世界は加速度的に液体冷却時代に突入 ブルー・オーシャンが中国通信キャリア向けに高効率な冷却技術の新基準(規範)を構築
PR TIMES / 2025年1月20日 13時46分
計算力の時代(処理能力で競争の勝敗が決まる時代)と言われる今、高い電力消費の状況が冷却技術の革新を促し、世界は加速度的に液冷の時代に突入しています。世界規模なコンピューティング産業及び通信ネットワークの急速な発展に伴い、ハードウェアのアップグレードが絶え間なく進み、設備の集積度及び単一ラックあたりの消費電力が著しく増加しています。
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの調査によると、日本のデータセンターの平均利用率はすでに飽和状態に近く、2022年末における東京都市圏データセンターの総消費電力は865兆ワットでした。これは、アジア太平洋地域で上海(725兆ワット)、シドニー(667兆ワット)を上回り、シンガポール(876兆ワット)をわずかに下回り、北京(1799兆ワット)の約半分であった。今後3-5年で東京都市圏データセンターの総消費電力は1970兆ワットに達する見込み、北京(予測値2069兆ワット)に迫る勢いです。
東京都市圏はソニー、パナソニック、富士通、NEC、東芝等の主要ICT企業がメイン拠点を置く地域です。急増する計算力のニーズと日々厳しさを増すエネルギー効率指標に対応するため、日本のデータセンター業界はコンパクト且つ効果的な冷却ソリューションの開発を急務としています。そのため、液浸冷却技術は徐々に業界に浸透しています。その結果、アジア太平洋全地域で、急速な発展段階にあるデータセンター業界において、中国、日本及び韓国などの技術革新及び産業高度化への投資は、液体冷却技術に大きな成長機会をもたらし、一部成熟した液体冷却技術の実証例も誕生させました。
12月末、中国で液体冷却ソリューション技術のリーディング・サービスプロバイダー・蘭洋(寧波)科技有限会社(通称は「ブルー・オーシャン」である)は、チャイナ・ユニコムのために液浸冷却技術を使った移動可能で高密度なグリーンデータセンターの設置に成功しました。このデータセンターは中国河北省に置かれ、現在も安定して稼働しています1年。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/156066/1/156066-1-02d397011e21d33b799fae0e91bb0b47-758x499.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 液浸冷却技術を用いた移動式コンテナ型高密度グリーンデータセンター
ブルー・オーシャン本社は中国の浙江省寧波市にあり、中心となる研究開発チームには主要学術雑誌の編集長、省級・国家級研究開発リーダー、科学技術進歩賞受賞者数名が所属(参加)しており、これまでに30名あまりの国内著名な教授、博士課程指導者等が在籍していました。現在、データセンター、家電製品、新エネルギー、エネルギー貯蔵および蓄電池、通信基地局および宇宙航空などの分野において、多くの高効率・省エネな冷却製品および液冷ソリューションを提供しています。 今回、チャイナ・ユニコムの利用シーンに合わせて構築した液浸冷却技術を用いた移動式コンテナ型高密度グリーンデータセンター(以下「液浸冷却式コンテナ型データセンター」)には、柔軟な拡張性、安全性および信頼性を確保することを前提に、材料、構造、熱制御および電子工学の専門エンジニアチームの主導において、ブルー・オーシャンが自社開発した液体冷却材料および液浸冷却システムを採用しました。成熟したシステム設計と配管レイアウトの組み合わせにより、高密度冷却の課題を効果的に解決しました。 このプロジェクトでは、液体冷却材、複雑なシーリング構造設計、システム統合およびモジュール設計における数々の問題と困難を克服し、全体の冷却効率、システムの信頼性及び拡張性を確保しました。また、高効率な冷却ソリューションおよびコンパクトな応用環境への緊急ニーズに応えるため、液体冷却の実証モデルを提供しました。
主な革新点と利点:
(1)安定した動作を見せるBOシリーズ液冷作動流体に液浸したサーバー
安全かつ信頼性に優れる液冷(作動)流体の開発において、このプロジェクトではブルー・オーシャンが自社開発したBOシリーズ液冷流体を採用しています。高い伝熱性能及び8-10年の使用寿命があるため、冷却システムの長期安定性は保証されます。また、様々な応用シーンにおいても優れた液冷流体として提供できます。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/156066/1/156066-1-ec7b994ae23f2ac7df8d56892f9aa4c6-801x530.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2 BOシリーズ液冷作動流体に浸かった状態で安定動作しているサーバー
(2)数多くのコア部品及び革新的な設計
本ソリューションの全体設計においては、重要なコア部品と革新的な設計が多数含まれています。これらのコア部品及び産業高度化に繋がる革新的な設計能力は、今後数年間における計算力産業及び高効率液冷データセンターの発展に重要な推進力となるでしょう。
(3)自社開発技術による正確且つ高効率な冷却
ブルー・オーシャンが自社設計開発及び生産した液浸キャビネットは、信頼性の高い熱交換性能と革新的なシーリング構造を備え、90%以上のサーバーに対応可能です。また、先進的なCDU設計案も特筆すべき点で、自社設計のCDUには予備動力ポンプを備わり、正確な制御と数多くの冷却ノードの配置が可能となります。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/156066/1/156066-1-bd3840ff1c87bb10d3a48fa4b0156900-616x462.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図3 液浸冷却技術を用いた移動式高密度グリーンデータセンターの据え付け
(4)高いシステム統合密度及びモジュール化配置
本ソリューションでは、一体設計によるコンテナ型モジュール化配置を採用し、設置工程を大幅に短縮でき、8-10日という迅速な設置を実現しました。また、優れた拡張性と柔軟性を備え、実際のニーズに応じて屋外に設置でき、迅速な拡張、容易な設置が可能にしたと同時に高い柔軟性も提供しています。この液冷技術によりデバイスの配置密度も向上でき、データセンター内部のサーバー配置数を増加させることで、データセンター全体の計算能力が向上し、リソースの利用率及び経済効果の向上が期待できます。
(5)エネルギー消費とコストの低減、経済効果の向上
エネルギー効率向上の面において、本液浸冷却システムの採用によって、データセンターの電力消費率は大幅に低減しています。電力消費率を抑えることで、データセンターにおける省エネはもちろん、温室効果ガス排出量も大幅に改善されています。チャイナ・ユニコムが河北省に配置した液浸冷却式コンテナ型データセンターを例にとると、トータル熱交換システム設計によって、毎年2か月以上の期間は外部気温に依存する必要がないため、年間総合エネルギー消費率及び運営コストが大幅に削減されています。
現在、チャイナ・ユニコムの液浸冷却式コンテナ型データセンターは、320Uの高密度容量を40フィートコンテナ内に設置している状態で運用されています。80台のサーバーで最大550 kWの演算消費電力をサポートしています。本日もデータセンターの稼働状態は安定しており、各種データも良好です。252Uのサーバーを設置後30日以内のCPU平均温度はほぼ62±2℃、GPU平均温度はほぼ61±2℃に安定しており、2つのハードウェア間の平均温度差は4℃です。これは設備の安定性と温度制御の有効性を示しています。このプロジェクトではブルー・オーシャンの液浸式冷却技術を採用しており、年間を通じてエネルギー使用効率指標PUEは1.1で、pPUEの最小値は1.03を実現し、年間600万kWhの節電を達成しました。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/156066/1/156066-1-68b6a176aee5ae86cb9503a098e6dd15-790x526.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図4 液浸冷却技術を用いた移動式高密度グリーンデータセンターの内部
世界への影響
この液浸式冷却技術を用いた液浸冷却式コンテナ型データセンターの成功は、日本を含む世界中の通信キャリアにとって、新たな参考となるフレームワークやモデルを提供しています。ブルー・オーシャンは日本の液冷式エネルギー貯蔵産業への参入準備を進めており、高集積・高エネルギー効率に対する日本のソリューション需要に応えるため、カスタマイズされた液冷式エネルギー貯蔵技術の開発及び最適化は、同社の国際化戦略において重要な一歩となるでしょう。
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