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原発の設備機器の状態監視:IECとIEEEが新たな世界標準規格を発表

PR TIMES / 2012年9月19日 15時15分

〜IEC/IEEE 62582系の一部である新ガイドラインと監視方法は、
原子力発電所で使用する電気設備機器の安全性確保に有用〜

スイス・ジュネーブ、米国ニュージャージー州ピスカタウェイ
2012年9月19日(現地時間)発

IEC(国際電気標準会議)とIEEE(アイ・トリプル・イー)は本日、原子力発電所に設置されている電気設備機器の状態監視向けの国際的な新ガイドラインを共同発表しました。両組織はまた、状態監視の評価実施で使用可能な特定の技術の詳細を述べた関連基準も発表しました。

国際標準規格とガイドラインIEC/IEEE 62582系「安全上重要な原子力発電所の計装と制御 ― 電気設備機器の状態監視方法」は、原子力発電所の作業員、システム評価者、試験研究所、原子力発電所の許可業者の使用を目的としています。

この標準規格が非常に重要なのは、原子力発電所に不可欠な安全機能を担う電気設備機器の状態監視を焦点としているためです。この規格が非常に重要なのは、電気ケーブルの状態監視への適用されるものであるためです。電気ケーブルは、原子力発電所の電気設備機器に必要な電力を供給するのみならず、安全機能や事故軽減機能を担うさまざまな計装・制御装置との信号の送受信を行います。

原子力発電所の作業員はこれまで、そのケーブルが取り付けられている設備機器の定期的な稼働中試験を通じて、監視を行ってきました。しかしこの試験はケーブルの状態監視がメインではなく、運転環境において特定のケーブルが影響を受ける可能性のある経年劣化等の様々な劣化作用を、全て検出することはできませんでした。このような試験では、機器が試験環境下でどのように機能するかを示すことはできても、長期間にわたる100%負荷の際に装置が継続的に良好な状態にあるかの検証はしません。テストが通常稼働もしくは設計ベースの状況で行われるからです。稼働中試験では、経年劣化やケーブルの絶縁材とケーブル外被材の物理的完全性と絶縁耐力のために、装置の劣化状態に関する具体的情報は得られません。

IEC SC45Aのチェアマンであり国際原子力機関(IAEA)のシニア・セイフティー・オフィサーでもあるゲイリー・ジョンソン(Gary Johnson)は、次のように述べています。「再生可能エネルギーの供給を統合するスマートグリッド戦略を追求する国や電力会社も多いですが、原子力発電所はこの先何年間も、引き続き社会に対して重要な電力源を供給していくでしょう。そして、産業界は原発の安全性に注力し続ける必要があります。」

IEEE原子力技術委員会の長であるサティシュ・アガーワル(Satish Aggarwal)は、次のように述べています。「IEC/IEEE 62582は、新規と既設の設備機器の実環境を実証するさいに、必要に応じて選択・適用できる一連の状態監視技術の世界的な共通規格を定めた、初めてのものです。この試験は基準値の設定に役立ちます。これにより原子力発電所は、シビアアクシデントが起こった場合においても、設備機器がどのぐらいの間期待どおりに機能できるのかを、十分な信頼性を持って判断できます。」

IEEE SC-2 とIEC SC45Aにおいてスウェーデンの放射線安全庁を代表しており、 IEC/IEEE共同開発チームのプロジェクト・リーダーであるシェル・スパング(Kjell Spang)は、次のように説明しています。「この監視委技術は非常に重要です。世界各地の新設の原子力発電所にも既設の原子力発電所にも使うことができるからです。特定の1種類の技術を使うか、複数の技術を組み合わせて使うかの選択は、関連する設備機器の種類、必要な状況情報の種類、様々なサイト固有要因とプラント固有要因によって異なります。IEC/IEEE 62582では、重要な安全要求への取り組みに使用される非常に実際的な取り組みを行います。」

IECとIEEE-SA(アイ・トリプル・イー・スタンダーズ・アソシエーション)は、幅広く協力を行い、電気設備機器の状況監視の実施の国際的な統一を推進するために、標準規格を開発しました。

IEC/IEEE 62582系標準規格は、異なる地域と異なる法的規制において使用される技術標準の調和を促進すべく2008年に締結した、IECとIEEEの共同の合意に基づき発表されています。

標準化した状況監視アプローチと技術の使用は、原子力発電所と作業員にとって多くの利点があります。標準化された方法であるために、様々なサイトや地域から集められたデータには互換性が生じ、監視対象設備機器の時間の経過に伴う状況特性を明らかにするデータベース構築が可能になり、結果は広く受け入れられやすくなります。

最初の標準規格は、原子力産業が実施する重要な研究の集大成でもあります。

この新しい国際標準規格系に含まれるものは、以下の通りです。

IEC/IEEE 62582-1 第1部:概要
http://standards.ieee.org/findstds/standard/62582-1-2011.html
この標準規格では、状況監視の必要性を立証し、発電所作業員が発電所において用いることができる、適用可能で適切な様々な技術の概要をまとめています。

IEC/IEEE 62582-2 第2部: インデンターモジュラス
http://standards.ieee.org/findstds/standard/62582-2-2011.html
この標準規格では、インターモジュラス測定法に基づく状況監視の詳細を述べており、この測定法は主に低電圧環境で設置されるケーブル外被材、絶縁材、Oリングの試験に用いられます。

IEC/IEEE 62582-4 第4部:酸化誘導技術
http://standards.ieee.org/findstds/standard/62582-4-2011.html
この標準規格では、電気設備機器の有機材料と高分子材料(例:ケーブル外被材、絶縁材)からサンプルを採取するための酸化誘導技術を用いた方法を明記しています。
IECとIEEE-SAの策定の完了までに、さらに2つの方法がIEC/IEEE 62582に加わる予定です。今後発表する標準規格と、両組織が取り組む技術には、次のようなものがあります。

・IEC/IEEE 62582-3 第3部:破断伸び
http://standards.ieee.org/develop/project/62582-3.html

・IEC/IEEE 62582-5 第5部: OTDR(光時間領域後方散乱測定)
http://standards.ieee.org/develop/project/62582-5.html

■IECについて
IECは、電気・電子およびその関連技術 ― 総称して電気工学 ― 全体の国際標準規格を策定し発表する世界的な組織です。同組織には、164ヶ国から10,000名を超える専門家が世界規模で結集しています。IECの国際標準規格には、世界のいかなる場所でも電気・電子機器が互いに効率的かつ安全に作動するようにするための国際的な関連規格と測定基準が含まれています。IECの仕事は、例を挙げるだけでも、家電製品とオフィス機器への発電・送電・配電、電池、ナノテクノロジー、再生可能エネルギー等、様々な範囲の技術に及んでいます。IECはあらゆる種類の適合評価を支持しており、国際規格に準じる機器システムもしくは装置構成を認証する適合性評価システムを管理しています。詳しくはwww.iec.chをご覧ください。

■IEEE Standards Associationについて
IEEE Standards Association(アイ・トリプル・イー・スタンダーズ・アソシエーション、IEEE-SA)は、IEEE内部の世界的に認められた標準規格策定機関であり、産業界を巻き込んだオープンなプロセスを通じて合意基準を策定し、1つの大きなステークホルダーのコミュニティー形成を行っています。IEEEの標準規格では、現時点における科学的知見と技術的知識に基づく規格とベストプラクティスを定めています。IEEE-SAには、900を超える現行標準と500以上の開発中の標準規格が揃っています。詳しくは http://standards.ieee.org/ をご覧ください。

■IEEEについて
IEEEは、世界最大級の技術専門家の組織であり、人類のための技術の発達に力を注いでいます。頻繁に引用される論文、会議、技術規格、専門活動、教育活動を通じて、IEEEは航空宇宙システム、コンピューターと情報通信、バイオメディカル工学、電力、家電製品等、多種多様な分野についての信頼のおける「声」となっています。詳しくは、 http://www.ieee.org をご覧ください。


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