再発低悪性度漿液性卵巣がんに対するavutometinibとdefactinibの併用第II相臨床試験RAMP201Jにおいて、特定非営利活動法人婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)で最初の患者を投与
PR TIMES / 2024年11月6日 13時45分
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本臨床試験は、日本人の再発低悪性度漿液性卵巣がん患者を対象とし、本併用療法の安全性と有効性を評価するものである。
低悪性度漿液性卵巣がんは希少な卵巣がんで、日本では年間300人以上の患者が診断されているが、現在承認されている治療法はない。
特定非営利法人である婦人科悪性腫瘍研究機構(Japanese Gynecologic Oncology Group:JGOG)は10月30日に再発低悪性度漿液性卵巣がん(LGSOC)患者を対象に、経口RAF/MEKクランプ薬であるavutometinibと経口選択的FAK阻害薬であるdefactinibを併用する第II相臨床試験(RAMP201J)において、最初の患者への投与が完了したと発表した。
「日本では、再発低悪性度漿液性卵巣がん(LGSOC)患者に有効な治療選択肢を提供することが大きな課題となっています。LGSOCは依然として承認された治療法がない希少な卵巣がんです。国際婦人科がん学会年次総会で発表された第II相RAMP 201試験のデータに興奮しており、日本人の再発LGSOC患者を対象にこの併用療法を試験することに大きな期待を抱いています。」と、JGOGの理事長で東京慈恵会医科大学産婦人科学講座主任教授の岡本愛光氏(医学博士)は述べている。
RAMP201J は、日本人の再発 LGSOC 患者を対象とし、avutometinibとdefactinibの併用療法の安全性と有効性を評価する非盲検第II相試験である(jRCT2021240021)。JGOG卵巣がん委員会委員長で東北大学病院(宮城県仙台市)婦人科の島田宗昭教授(医学博士)は、東京慈恵会医科大学附属病院、三重大学医学部附属病院、東北大学病院、久留米大学病院、愛知県がんセンターの国内5施設で実施される本試験のデザイン開発に携わった。
「再発低悪性度漿液性卵巣がん患者を対象に、avutometinibとdefactinibの併用療法を評価するRAMP201J試験を日本で開始するために、JGOGが迅速に動いたことを称賛します。RAMP201J試験の結果は、現在進行中の国際共同第III相試験であるRAMP301試験に日本の臨床試験施設を組み入れる可能性を評価する一助となり、再発低悪性度漿液性卵巣癌に特化した治療法を見つけられずに苦しんでいる日本の患者さんに対してこの新しい治療選択肢の可能性を提供することに近づきます」と、Verastem Oncology社の最高医学責任者であるJohn Hayslip氏は述べている。
RAMP201J試験は、avutometinibとdefactinibの併用療法を開発中のバイオ医薬品企業であるVerastem Oncology社がスポンサーとなっている。RAMP201(ENGOTov60/GOG3052)試験は、再発低悪性度漿液性卵巣がん患者を対象とし、avutometinib単剤およびdefactinibとの併用療法の有効性と安全性を評価する、Verastem社主催の国際多施設共同並行群間ランダム化オープンラベルの2パートよりなるアダプティブ試験である(Clinicaltrials.gov NCT04625270)。本試験は日本では実施されなかった。
低悪性度漿液性卵巣がん(LGSOC)について
低悪性度漿液性卵巣がん(LGSOC)はまれな卵巣がんで、症状が弛緩せず持続し、進行あるいは再発症例においては最終的には致命的となり得る。LGSOCは高悪性度漿液性卵巣がん(HGSOC)と異なる治療を必要とする。LGSOCは高悪性度漿液性卵巣癌と比較して再発性が高く、化学療法に対する感受性が低い。LGSOCは若い女性に発症し、診断のピークは20~30歳と50~60歳の二峰性で、生存期間の中央値は約10年である。日本では年間約300-350人の患者が診断されている。この疾患に対する現在の標準治療はホルモン療法と化学療法であるが、日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)により承認されたLGSOC治療薬はない。
JGOGについて
特定非営利法人婦人科悪性腫瘍研究機構(Japanese Gynecologic Oncology Group:JGOG)は、全国の主要大学やがん拠点病院と連携し、婦人科悪性腫瘍患者に対する最新かつ最適な診断・治療法の確立を目指す臨床研究グループである。
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