制作スタッフが語る!4K Ultra HD Blu-ray版「シン・ゴジラ」はここがスゴい!
PR TIMES / 2017年3月17日 11時37分
昨年夏公開され、興行収入82.5億円を記録した映画「シン・ゴジラ」。3月22日遂にそのディスク版が発売される。今回発売されるのはDVD版やBlu-ray版など全4種類(発売元:東宝)。そのひとつ、「シン・ゴジラ Blu-ray特別版4K Ultra HD Blu-ray同梱4枚組」には4K対応の次世代ブルーレイ規格のディスクが同梱されている。パナソニック映像(https://panasonic.co.jp/cns/pvi/)では4KHDR化の作業を担当。そこでUltra HD Blu-rayの制作に係わったスタッフに4K版の見所や制作秘話を語っていただいた。
最初にお話を伺ったのは映画版でもカラーグレーディングを担当した、株式会社ピクチャーエレメントの齋藤 精二氏。
[画像1: https://prtimes.jp/i/24225/1/resize/d24225-1-589714-6.jpg ]
--カラーグレーディングってどんなお仕事ですか?
CMなどの業界では「カラコレ」というのが一般的ですが、僕は映画では「カラーグレーディング」という言葉を使わせて頂いてます。色は一つの大事な道具ですが、それ以外の様々な技術と組み合わせて、監督やカメラマンの希望する「世界観」をどうやって構築するかが、カラーグレーディングの役割だと思ってます。「世界観」の例としては、昭和の雰囲気にしたいとか、近未来にしたいとかですかね。
--では今回監督から求められた「世界観」とは?
そうですね、一番大事だったのは今の日本にゴジラが現れたらという「ライブ感」だったんです。今回アイフォンもカメラとして採用していますし、色々なカメラを全部で25台ぐらい使っています。ですから色も統一されているわけではなく混在しているんですが、それは狙いな部分が多いんです。色んな人が色んな所でゴジラを見上げて「わー!」となっているところをしっかりと腰すえたカメラで撮るのではなくて、もうガンガン振り回しているような映像が中に入ったほうが、その喧騒感とかが当然表現できるので。ライブ感を一番大事にしたときにどのカメラがライブ感を出せるか?を監督は大事に考えていたと思います。
--映画とUltra HD Blu-rayとでグレーディングの際、大きな違いはありましたか?
Ultra HD Blu-rayのスペックを最大限に出そうとしたら、本来は撮影から計算して撮らなくてはいけません。今回は2K-DCIからのアップコンのため、4K-HDRという、与えられた大きなバケツの中にこの作品の品質をどうやって展開していこうか、どこまでUltra HD Blu-rayのスペックを引き出せるかというさじ加減が必要でした。作品の演出を壊さないようにするため、テクニカルなジャッジだけではなく、クリエイティブなジャッジも重要でしたね。
--Ultra HD Blu-ray版でのお勧めシーンは?
[画像2: https://prtimes.jp/i/24225/1/resize/d24225-1-473317-4.jpg ]
夜のゴジラのシーンですね。ゴジラの発光のピークが、まさに見せたいところなんです。実は、監督は光線には非常に拘りがあるので、色も質感も判断が慎重になりましたね(笑)。ここでは一番まぶしくなっていく段階までに一緒に表現されている紫の色も効果的に表現されています。4KHDRになって色域が変わり、Rec.709からBT.2020になったことで、劇場用のマスタリングで使用していた色の数がそのまま渡せるようになったんですよ。これは僕にとって一番大きなことですね。ですから全体的にも普通のブルーレイで見たときより映画館の印象にほぼ近いです。狙っている印象に確実に近づいてます。
--齋藤さんが個人的にお好きなシーンは?
[画像3: https://prtimes.jp/i/24225/1/resize/d24225-1-418303-0.jpg ]
やはり第4形態で上陸してきたところですかね。このシーンで初めてゴジラのテーマ曲がかかるんで、「お待たせしました!」という感じで。ゴジラファンとしても「お帰り」って感じですね。
オーサリングを担当したのは、パナソニックAVCディスクサービスの白木健一氏。
[画像4: https://prtimes.jp/i/24225/1/resize/d24225-1-192518-5.jpg ]
--ブルーレイからUltra HD Blu-rayになったことで何が大きく変わりましたか?
圧縮方式がMPEG4-AVCからHEVCという新しいコーデックに変わったことと、映像データで使えるビットレートが最大で、40Mbpsから100Mbpsに変わったことがあります。そしてビット深度が従来のBDの8ビットから10ビットに変わったことにより、色の再現性が数段良くなり、エンコード素材のマスターに近い色が再現できるようになったというのが大きな違いですね。
--白木さんお勧めのシーンは?
齋藤さんと同じですね。チャプター15から18までのタバ作戦からゴジラが一旦止まるところまでがお勧めです。特にチャプター18の、暗い背景と対比してゴジラの吐く光線や背びれの発光のコントラストがかなり迫力ある映像になっていると思います。
4KHDR化の画作りを担当した、パナソニック映像の石黒一哉氏。
[画像5: https://prtimes.jp/i/24225/1/resize/d24225-1-872841-7.jpg ]
--作業で苦労された点は?
今まで4KHDR化の作業は何作品か担当していますが、作品ごとに画作りが違うので、その度に何パターンか作ってみています。今回の「シン・ゴジラ」だと、大まかにシーンを分けて全部で20~30パターンぐらい作りましたね。そのうち厳選した数パターンを齋藤さんに見ていただき、方向性を決めました。作業時間も人が多くいる会議室のシーンからいきなり戦闘シーンになったり、急にカットが変わったりして。シーンのパターンが多いとそれだけ時間もかかりますね。
さらに詳しいインタビュー内容はパナソニック映像のWebサイト(https://panasonic.co.jp/cns/pvi/)で公開している。
今から発売が待ち遠しいが、是非Ultra HD Blu-rayで見ていただきたい作品だ。
■シン・ゴジラ Blu-ray特別版4K Ultra HD Blu-ray同梱4枚組
メーカー希望小売価格8,800円+税/品番:TBR27002D
[画像6: https://prtimes.jp/i/24225/1/resize/d24225-1-921887-2.jpg ]
【本編ディスク 4K Ultra HD Blu-ray】
本編119分/2層66G/16:9スコープサイズ
音声:(1)日本語3.1ch dts-HD Master Audio
(2)日本語2.0ch dts-HD Master Audio
字幕:(1)日本語字幕
【本編ディスク Blu-ray】
本編119分/2層BD50G/16:9スコープサイズ
音声:(1)日本語3.1ch dts-HD Master Audio
(2)日本語2.0ch dts-HD Master Audio
字幕:(1)日本語字幕
【特典ディスク Blu-ray】
特典映像139分/1層BD25G/16:9ワイドスクリーン
音声:日本語2.0ch dts-HD Master Audio
<収録内容>プロモーション映像集 / イベント記録映像集
【スペシャル特典ディスク Blu-ray】
特典映像193分/2層BD50G/16:9ワイドスクリーン
音声:日本語2.0ch dts-HD Master Audio
<収録内容> 現場メイキング / 現場アウトテイク未使用テイク集 / 現場アウトテイクNGテイク集
現場アウトテイク現場出しニュース・番組集 / プリヴィズリール集 / プリヴィズ・特撮アウトテイク集
VFXメイキング~Shin Godzilla Visual Effects Breakdown~
(関連情報)
「シン・ゴジラ」公式サイト
http://shin-godzilla.jp/
パナソニックAVCディスクサービス株式会社
http://panasonic.co.jp/avc/pavcds/
パナソニック映像株式会社
https://panasonic.co.jp/cns/pvi/
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