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武田薬品によるシャイアー社買収計画の非合理性を指摘。国内・海外の投資家にむけて発表

PR TIMES / 2018年11月12日 9時40分

~投資家・株主からの不安の声をうけ、正確な情報・分析に基づく議決権の行使を目的として発信~



ファーマセット・リサーチ株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役 三島 茂)は、武田薬品工業株式会社(以下、武田薬品)のOBを中心とする会員130名が構成する「武田薬品の将来を考える会」(以下、「考える会」)のアドバイザーとして、シャイアー社買収計画には合理性がないとの見解を、英国証券会社Market Securities主催の機関投資家ミーテイングにおいて説明しました。本ミーテイングはニューヨーク(2018年10月24-25日)、ロンドン(2018年11月5日)の2都市で開催され、機関投資家およそ80社が参加しました。

また、日本においては、「考える会」のシャイアー社買収計画に関する見解をまとめたホームページを2018年10月にリリースし、国内の投資家に向けての情報発信を開始しました。
ページURL:https://lp.takedakangaerukai.com/


背景:買収計画(M&A)の不透明性と低迷する株価に対して強まる投資家の不安


海外2都市での説明会、そして国内向けホームページ開設の背景には、シャイアー社買収後の収益見通しについて武田薬品経営陣が説明責任を果たしていない※ことへの疑問を抱いた投資家たちからの、具体的な情報を求める要望がありました。シャイアー社買収計画を発表して以降、武田薬品の株価が低迷を続けているのも、武田薬品からの十分な説明がない中で、投資家が買収の合理性に対して疑念を抱いていることの現れといえます。

武田薬品は2018年5月、アイルランドの製薬企業シャイアー社を買収し、完全子会社化することを発表しました。買収総額は約7兆円にのぼり、実現されれば日本企業による海外M&A(合併・買収)として過去最大の規模となります。
それと同時に、買収総額7兆円のうちシャイアー社の純資産4兆円を引いた3兆円の「過剰支払い」が発生します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/38727/1/resize/d38727-1-652109-0.jpg ]


この「過剰支払い」のうち、1.6兆円は特許権や営業権、仕掛研究開発費など、「将来回収できる見込み」を前提として無形固定資産として計上されます。一方、残りの1.4兆円が「のれん代」として計上される予定です。すでに、武田薬品には1兆円、シャイアー社には2兆円の「のれん代」が存在しており、合併新会社の「のれん代」合計は4.4兆円に達します。この「のれん代」も買収金額とともに過去最大の例となる見込みです。これにより株価や株主への配当金に影響が出ることが懸念されています。

M&Aによって発生する「のれん代」とは:

[画像2: https://prtimes.jp/i/38727/1/resize/d38727-1-436645-1.jpg ]



今回のM&Aによる「のれん代」とは、シャイアー株主が保有する総額4兆円の株式(純資産)に7兆円を支払うことによって発生する、武田側の「超過支払い3兆円」にあたります。この「のれん代」(=超過支出)は、将来見込まれる「超過収益」によって回収できることを前提に、無形資産として計上されます。しかし、資産といっても設備、建物、不動産や現預金といった実態のある資産ではなく、「将来回収できる」というよりもむしろ「回収しなければならない金額」の、あくまでも記録です。
この「のれん代」を「回収しうる資産」として継続的に計上するには、買収した事業の成長もしくは相乗効果(シナジー)によって利益が増加するという「将来見通し」が必要です。その将来見通しの前提が崩れた時には、資産価値を再評価して減損処理をする必要が生じます。


この「のれん代」は今後の経営・事業展開において回収できるのか、武田経営陣が説明責任を果たしていない※という声があがっています。シャイアー社買収計画を発表して以降、武田薬品の株価は低迷しており、不安を募らせている投資家からは、「考える会」の見解と活動について多くの問い合わせが寄せられています。


「考える会」の見解をまとめたホームページを開設

そこで、「考える会」は、シャイアー社買収計画に関する分析、見解を広く発信するために、10月にホームページを開設しました。

[画像3: https://prtimes.jp/i/38727/1/resize/d38727-1-589714-2.jpg ]

ページURL:https://lp.takedakangaerukai.com/

同ホームページは、シャイアー社買収計画におけるリスクに関する「考える会」の見解をまとめており、株主への情報提供だけでなく、M&Aや製薬業界に関心を持つ多くの人の目に留まり、本件について考えるきっかけとなることを目的としています。



今後の活動について

武田薬品は、買収のための新株発行の承認を得るための臨時株主総会を2019年1月18日までに開催する予定です。
「考える会」およびアドバイザーのファーマセット・リサーチは、臨時株主総会に向けてより多くの株主に対して情報提供をし、株主による正確な情報・分析に基づく議決権の行使を助けるために、情報や見解を発信していきます。

シャイアー社買収によって懸念されるリスク、武田薬品の現時点における説明等の詳細は、「考える会」の見解をまとめた下記ウェブサイトをご覧いただくほか、ファーマセット・リサーチまでお問い合わせください。
https://sites.google.com/pharma-asset.com/takeda/home

※ 武田薬品の説明責任の回避について
1. 6月末の定時株主総会おいて、M&Aが収益に与える影響を懸念する一般株主の質問に対して、武田薬品の経営陣は『UKルールによってOfferからClosingまでの間は新会社に関する収益見通しを開示することはできない』と回答しました。「UKルール」とは、英国のTakeover Panelが管理・公表しているTakeover Code(買収等に関するルール)を指していますが、同ルールは、武田薬品の説明とは異なり、買収による収益見通しの開示を促す指針を示しています。これにより、「考える会」は武田薬品の発言が矛盾していることを指摘しています。

2. 「考える会」は、武田薬品に対し、2018年10月1日付けで、シャイアー社買収の合理性に関する説明を求める公開質問状を提出しており、10月末日までの回答を求めていましたが、武田薬品の回答は依然として説明を拒否するものでした。



ファーマセット・リサーチ株式会社について

「ファーマセット・リサーチ」は弊社の創業者がこれまでに従事してきた、製薬(Pharmaceutical)、資産運用(Asset Management)、投資調査(Investment Research)をつなげた社名です。幅広いネットワークを駆使して、バイオ関連企業の事業開発をサポートします。Web上で提供する「ファーマセットLibrary」は、相互にリンクする4つの資料サイト、1)企業分析、2)新薬研究、3)医薬品市場、4)製薬産業、を巡回しながら、さまざまな角度からバイオ医薬品産業のグローバルな動向を俯瞰します。スマートフォンでも閲覧できる便利な情報ツールを活用いただいて、国内バイオ産業の競争力向上に、わずかながらも貢献をできることを願っております。
所在地 : 〒108-0075 東京都港区港南二丁目16-2 太陽生命品川ビル 28F 
会社名 : ファーマセット・リサーチ株式会社
代 表 : 三島 茂
設立日 : 2014年7月
事 業 : 医薬品産業に関わる企業経営および海外事業の情報収集、調査・分析、コンサルティング
電 話 : 03-6356-6620
ウェブ : http://www.pharma-asset.com/

三島 茂 プロフィール


[画像4: https://prtimes.jp/i/38727/1/resize/d38727-1-182838-3.jpg ]

1977年、三共株式会社(現、第一三共株式会社)入社後、医療用医薬品の営業(MR)、臨床開発、海外展開を担当し、1988年より外資系金融機関の証券アナリストを勤める。UBS証券株式会社、バークレイズ証券株式会社などのセルサイドを経て、1999年よりCitibank Global Asset Management、2003年よりアライアンス・バーンスタインにてファンド運用に従事。2009年にUBS証券会社に復帰、アナリストとして大塚ホールディングス株式会社の株式公開(IPO)を担当。2012年、フロンティア・マネジメント株式会社顧問に就任。2014年、ファーマセット・リサーチ株式会社を設立、代表取締役に就任。
1977年 東京大学薬学部製薬化学科卒業。
1983年 ミシガン大学経営学大学院にてMBAを取得。

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