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南海トラフ大地震などに備えAI・画像解析で歯科所見から身元確認を迅速化

PR TIMES / 2019年9月20日 4時40分

~ 身元確認手法のイノベーションによる未曽有災害への対策 ~

徳島大学病院口腔管理センターの高野栄之副センター長と徳島大学工学部知能情報工学科の寺田賢治教授、徳島大学大学院医歯薬学研究部・口腔内科学分野(主任教授:東 雅之)桃田幸弘講師らの研究グループは、メディホーム株式会社(代表取締役:菅藤達也)と共同で2019年9月19日より、南海トラフ大地震などの大規模災害に備え、口腔内画像解析とエックス線診断AIを用いた身元確認の迅速化に関する研究を行うこととなりました。医療機器認定を取得した上で、2023年の実用化を目指します。



【本研究の背景】
2011年の東日本大震災は、死者15,897人、行方不明者2,533人と、非常に甚大な被害をもたらしました。犠牲者の約10 %の方の身元は歯科所見から特定できました。この身元確認の中で、生前の歯科所見の詳細な記録と保存の重要性と、発災時の迅速な歯科所見収集の必要性がより明らかになりましたが、現在この照合の大部分は手作業で行われています。早晩、発生が危惧されている南海トラフ大地震では、東日本大震災の約20倍の被害となる可能性があり、現在の方法では十分に対応できない恐れがあります。そこで、生前情報の正確な収集・蓄積と、発災時の迅速な情報収集と分析には大幅なデジタル化が必要と考えられます。

そこで本研究の発起者である「徳島大学病院口腔管理センター」を中心として、高度な画像解析技術を有する「徳島大学工学部知能情報工学科」、歯科・口腔分野における豊富な知見を持つ「徳島大学大学院医歯薬学研究部・口腔内科学分野」、AI、画像解析技術を強みとする「メディホーム株式会社」が共同研究を2019年9月19日より開始することとなりました。
徳島大学病院と阿波あいネットの医療データを活用し、各技術の精度を向上させます。また、医療機器認定を取得し、2023年の実用化を目指します。

【研究の詳細】
災害時における犠牲者の身元確認は、発災初期には顔貌や着衣などによって行われますが、時間が経過し、それが難しくなってくると次には歯科所見による確認が行われます。早期に御遺体をご家族のもとに返すには、この時期の鑑定が非常に重要です。歯科所見による身元確認はデンタルチャートを用いて行われます。ご遺体の口の中の状態を記録してデンタルチャートを作成します。次に近隣の歯科医院からカルテやエックス線(レントゲン)写真を取り寄せ、住民のデンタルチャートを作成します。その2つのデンタルチャートを照合して身元を特定します。

南海トラフ大地震で予想されている犠牲者の数は全国で約32万人、徳島県では約3万人です。第一週目に収容される犠牲者数は約1万2千人と予想されていますが、東日本大震災の際に歯科医師1人あたりが1日に担当できたご遺体は約20人でしたので、1日に200~400人の歯科医師が必要になります。 徳島県の歯科医師は約800名ですが5割以上の歯科医院が被災する可能性があり、身元照合にあたることのできる歯科医師の不足が予想されます。

また、東日本大震災でも起こったことですが、歯科医院が津波で流されたり、火災にあったり、カルテやエックス線写真の収集がうまくすすまない可能性もあります。そこで平時から口の中やエックス線写真の状態を電子化して記録しておく必要があります。本研究はこれらの問題を解決するものです。
[画像1: https://prtimes.jp/i/34901/2/resize/d34901-2-907195-4.png ]


【各機関との連携】
徳島大学工学部知能情報工学科の寺田研究室が得意とする画像解析技術を用いて、口の中の写真や3Dスキャナデータから自動的に歯の本数や虫歯、詰め物、被せ物などの状態を分析してデータ化します。また、メディホーム株式会社が得意とするAI、画像処理技術を用いて診断、エックス線所見をデータ化します。これらのデータをデータベースに保存しておき、南海トラフ大地震などの大規模災害が起きた場合は、迅速に身元照合を行います。

徳島県では県内の主な医療機関や介護施設をネットワークでつなぎ、ご同意いただいた住民の方の診療情報等を互いに参照できるようにした「阿波あいネット」を構築しています。将来的には、これらの医療ネットワークにデータを格納し、大規模災害時の有効活用を目指します。


本研究の取り組みは、英国雑誌Impactにもオンライン掲載されました。
『The development of personal identification method by image analysis technology of dentition』
Hideyuki Takano, Kenji Terada, Yukihiro Momota
Impact, Volume 2019, Number 7, August 2019, pp.64-66(3)
https://www.ingentaconnect.com/content/sil/impact/2019/00002019/00000007/art00023


[画像2: https://prtimes.jp/i/34901/2/resize/d34901-2-302374-5.png ]

◇ メディホームについて
メディホーム株式会社は医療分野における、画像処理を得意とし、医療業界の発展に向け、新しい技術の研究、取り組みを行っています。AI/人工知能を中心とした技術を積極的に活用しこれまでにはなかったサービスを生み出していきます。
■社名 :メディホーム株式会社
■所在 :東京都渋谷区
■事業内容 :医療系IT技術の開発・提供
■Webサイト :https://medihome.jp

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