2030年の日本の再生可能エネルギーは、1,000億ドル超の投資により、政府が定めた目標値を超えると予測

PR TIMES / 2020年8月19日 15時15分

水素燃料電池自動車の目標達成は厳しい見通し

ウッドマッケンジーは、2030年までに日本での風力発電所および太陽光発電所への投資は1,000億米ドルを超え、電源構造に占める再生可能エネルギーの割合が27%まで増加、政府が定めた目標値を超えるとする予測を発表しました。

日本は第5次エネルギー基本計画で、2030年までに電源構造に占める再生可能エネルギーの割合を22%~24%に増やすとする目標を設定しました。昨年の再生可能エネルギーが日本の電源構造に占める割合は19%で、うち風力発電と太陽光発電が約8%でした。

ウッドマッケンジーの研究責任者であるアレックス・ウィットワース(Alex Whitworth)は、次のように述べています。「2020年から2030年までに、日本の太陽光発電と風力発電に向けられる投資額は1,000億米ドルを超え、再生可能エネルギー分野は大幅に成長すると予想しています。石炭火力発電からの撤退を加速する先日の発表以前から、日本には2030年の再生可能エネルギー目標の達成に向けた明確な計画がありました。現在、電力需要の減少が予想されているのに加えて、再生可能エネルギーのコストは低下しており、日本の化石燃料からの脱却が加速しています。」

ウッドマッケンジーは、今後10年で日本の風力発電や太陽光発電のコストは30%以上下がり、化石燃料に対する競争力がさらに高まると予想しており、たとえ国からの補助金が減った場合でも、新たなエネルギーへの大きな投資機会が生まれると予想しています。

電気料金の高さや補助金のため、日本は現在までに45ギガワット以上を展開する分散型太陽光発電の最先進国となっているだけでなく、2030年には洋上風力発電が約8ギガワットまで急拡大し、従来のベースロード電源からの転換が進むと、ウッドマッケンジーは予想しています。

ウィットワースは、次のように述べています。「現在、日本の電気の約3分の1を石炭火力発電が供給しており、2030年以降も日本で最もコストの低い電力供給オプションのままであるという問題は、いまだ十分に語られていません。今後10年は、再生可能エネルギーを成長させ、環境やエネルギー安全保障上の目標を達成することと、消費者が払う電気料金を安定させることのバランスを模索する動きが続くでしょう。幸い、新型コロナウイルスのパンデミックや石油価格の下落により、日本の電力供給コストは今年、15%以上下がりました。これは、日本にとって追い風であり、消費者が払う電気料金を高騰させることなく、2030年までに電源構造に占める風力発電と太陽光発電の割合を2倍の18%以上に増やすことができるはずです。」

また、エネルギー安全保障上の懸念や二酸化炭素排出量削減のための取り組みから、日本は世界でもとりわけ早期に水素戦略を示した国となりました。

ウッドマッケンジーは、現在世界第6位の水素市場である日本の需要が今年402万メトリックトンに到達すると予想しています。需要の90%近くを精製所が占め、その目的は主に脱硫です。精製所は大気汚染対策として、水素を使用しガソリンやディーゼル燃料から硫黄などの不純物を取り除いています。水素は化石燃料から作られるため、二酸化炭素が膨大に放出されます。

一方で、日本の水素目標で重視されているのはモビリティの分野です。日本は燃料電池自動車(FCV)の数を現在の4,000台から2025年までに20万台、2030年までに80万台に増やすことを目指しています。

ウッドマッケンジーの研究責任者であるプラカッシュ・シャルマ(Prakash Sharma)は、次のように述べています。「水素FCVの価格は、電気自動車よりも30%高くなっています。コストの急激な低下や、燃料補給インフラ展開のための政府からの継続的な支援がない限り、この計画通りにFCV目標を達成させることは難しいと思われます。現状、再生可能エネルギー由来の水素(グリーン水素)の価格は化石燃料から作られる水素(ブルー水素)よりも2~4倍高いため、コストが最大の課題です。それでも、日本には発電以外で二酸化炭素排出量を削減できる部分が他にほとんどないため、水素の利用を重視するのは全く理に適っています。日本は、2030年までに、グリーン水素の価格を1キログラムあたり3米ドルまで下げることを目指しています。そのためには、再生可能電力の均等化発電原価を1メガワット時あたり50米ドル以下まで下げなければなりません。日本の太陽光発電所と風力発電所に関する現在の予想値から、さらに37%も低い価格です。このような理由から、日本はグリーン水素やブルー水素の輸入など、クリーンな水素を調達するためあらゆるオプションを追求すると予想されます。」

ウッドマッケンジーは、大規模な再生可能エネルギーの可能性を秘め、価格が低下しており、二酸化炭素の電気分解や回収・貯留の技術も発展中のオーストラリアは、日本の野心的な水素戦略の恩恵を受けると予測しています。既に貿易関係を確立し、流通経路の整備が進められつつあることから、極めて重要なパートナーになる可能性が高いと見込んでいます。

ウッドマッケンジーは、日本で水素市場が最も速く成長するのは、工業とモビリティの分野となると予測しています。競争力の高い供給オプションの開発、そして信頼性の高い燃料補給インフラの構築が鍵になると分析しています。


ウッドマッケンジーについて
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