脳梗塞慢性期に対する再生医療等製品HUNS001の第I/IIa相治験「RAINBOW2a研究」を開始
PR TIMES / 2024年12月1日 16時15分
自家幹細胞の優位性を生かし、脳梗塞慢性期の治療に新たな可能性を生み出す
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株式会社RAINBOW 本社北海道札幌市
当社は、再生医療等製品HUNS001の脳梗塞慢性期の患者さんを対象とした医師主導治験※1を、2024年12月1日より開始しました。本治験は北海道大学病院脳神経外科(藤村幹教授)の研究グループによって実施されます。
今回の治験では、慢性期 (脳梗塞発症から6ヶ月~5年経過) の患者さん本人から自家骨髄間葉系幹細胞※2 を採取し、HUNS001を製造して患者さんの脳内に投与します。2025年春には、北海道大学病院で第1例目の患者さんにHUNS001の投与が予定されており、投与後1年間安全性および有効性について経過観察を行います。また、今後2年間で計8名の患者さんへの投与が予定されています。
北海道大学病院では2017年より脳梗塞急性期患者さんを対象としたHUNS001の第I相医師主導治験を開始し、2021年に終了しました。この治験では、安全性と有効性が示唆される結果を得ることができました。今回の新たな治験では、慢性期の運動機能に障害がある患者さんを対象としています。一般的に現在の医療では脳梗塞発症から6か月以降の慢性期において、機能回復は難しいと考えられています。その結果、慢性期では現状維持さえも困難で、多くの患者さんで障害が進行する状況が見られます。これまで、脳梗塞慢性期患者さんを対象とした再生医療の治験が国内外で行われてきましたが、残念ながら現状では有効性が認められた製品はありません。
当社は、自家幹細胞にこだわることでその高いハードルを乗り越えることを目指しています。他家幹細胞製品(他人の細胞)を移植すると、免疫系がこれを異物と認識し、細胞が排除されるリスクがあります。一方、自家幹細胞を使用することで、こうしたリスクを回避し、長期間にわたり幹細胞を脳内に生着させることが可能となります。神経の再生には数か月~1年以上の時間を要すると考えられており、治療効果を最大化するためには脳内での生着時間を延ばすことが極めて重要です。先行研究では、投与されたHUNS001が患者さんの脳内に5年以上細胞が生着している事を確認しており、この特性が治療の可能性を大きく広げると期待されています。
また、先行して実施された第I相治験では、HUNS001の製造を特殊な技能を有する臨床培養士の有資格者数名が手作業で行っていたため、産業化における課題が残っていました。しかし、本治験からはテルモBCT株式会社製の自動細胞培養装置を導入しHUNS001を製造します (https://www.terumobct.com/ja) 。この自動細胞培養装置の導入により、細胞培養の工程を全自動かつ閉鎖系で行う事が可能となり、感染リスクを大幅に低減できます。また、特殊な技術を持たない人でも細胞を培養が可能となり、細胞培養施設の設計が簡易化され、省スペース化も実現します。この技術により、製造規模を数千人分まで拡大するスケールアウトが可能となり、自家幹細胞の課題であった、製造コストを大幅に削減することが期待されます。
当社はこれからも、「『治らない』を『治る』に 再生医療の力で世界のQOL向上に貢献する」という理念のもと、研究開発を推進してまいります。
【用語説明】
※1医師主導治験
希少疾患に対する新規の医薬品や、外国で承認されていながら国内未承認あるいは適応外使用が一般的となっている医薬品や医療機器などについて、医師自らが実施する臨床試験のことです。これにより、その医薬品や医療機器の薬事承認を取得し、臨床の現場で適切に使えるようにすることが可能となります。
※2 自家骨髄間葉系幹細胞
患者さん自身の骨髄から得られた幹細胞で、損傷を受けた組織に投与すると栄養因子を分泌し修復を促し、神経などへの分化能を持つことが示唆されています。
【お問い合わせ先】
株式会社 RAINBOW (札幌市北区北21条西11丁目北海道大学FMI 1階HX内)
ホームページ: https://rainbowinc.co.jp
担当: 取締役CTO (北海道大学病院脳神経外科講師兼任) 川堀 真人
メール:k-masahito@rainbowinc.co.jp
北海道大学病院脳神経外科
ホームページ: https://neurosurgery-hokudai.jp
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