悲鳴!外食業界で続く値上げの波 「1ドル=160円」なら全面値上げも続出か
東洋経済オンライン / 2024年5月12日 7時50分
-
4ヨーカドーの跡地が「世界最大級の無印良品」に…過疎地の商業モールを復活させた「社会的品揃え」の魅力
プレジデントオンライン / 2024年5月11日 9時15分
-
5総額9000億円「築地再開発」に渦巻く期待と不安 国際競争力の向上と環境への配慮の二兎を追う
東洋経済オンライン / 2024年5月12日 7時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください