カナダで本物の日本料理を定着させた「ZENジャパングループ」が日本からの就労希望者を歓迎
PR TIMES / 2023年4月7日 11時45分
カナダの有名日本料理店が日本人の就労希望者を歓迎
日本料理人として海外で働こうとする人が増えている。その理由は、海外で日本料理の需要が増えていくこと。それにも関わらず本格的な日本料理店が少ないこと。このような背景から、海外では技術を持った日本料理人が求められ日本で働く以上に高い報酬が得られるからだ。そして、競争が激しい日本の飲食業界と比べると、海外では成功する可能性が高いと言える。
このようなキャリアを自ら実践し、そしていま日本からの日本料理人の受け入れに熱心な飲食業がある。それはカナダの「ZENジャパングループ」。同グループの中心となるレストランは「Zen Japanese Restaurant」。この代表を務める創業者、柏原清一氏から日本料理人を受け入れることについての考え方を紹介しよう。
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カナダにおけるすしの発展・成熟を体得
柏原氏は1958年8月東京生まれ、神奈川県逗子市で育つ。横浜の調理師専門学校を卒業後、すし職人として修業を積む。海外駐在員だった父の影響で海外に憧れ、1983年25歳のときにカナダに渡った。
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カナダ一の都市トロントでいくつかの日本料理店を経験し、2000年スカバロー地区で「Zen Japanese Restaurant」を前オーナーから引き継ぎ独立開業した。2013年に日本料理人としての実績を積んでいた佐藤健志氏が「Zen Japanese Restaurant」に入り総料理長に就任(後述)、同店は高級日本料理店の風格を身に付けた。
その後、トロントに中国人の富裕層が移住するようになり、2015年この居住者が多い郊外住宅街マーカス市に移転した。同店ではこれらが常連客となり盛況となった。店舗は90席で客単価は日本円で2万3000円。
2022年にカナダで初めて発表されたトロント版『ミシュランガイド2022』で一つ星を獲得した店の中に、高校生のときからすし職人を志して「Zen Japanese Restaurant」で修業した人物の店「匠心」も紹介されている。このようにカナダ国内において「ZENジャパングループ」はすし職人にとっての登竜門となっている。
また、柏原氏はトロントに本格的なうどん店を紹介しようと日本国産の小麦粉と天然出汁の讃岐うどんの研究を進め、2019年に「Zen Japanese Restaurant」の発祥の地であるスカバロー地区に「Zen Sanuki Udon」を出店した(60坪、客単価3500円)。
「Zen Japanese Restaurant」「Zen Sanuki Udon」、そして元総料理長、佐藤氏が独立開業した「割烹佐藤」(後述)を含めて3店舗で「ZENジャパングループ」を形成している。「ZENジャパングループ」の店舗には「Zen Japanese Restaurant」が培ってきた運営ノウハウを提供したり、資金援助も行う。トロントで「ZEN」のブランドは良く知られるようになり、これを店舗の告知に活用することによって顧客から絶大な信頼を獲得することができる。「ZENジャパングループ」への加盟期間は10年が上限で、それを過ぎると完全なる独立店となる。
ワークビザ、永住権獲得を支援
「ZENジャパングループ」では日本からの就労希望者を歓迎している。これは国籍が異なると考え方も異なり高級日本料理店として束ねていくことが困難になるからだ。
また、柏原氏は「高度な調理技術がなくても大丈夫」という。その理由は、日本とカナダでは嗜好が異なるからだ。同店の常顧客である中国人の場合は、すしタネでは、ウニ、トロ、ハマチ、サーモンといった味がはっきりとした魚を好む傾向がある。そこで、日本料理の調理技術で実績を持った人も、同店で現地の顧客の嗜好に合わせた調理を体得してもらう。
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カナダではワーキングホリデー(ワーホリ)があることから、日本人でワーホリを利用して同店で就労した人がワーホリ期間終了後に同店での就労を希望した場合、同店ではワークビザを取得するための保証人になる。また、永住権を希望する場合はそれを取得するための支援を行う。日本からカナダにやってきてワークビザを取得する場合は日本での調理師経験が必要となる。
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■「 ZENジャパングループ」でキャリアを磨く料理人たち(一部)
・佐藤健志氏:「なだ万」「うかい亭」などで日本料理人の経験を積んだ後、2011年カナダで公邸料理人となる。このとき柏原氏と出会い、柏原氏の「フュージョンではない純粋な日本食、すし会席をやりたい」というビジョンに共感、2013年「Zen Japanese Restaurant」に入る。同点が現在日本料理のコースで定評を得ているのは佐藤氏の功績が大だ。2022年に独立し「割烹佐藤」をトロントに開業。客単価3万円。
・卞(べん)麻琴氏:2017年にワーキングホリデーによってカナダで就労。ワークビザで居酒屋やカナダ系のフュージョン日本食レストランなどで4年間働いた後「Zen Japanese Restaurant」に入る。使用している食材が高級で、料理の一つ一つが繊細で高いレベルにあることに感銘を受け、誇りとしている。女性に対して丁寧な環境にあり「女性が働きやすい職場」の中で自身の技術向上に努めている。
・関雅志氏:「つきじ植むら」「うかい亭」などで働くなど日本料理人として10年以上のキャリアを積む。2018年「Zen Japanese Restaurant」で働くためにカナダに移住。同社のサポートによってワークビザを得て永住権も取得。現在キッチン部門の責任者を務めていて、同社がグループという体制で事業を拡大していくことで、自分に求められる役割が大きくなっていくことを認識して業務に励んでいる。
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■「ZENジャパングループ」の待遇(飲食業界の一般事例も含めて)*日本円換算
・一般社員で400万円+チップ
・料理人で5年以上の経験者は650万円+チップ
・店長は750万円+チップ
*ベテランウエイトレスとなるとチップは高くなる(ただし基本給は低い)
■カナダの基礎知識(トロント、カナダの生活情報サイト『TORJA』より)
(1)女性が働きやすい街、世界第1位
『Bloomberg』の2021年調査で、トロントが「世界で一番女性が働きやすい街」と認定された。世界の15都市(シドニー、シンガポール、パリ、ロンドン、ニューヨーク、ソウル、東京など)を安全、産休制度、収入、平等、通勤のしやすさを重視して比べたところ、トロントは平等さ、産休制度、収入の高さで高いポイントを得たが、通勤のしやすさでは低かった。ほかの都市と比べると公共交通機関が老朽化して、乗り換えの利便性に課題があるとされた。
カナダで平等さや産休制度が重視されているのは移民の受け入れに理由があるという。20代から50代の働き盛りの女性の移民が年々増えてきており、カナダでは移民女性に手厚いサポートをする制度に力を入れている。
(2)安全な都市、世界第2位
経済誌『The Economist』の「Safe Cities Index 2021」でトロントが世界2番目に安全な場所だとランキングされた。この調査では身の回りの安全だけではなく、デジタル・セキュリティ(オンライン環境においての安全性)、ビルなど建造物の安全性、市民の健康、自然災害などからの安全性も分析されている。1位のコペンハーゲンとのポイントの差はわずかに0.2%。
――ちなみに、柏原氏はカナダの日本レストラン協会(JRAC/*注)のプレジデントを務めている。柏原氏からのメッセージは次の通り。
「私は日本食に携わる者の使命として、日本人が日本の食文化・和食のモデルをつくっていかなければならないと思っています。海外で日本食を広めてこられた先人・先輩たちに心から感謝を申し上げ、日本のために貢献したいと切に願っております。ZENジャパングループはカナダにおける日本食振興の・普及のパイオニアであることを目指しています。カナダで働きたいと思っている日本の方々には私たちの目標と夢が一緒である同志を求めています」
カナダで本物の日本料理を定着させた開拓者の真摯な感慨である。
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*注:カナダの日本レストラン協会(JRAC)とは、トロントにある日本食レストランや日本酒エージェントが中心となって組織された団体で2004年に設立された。カナダにおいて和食や日本食材、日本酒などの魅力を発信して販売振興を目的としている。
■問い合わせ先:zengroup.recruit@gmail.com 担当:塩原
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