【単独摂取よりも併用で摂取することがポイント】大豆イソフラボンとラクトビオン酸の摂取で肌機能改善を確認
PR TIMES / 2022年6月7日 10時45分
~第76回日本栄養・食糧学会大会にて発表~
フジッコ株式会社(本社:神戸市中央区/代表取締役社長執行役員:福井正一)は、株式会社ダイセル(本社:大阪市北区/代表取締役社長:小河義美、以下ダイセル社)との共同研究により、当社が開発した健康食品素材である大豆イソフラボンとダイセル社が開発した健康食品素材であるラクトビオン酸を合わせて摂取することで、肌の機能(角層水分量、経皮水分蒸散量、皮膚粘弾性)が改善されることを明らかにしました。なお、今回の研究成果は、2022年6月10日~12日に開催される「第76回日本栄養・食糧学会大会」(一般演題3N-11p)で発表いたします。
■研究の背景と目的
大豆イソフラボンは、女性ホルモン様作用のある健康食品素材として注目され、更年期女性の骨代謝の改善、女性ホルモンの影響による体調の変化や肌の改善に役立つことが報告されています。一方、乳糖が酢酸菌発酵された二糖であるラクトビオン酸は、大豆イソフラボンから、より強い女性ホルモン様作用を示すエクオールの産生を促進することが知られています。そこで、ラクトビオン酸と併用することにより、大豆イソフラボンを単独で摂取するよりも肌の改善効果がみられるかどうかを検証しました。
■研究の内容と結果
健康な女性33名による予備試験と、肌乾燥が気になる女性70名による本試験を実施しました。予備試験において、大豆イソフラボン単独摂取よりも大豆イソフラボンとラクトビオン酸の併用摂取により、大豆イソフラボンの吸収性や肌の角層水分量の改善が確認できました。そこで、本試験では機能性表示食品の受理を目指し、プラセボ群と併用群の2群において、二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験を行いました。その結果、大豆イソフラボンとラクトビオン酸の併用摂取によりイソフラボンの吸収が促進され肌機能(角層水分量、経皮水分蒸散量、皮膚粘弾性)を改善することが示されました。
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■今後の研究開発について
本研究の成果は、「薬理と治療(2022年50巻5号817-833)」に掲載されました。今後は、本研究結果を用いて機能性表示食品の受理を目指し、ダイセル社と協力して健康食品素材の拡販に努めます。
■第76回日本栄養・食糧学会大会 概要( https://www2.aeplan.co.jp/jsnfs2022/ )
<開催日時>2022年6月10日(金)~6月12日(日)
<会場>神戸ポートピアホテル(6月10日)、武庫川女子大学(6月11日、12日)
<発表演題名>健康な成人女性の角層水分量及び皮膚粘弾性に対する大豆イソフラボン・ラクトビオ
ン酸含有食品の改善効果
<発表者>〇本間 香(1)、卯川 裕一(2)、大江 健一(3)、丸尾 俊也(1)、赤木 良太(1)、鈴木 利雄(1)
(1)フジッコ株式会社 イノベーションセンター
(2)株式会社ダイセル ヘルスケアSBU事業推進室
(3)株式会社ダイセル ヘルスケアSBU事業推進室 研究開発グループ
<発表要旨>
【目的】大豆イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)と類似の化学構造をもつことから弱いエストロゲン様活性を示し、女性の健康や美容に寄与することが知られている。さらに大豆イソフラボンは腸内細菌(エクオール産生菌)の働きでエクオールに変換され、大豆イソフラボンよりも強い女性ホルモン様作用を現すことが報告されている。そこで、エクオールを産生する力を増大するラクトビオン酸を併せて摂取させることとした。本研究では肌の乾燥を自覚する健常な成人女性を対象に、イソフラボン・ラクトビオン酸含有食品を12 週間連続摂取させた際の肌の健康(保湿、弾力を含む肌機能)に及ぼす影響をプラセボを対照として比較検討した。
【方法】1.健康な30歳以上の女性33名を対象に、プラセボ(PL)食品、大豆イソフラボン25mg含有食品(IS)、大豆イソフラボン25mg・ラクトビオン酸250mg含有食品(IL)を12週間摂取させた。角層水分量、経皮水分蒸散量、尿中イソフラボン濃度及び尿中エクオール濃度を測定した。2. 健康な30歳以上の女性70名を対象に、PL食品、IL食品を12週間摂取させた。角層水分量、経皮水分蒸散量、皮膚粘弾性、尿中イソフラボン濃度及び尿中エクオール濃度を測定した。
【結果及び考察】1.頬の角層水分量はIL群でPL群に比べて12週で有意に高値を示した。また尿中エクオール濃度はPL群に比べてIS群では高値でありIL群ではIS群よりもさらに高値を示した。2.左頬の角層水分量は4週目でPL群に比べてIL群で有意に低下を抑制した。左脛の経皮水分蒸散量は4週目で有意に低下した。正味の弾性(R5) と総体弾性(R2)、戻り率(R7)、未回復伸張性・退縮能(R1)は8・12週目において群間で有意な改善がみられた。以上より、大豆イソフラボンとラクトビオン酸の併用摂取により、イソフラボンの吸収が促進され肌を改善することが示された。
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