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令和6年能登半島地震の復興に向けた能登の里山里海観光資源の被害状況データを一般公開へ

PR TIMES / 2024年8月2日 15時15分



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/146663/1/146663-1-6cc1e21cc0c5219d684fb93b7b814ca0-1445x804.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 金沢大学融合研究域融合科学系/先端観光科学研究所の川澄厚志准教授は,丸谷耕太准教授,森崎裕磨助教,菊地直樹教授,佐無田光教授,早稲田大学の古山周太郎准教授,東洋大学の藪長千乃教授,北海学園大学の宮島良明教授らの共同研究グループとともに,令和6年能登半島地震による能登地域の観光資源の被害状況調査を行い,その調査結果に基づき作成した写真付き被害状況マップを8月2日(金)に金沢大学先端観光科学研究所のホームページで一般公開しました。

 石川県能登地方の豊かな自然,美しい風景,歴史的・文化的な観光資源においても,令和6年能登半島地震によって甚大な被害に見舞われました。
 本共同研究グループは,令和6年2月9日から5か月にわたり,珠洲市・輪島市・能登町・穴水町・七尾市・志賀町にて計17回の現地調査を実施し,計218か所の能登の観光資源の被害状況を把握しました。その結果,能登の観光資源の被害は,その約7割で認められた一方で,全壊や半壊の被害を受けているにもかかわらず,人流データが増加している観光資源があることも分かりました。
 これらの調査によって得られたデータの公開は,能登の観光復興ビジョンを考える上での有用な情報提供となることが期待されます。
 本研究グループは今後,得られた被害状況データに人流データを掛け合わせることで,観光資源ごとの人流の増減の把握や震災前後の観光入込客数の把握を進めるなど,いち早い復旧・復興に向けた研究活動を継続して行う予定です。

【公開先】URL :https://tabi-sciences.w3.kanazawa-u.ac.jp/2024/08/02/noto_damage_inv/
 ※本データは誰でも使用することができますが,より詳しい被害状況のデータを利活用したい方は,
  以下の問い合わせフォームによりご連絡下さい。
  【問い合わせフォーム】https://ws.formzu.net/fgen/S439777987/




【調査の背景と目的】
 能登地方は,自然の豊かさと人々の生活が調和した独自の文化景観が広がり,平成23年6月に世界農業遺産「能登の里山里海」に認定されています。里山と里海が織り成す調和のとれた景観,伝統的な農業と漁業,祭りや行事,美しい自然景観,そして豊かな食文化は,能登地方を訪れる観光客に多彩な魅力を提供しています。
 しかし,令和6年能登半島地震は,能登地方の観光資源にも大きな被害をもたらしました。地震により,多くの観光資源が物理的な損傷を受けたほか,地震の影響で道路や橋などのインフラが大きく損壊し,観光資源へのアクセスが困難になりました。
 そこで金沢大学先端観光科学研究所は,能登の観光資源の被害状況と人流データとの掛け合わせによる文理融合の観点から,能登の観光復興に向けての取り組みを考えました。まず,令和6年能登半島地震による能登の観光資源の被害状況を明らかにすること,そして能登の観光復興に向けて調査結果を一般公開し,能登の観光復興ビジョンの策定に寄与することを目的とした現地調査を行いました。


【調査内容】
 本調査は,令和6年2月9日から5か月にわたり,珠洲市・輪島市・能登町・穴水町・七尾市・志賀町の3市3町を対象に行いました。
 特に本調査の対象とする観光資源は,各自治体等の公式ホームページおよび観光パンフレットに記載されている資源や石川県指定の文化財としました。加えて,酒蔵も調査対象として選定しました。酒造りの技術は,日本四大杜氏である「能登杜氏」に代表されるように,能登の伝統文化の中でも重要であり,また酒蔵は,酒蔵ツーリズムに代表されるように,産業ツーリズムの観点でも重要な観光資源だからです。
 本調査を行うにあたり,まずこれら218件の観光資源を「自然系資源」,「人文系資源(歴史的資源/近代・現代的資源/その他)」,「複合資源」の5つに分類を行いました。次に,目視による被害評価に加え,施設の外観・内観の被害状況,物品の散乱状況,アクセス状況(道路,駐車場,看板の被害状況)について調査を行いました。

【調査結果の概要】
 能登の観光資源全体の約7割が,損壊など地震による被害を受けていることが判明しました。さらに,被害状況を地理情報システム(GIS)により地図上に可視化することで,観光資源ごとの被害程度が明確に示されました。 
 今回の調査結果より,71.1%の観光資源に何らかの被害があることが分かりましたが,観光資源の被害状況と人流データを掛け合わせて分析したところ,「半壊」と「全壊」が認められる観光資源であっても,地震後に人流が増加している観光資源があることが分かりました。このことは興味深い変化であると考えています。
 これらの調査によって得られたデータは,能登の観光復興ビジョンを考える上での有用な情報提供となることが期待されます。そこで,これら調査個所のリストと写真付き被害状況マップ(図4)を,金沢大学先端観光科学研究所のホームページ上で一般公開しました。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/146663/1/146663-1-8574aa6a72571540774080b9d56378ce-1283x738.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
観光資源被害状況マップ



【今後の展開】
 本研究グループは今後,得られた被害状況データに人流データを掛け合わせることで,観光資源ごとの需要人流の増減の把握や震災前後の観光入込客数の把握を進める予定です。さらにこれらの知見を集積し,今後の震災に活用できるように学術論文としてまとめる予定です。
 本調査結果の一般公開は,我々研究者と市民やボランティアとが一緒になり,被害状況と復興過程の経年観察を行うことを可能にし,復興ツーリズムの企画の検討にも貢献が期待されます。


【調査メンバー】
川澄厚志,丸谷耕太,森崎裕磨,佐無田光(以上,金沢大学融合科学研究域/先端観光科学研究所),菊地直樹(金沢大学先端観光科学研究所),古山周太郎(早稲田大学),藪長千乃(東洋大学),宮島良明(北海学園大学),中谷陽(金沢大学人間社会学域地域創造学類4年),菊地由太郎,栗原共喜,松山怜乃,古田汐音,中田貴水(以上,金沢大学融合学域先導学類4年)



■金沢大学先端観光科学研究所
 金沢大学に設置されている研究所の1つであり、2023年4月に創設されました。文理医融合の学際的アプローチによって、観光に関わる行動、サービス、政策・制度を科学的に解析し、観光による未来変革を研究することによって、観光の促進と地域の発展に寄与することを目的としています。
 WEB SITE: https://tabi-sciences.w3.kanazawa-u.ac.jp/


■広報担当
金沢大学融合系事務部総務課企画総務係 高島 
E-mail:yugosomu@adm.kanazawa-u.ac.jp

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