大丈夫ですよ!妊婦さんの温泉入浴!
PR TIMES / 2020年11月2日 11時15分
妊婦の温泉浴が妊娠経過に悪影響を与えないことを医学会の大規模調査で確認
一般社団法人日本温泉気候物理医学会(理事長:宮下和久 和歌山県立医科大学学長)は、大分県別府市と鹿児島県指宿市の1,723名の妊婦さんに対して、妊娠中の温泉入浴と医学的トラブル(流早産、妊娠高血圧症等)の関連について、妊婦さんの温泉浴の安全性に関する調査を行いました。
今回の調査結果から、妊婦さんの温泉浴は妊娠中の医学的トラブルの発生に関連しないと確認したことから、妊婦さんの温泉入浴への適正な情報の提供がなされることに期待をします。
[画像1: https://prtimes.jp/i/67286/1/resize/d67286-1-936490-pixta_64590485-1.jpg ]
一般社団法人日本温泉気候物理医学会(理事長:宮下和久 和歌山県立医科大学学長)は、大分県別府市と鹿児島県指宿市の1,723名の妊婦さんに対して、妊娠中の温泉入浴と医学的トラブル(流早産、妊娠高血圧症等)の関連について、妊婦さんの温泉浴の安全性に関する調査を行いました(研究責任者:岩永成晃・医療法人コラソン理事・大分県産婦人科医会会長)。
これまでは、環境省の定める「温泉法」に基づいて平成26年6月まで、妊婦(初期と末期)は、他の重症の病気と並べられて、“温泉浴の禁忌症”として記載されていたことや、妊婦の温泉浴の安全性に関する研究報告は少なかったことから、妊婦さんが温泉浴をすることへの不安が多く寄せられてきました。今回の調査結果から、妊婦さんの温泉浴は妊娠中の医学的トラブルの発生に関連しないと確認したことから、妊婦さんの温泉入浴への適正な情報の提供がなされることに期待をします。
なお、本調査結果は2020年10月31日発刊の「日本温泉気候物理医学会雑誌」に掲載されました。(掲載論文情報: 岩永成晃、宮田昌明、早坂信哉:日本温泉気候物理医学会雑誌 第83巻3号:p140-150. 2020年)
調査結果(主なもの)
妊婦の約80%が週1回以上温泉入浴をしていた(妊娠初期:79.8%、中期79.8%、後期74.6%)。
産科的トラブルは30.2%(442例)の妊婦で発生していた。これは他の調査と比較して一般的な頻度であった。(内訳:最多は「切迫流早産に関して医師から指示・指導を受けたもの」10.6%(155例))
産科的トラブルの発生は週1回以上の温泉入浴(以下、温泉入浴群)で増加しなかった(図1)。むしろ妊娠後期では温泉入浴群で産科的トラブルが少なかった。
流産や早産に関しては、妊娠のいずれの時期においてもこれらを増加させることはなく、むしろ妊娠後期では温泉入浴群が有意に産科的トラブルとの関連が少ない結果であった。
入院治療を必要とした切迫流産及び切迫早産に関しては、妊娠初期では温泉入浴群と非温泉入浴群の間に有意差を認めなかった。しかし、妊娠中期と後期においては、温泉入浴群は非温泉入浴群と比較し、入院治療を必要とした切迫流早産が有意に少なかった
高血圧に対する外来管理に関しては、妊娠初期、妊娠中期および妊娠後期において温泉入浴群と非温泉入浴群の間に有意差を認めなかった。
高血圧に対する入院管理に関しては、妊娠初期および妊娠中期において温泉入浴群と非温泉入浴群の間に有意差を認めなかった。しかし、妊娠後期においては、入院治療を必要とした高血圧患者が有意に少なかった(温泉入浴群0.0% vs 非温泉入浴群1.2%, p=0.031)
里帰り妊婦に絞って各妊娠時期の産科的トラブルを検討した結果、妊娠の初期と中期においては、産科的トラブルの頻度は温泉入浴群と非温泉入浴群の間に有意差を認めなかった。一方、妊娠後期においては、温泉入浴群は非温泉入浴群と比較し、産科的トラブルが有意に少なかった(温泉入浴群13.0% vs 非温泉入浴群24.5%, p=0.028)
[画像2: https://prtimes.jp/i/67286/1/resize/d67286-1-962475-3.jpg ]
総評
妊婦の温泉浴の安全性について、これまで明確な情報発信が少なかったことから、不正確な情報に基づいて温泉浴をさける妊婦さんたちが多かった。
さらに、平成26年7月に環境省が、最新の医学的見地から温泉浴の禁忌症とする科学的根拠が認められないとして、温泉法に基づく温泉入浴の禁忌症から“妊娠中”を削除したが、いまだに一般の認知は十分ではない。
今回の調査研究によって、平成26年7月の温泉法の改定によって温泉の禁忌症から“妊婦”の項目が削除されたことは、適正なことであったといえる。
今後、妊婦さんたちが適切に温泉浴ができるよう啓発をづづける。
<以下、調査概要>
■期 間: 2016年9月~2018年12月
■テーマ:妊婦の温泉浴の安全性の検討(観察研究)
■対 象:温泉地(別府市、指宿市)に居住する1721例の妊産婦
■サンプル数:大分県別府市と鹿児島県指宿市の1,723名の妊婦。産科的トラブルはないと回答した妊婦は1021例(69.8%)産科的トラブルがあったと回答した妊婦は442例(30.2%)
■項 目:
1)年齢(妊娠終了時)、2)過去の出産回数、3)温泉入浴の状況:妊娠時期(初期12週~15週・中期16週~27週・後期28週~40週)別に日常的な温泉入浴の有無、内湯温泉や自宅外の温泉施設の利用の有無、4)妊娠中のトラブルの有無:流産(妊娠12週未満の早期流産は除外)、早産、切迫早産、妊娠中毒症・妊娠高血圧症(浮腫、高血圧)、里帰り出産の有無
本件連絡先
一般社団法人日本温泉気候物理医学会
事務局 中村
〒104-0061 東京都中央区銀座8-17-5
アイオス銀座705
Tel:03-3541-0757 Fax:03-3541-0758
Email: info@onki.jp http://www.onki.jp/
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