スペースビット、世界初の月面四足歩行ロボット「ASAGUMO」を世界に先駆け日本で初公開
PR TIMES / 2019年12月5日 11時35分
宇宙探索コンセプトを開発する英国スタートアップ企業のスペースビット(本社:ロンドン、CEO:パブロ・タナスユク)は、世界初の月面四足歩行ロボット「ASAGUMO(アサグモ)」の実用模型を、2019年12月5日(木)~8日(日)の間、東京と京都で開かれる国際ワークショップ「3rd International Moon Village& Symposium」(主催:ムーンビレッジアソシエーション)で世界初公開します。日本のことわざで福をもたらすとされる「朝の蜘蛛」から名付けられた本探査機は、米航空宇宙局(NASA)の「商業月面輸送サービス」プログラムの一環として、2021年に月面を探査する予定です。
[画像: https://prtimes.jp/i/52113/1/resize/d52113-1-160981-0.png ]
スペースビットのASAGUMOには、超小型人工衛星(キューブサット)が搭載されており、重量は1.3kgです。太陽光を原動力とし、車輪や走行用ベルトは使用せず、クモの脚のような形をした四脚で歩行することが特長です。このような形状により、従来の探査機ではアクセスできなかった溶岩洞や凹凸のある地形でも、探索が可能となります。
将来的には、母船となる宇宙船から、大量の探査機を月面に輸送・配置し、収集データを地球へ送信することを計画しています。宇宙船は、夜間に探査機を保護する役割も担います。
ASAGUMOは、宇宙ロボティックを専門とする米国スタートアップ企業のアストロボティック・テクノロジー社(以下、アストロボティック社)が2021年に予定している、ペレグリン月着陸船を利用した最初の月面探索ミッションで、月へと送られる予定です。アストロボティック社は、NASAの商業月面輸送サービスのプログラムの一環として、2019年5月にNASAから7,950万ドルの資金提供を受けることが発表されました。
2021年に予定されている本ミッションでは、探査機は着陸船から10メートル歩行して、走行空間センサー「3D-LiDAR」やHDカメラなどを含む複数のセンサーを活用しながら、データを収集します。収集されたデータはペレグリン月着陸船を通して、地球の地上管制局へと送信されます。
スペースビット創業者のパブロ・タナスユクは次のように述べています。
「月面探査や宇宙ビジネスの分野は新しい時代に入り、科学的だけでなく商業的な目的でも、月への関心が急速に高まっています。ASAGUMOは、ヒトがどのように地球外で生活ができるのかを探求するために必要不可欠な情報を集められる、新しいツールです。将来的には、溶岩によって月面下に形成されたと考えられている空洞も探索可能な探査機を開発し、月面で長期的な生活が可能な領域を選別していきます」
スペースビットについて
英国の非公開企業であるスペースビットは、宇宙関連のデータ分析ツールや、AIと最先端マイクロロボティクスなどの活用を含む、ロボットによる宇宙探査コンセプトを開発しています。
スペースビットは、エンジニアリングを通じて、天体探査ソリューションを低コストで提供することに取り組んでいます。また、業界や学会に新たな機会を生み出し、月やその彼方で新たなインフラや商業資源の探査に関連する未来開発の手助けをすることを目指しています。
スペースビットは、アストロボティック社が2021年に予定しているペレグリン・ミッション用に、月探査用歩行型ロボット「ASAGUMO」の第一号を納品する合意書を、2019年9月に締結しています。NASAは2019年5月、月面着陸機開発に関してアストロボティック社を含む3社を選定し、資金提供すると発表しました。
スペースビットは、英国コーンウォールのリザード半島にある大規模な無線通信基地「グーンヒリー・アース・ステーション(Goonhilly Earth Station)」とも提携しています。計60基の通信衛星用アンテナ(うち25基以上が稼働)を有するグーンヒリーは一時、衛星地上局として世界最大の規模を誇っていました。
スペースビットの創業者であるパブロ・タナスユクは、2010年にロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)を卒業し、経営および情報システム学の修士号を取得しています。また、ケンブリッジ大学ビジネススクールより技術政策の修士号も取得しています。
スペースビットの創業以前、タナスユクは決済システム会社MoneXyの経営者として大きな成功を収め、後にMoneXy の売却で得た資金を、宇宙プロジェクトとスペースビットの立ち上げに投資しました。
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