芥川(間所)紗織生誕100年記念「Museum to Museums 軌跡を回顧する旅へ」プロジェクト進行中!
PR TIMES / 2024年6月5日 10時15分
「ろうけつ染め」など常に新しいテーマや手法を模索し、42年の生涯を駆け抜けた前衛女性 画家芥川(間所)紗織を知っていますか?
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芥川(間所)紗織アーカイブ実行委員会は、芥川(間所)紗織の作品とその生き様を風化させることなく後世に残し、1 人の画家としての芥川(間所)紗織を日本の現代美術史の1 ページに明確に位置づけることを目的として2022 年に設立され活動してまいりました。その活動の一環として芥川(間所)紗織が生誕100 年を迎える2024 年に、美術館に所蔵されている紗織作品を各美術館主催の展覧会の中で展示していただくというプロジェクトMuseum to Museums を企画いたしました。
このプロジェクトは全国10 ヶ所の美術館のご協力のもとに実現したものであり、「軌跡を回顧する旅へ」という副題にもあるように、1 つの美術館だけではなく、紗織の作品を所蔵する他の美術館へも足を運んでいただきながら、芥川(間所)紗織という人物そのものにも興味や関心を持っていただける機会を創出することを趣旨としています。プロジェクト名のMuseum to Museums には、美術館の展覧会をめぐり歩くことによって、より多くの作品に触れていただきたいという思いが込められています。
■プロジェクトMuseum to Museumsとは
・全国10 カ所の美術館のご協力により、各館の展覧会のなかで、期間限定で芥川(間所)紗織の作品を鑑賞できるプロジェクトです。
・各館での展示作品を通じて、当時は少なかった女性画家、芥川(間所)紗織の生き様を俯瞰して捉えることができるプロジェクトです。
・生誕100 年という節目の年に、日本の現代美術史の中における芥川(間所)紗織の位置付けを捉え直すことができるプロジェクトです。
・ひとりの画家の作品を複数の場所を通してみたときに見えてくる紗織の独自性や時代性に気づくことができるプロジェクトです。
※なお、プロジェクトMuseum to Museums は、各美術館が主催する展覧会等をご紹介し、 関連情報をご案内させていただくものであり、芥川(間所)紗織アーカイブ実行委員会が展覧会等を主催・企画するものではありません。
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芥川(間所)紗織ポートレート
【芥川(間所)紗織について】芥川(間所)紗織(1924~1966)は、愛知県に生まれ、東京音楽学校(現・東京藝術大学)を卒業後、26歳から染色と油彩を学び始め、自画像ともユーモラスな植物の形態とも思われる〈女〉シリーズを発表して注目を集めました。その後、岡本太郎の勧めで、1955年の第40回二科展に出品し、特待賞を受賞しました。この時期に発表した〈神話〉、〈民話〉シリーズは日本文化の源流である古事記などに着想を得て、自由奔放な想像力と独自の解釈によって仕上げられた作品です。
紗織はこのような独創的なスタイルを確立しましたが、34歳で離婚し、渡米した後、2~3色の限られた色彩で有機的なフォルムを組み合わせた抽象画へと移行し、新たな境地を開きました。しかし、帰国してほどなく、惜しくも41歳の若さでこの世を去ります。
常に新しいテーマや手法を模索し新境地を開き続けようとする紗織。見るものに今も新鮮な驚きを与え、鮮やかな色彩美とユーモアへの共感を誘う芥川(間所)紗織の世界にどうぞご期待ください。
【芥川(間所)紗織プロフィール】
1924年 愛知県渥美郡高師村(現・豊橋市)に生まれる(旧姓は山田)
1947年 東京音楽学校(現・東京藝術大学)本科声楽部を卒業
1948年 芥川龍之介の三男、作曲家の芥川也寸志と結婚
1950年 猪熊弦一郎に油絵を、野口道方にろうけつ染めを学ぶ
1954年 第4 回モダンアート協会展に出品し新人賞受賞、女流七人展を安部真知、織田リ
ラ、小串里子、オノサトトモコ、草間彌生、森慧と開催
1955年 岡本太郎の勧めにより、吉仲太造、藤沢典明らと共に二科会に移り、第40回二科展
岡本太郎室に染色作品を出品して特待賞受賞。村松画廊で個展を開催し、神奈川県
立近代美術館の「今日の新人・1955 年展」に出品
1956年 サトウ画廊で行われた第1 回4 人展を池田龍雄、河原温、吉仲太造と開催。難波田
龍起、福島秀子、藤沢典明、建畠覚造、吉仲太造らと共に岡本太郎が主宰する「現
代芸術研究所」のメンバーとなる。第2 回4 人展を池田龍雄、河原温、吉仲太造と
開催し、《神話より》を出品
1957年 村松画廊で第3 回個展を開催し、代表作と言われる《古事記より》を出品。芥川也
寸志と離婚
1958年 アメリカに出発。ロサンゼルス・アートセンタースクールにてグラフィックデザイ
ンを学ぶ
1959年 ロス・カウンティミュージアム公募展に入選
1960年 ニューヨークに到着。第14 回女流画家協会日米交歓展(ニューヨーク・リバーサ
イド美術館)に桂ユキ、村尾隆栄、草間彌生とともに在米出品者として参加(山田
紗織の名で)
1961年 ニューヨーク、アートステューデントリーグのウィル・バーネット教室にて油彩を
学ぶ
1962年 帰国。昭和画廊で第4 回個展を開催し、渡米中の作品を出品
1963年 第17 回女流画家協会展に抽象画を出品。建築家・間所幸雄と結婚
1966年 病気により死去(享年42)
【紗織作品の特徴について】
・溶かした蝋で布に絵を描き染色をして、蝋を落とし水洗いをする工程を繰り返し1 枚の多色の作品を作り出す「ろうけつ染め」の技法を駆使し、色彩豊かに表現しています。
・強烈な叫び声を上げているような女性を描いた「女」というタイトルの作品を数多く制作しています。それらの作品は紗織作品の傑出した特徴であり、自画像ともいわれています。
・日本文化の源流である古事記などを愛読し、そこに現れている神話や民話の登場人物を独自の解釈で仕上げた作品は、いつまでも色褪せることなく、そのパワフルなエネルギーは観る者を圧倒します。
・豊かな意欲にあふれ、常に新しいテーマや手法を模索して、渡米後に無機的な抽象画を描くことで作品が一変していることは、画家として新境地を開き続けようとする芥川(間所)紗織の生き様そのものです。
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