幹細胞研究の成果を発表! ~美容や再生医療への貢献を目指す~
PR TIMES / 2012年6月8日 15時20分
日本メナード化粧品(愛知県名古屋市中区丸の内3-18-15、社長:野々川純一)は、2003年から、化粧品業界で逸早く皮膚の「幹細胞」の研究を開始しました。
藤田保健衛生大学医学部(愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98)の皮膚科学講座(教授:松永佳世子)、応用細胞再生医学講座(教授:赤松浩彦)などと共同で研究を重ねています。学会発表を毎年行っており、今回の発表を含めると、その件数は50件を超えるまでになっています。
皮膚の幹細胞は、皮膚の再生を担う重要な細胞であり、現在、再生医療などの確立に向けた研究が勢力的に行われています。これまでに、皮膚の表皮や真皮の幹細胞が加齢とともに減少することが皮膚の老化につながっていることや、メラニンを生成するメラノサイト(色素細胞)の幹細胞に関する研究から、シミの発生メカニズムを解明してきました。
そして今回は、6月にパシフィコ横浜にて開催される、国際幹細胞学会*1第10回年次大会及び、第11回日本再生医療学会*2にて幹細胞の研究成果を発表します。
6月13~16日に開催される国際幹細胞学会 第10回年次大会では、皮膚のメラノサイトの幹細胞である色素幹細胞の研究成果を2題発表します。この研究は、シミ発生の根本原因の解明や、メラニンが関わる疾患治療につながります。
6月12~14日に開催される第11回日本再生医療学会総会では、皮膚の難病である強皮症に関する幹細胞研究などを2題発表します。強皮症は治療が極めて困難で、国から特定疾患に指定されており、原因の解明が急務となっている疾患です。今後も、原因解明に向けて研究を進めていきます。
幹細胞研究は、美容や健康にとって重要な研究と考えています。今後も、化粧品や健康食品の開発のみならず、再生医療への応用も視野に入れた研究を進め、社会貢献につなげていきます。
*1 国際幹細胞学会(ISSCR : International Society for Stem Cell Research)
「国際幹細胞学会」は、世界で行なわれている幹細胞研究についての情報交換の促進を促す目的で、2002年に開設された世界で最大規模の幹細胞研究に関する国際学会。年に一度、世界の幹細胞研究者が集まり総会が行われ、最新の研究成果に関する報告と活発な意見交換が行われる。今回初めて日本で開催されることから、日本再生医療学会総会と同じ会場で同時期開催されることになった。国内外の3,000名近い幹細胞研究者が集まり、最先端の幹細胞および再生医療分野の研究成果について1,500題以上の発表が行われる。
*2 日本再生医療学会(JSRM : The Japanese Society for Regenerative Medicine)
「日本再生医療学会」は、2001年に日本における再生医療の進歩、発展及び育成を図るとともに、人類の健康増進と福祉の向上に寄与することを目的に発足された、再生医療の研究分野における国内最大の学会。年に一度、国内において総会が開催され、最先端の幹細胞および再生医療分野の研究成果について発表が行われる。
<参考資料:学会発表の概要>
【国際幹細胞学会 第10回年次大会】
1.Wnt/beta-catenin signaling regulates melanocyte stem cell
differentiation to epidermal melanocyte
(Wnt/β-カテニンシグナルは色素幹細胞から表皮メラノサイトへの分化を制御する)
■色素幹細胞からメラノサイトに分化する過程に着目した研究
色素幹細胞が、メラニンを生成する細胞であるメラノサイトに分化する過程について研究し、それに関わる因子を特定した。
2.Application of stem cell-based screening technology to cosmetic
development
(幹細胞を用いたスクリーニング技術の開発と美容への応用)
■色素幹細胞からメラノサイトに分化する過程に着目した研究
メラノサイトのメラニン生成能力が、紫外線の影響により、分化の過程で高まることを発見し、それを独自開発の「アラリア海藻エキス」が抑制することを見出した。
☆これらの研究により、シミ発生の根本原因の解明や、メラニンが原因の疾患の治療に役立つと考えています。
<第11回日本再生医療学会総会 >
1.ペプチド及びアミノ酸による幹細胞の分化制御とその応用性について
■幹細胞に対するアミノ酸の働きの研究
食物などから摂取するアミノ酸が幹細胞に対してどのような作用を示すのかを検討し、 アミノ酸の組み合わせによって、幹細胞の維持や分化が変化することが示唆された。
☆食物が幹細胞の分化に与える影響や必要なアミノ酸を解明することにより、健康増進につながっていくと考えています。
2.ブレオマイシンによる皮膚線維化と脂肪分化抑制メカニズムの解明
■強皮症における線維化のメカニズムの解明
皮膚の難病である強皮症において、なぜ線維化が進行するのかを解明するために、真皮と皮下脂肪で起こっている線維化のメカニズムについて検討した。TGF-β1が、皮下脂肪幹細胞の分化を抑制し、さらに真皮と皮下脂肪の線維化を促進することがわかった。
☆強皮症の原因は明らかになっておらず、根本的な治療ができません。メカニズムの解明が必要なため、この研究がメカニズム解明に役立つと考えています。
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