COVID-19に伴う急性呼吸窮迫症候群に対する臍帯由来間葉系細胞輸注療法の治験届を提出
PR TIMES / 2020年7月20日 19時40分
日本医療研究開発機構(AMED)の「COVID-19に対する治療薬開発」採択プロジェクト
ヒューマンライフコード株式会社(代表取締役社長:原田 雅充、所在地:東京都千代田区、以下「当社」)は、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)に伴う急性呼吸窮迫症候群(以下、ARDS)に対する臍帯由来間葉系細胞輸注療法に関し、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)へ本日、治験計画届書を提出いたしましたので、お知らせいたします。
なお、本治験は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、AMED)が公募した、令和2年度 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進事業「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬開発」に採択されております。
[画像1: https://prtimes.jp/i/61963/2/resize/d61963-2-613179-1.png ]
【背景】
COVID-19で重症となりお亡くなりになった方の多くは、ARDSが原因だと報告されています(※1 ※2)。日本全体の COVID-19 の重症患者は減少傾向(※3)にありますが、第2波が来る可能性は専門家の間で現実的な懸念であり、そのような事態に備える必要があります。このような状況から、COVID-19の重症患者 に対する治療方法の確立は、引き続き日本のみならず世界的にも重要なテーマです。
また、COVID-19の重症患者には、ウィルスによって生じる過剰炎症(サイトカインストーム)を抑えられない症状があることが明らかにされています(※4)。
当社が開発する臍帯由来間葉系細胞輸注療法は、COVID-19の重症患者に対し、抗炎症効果による過剰炎症を抑制することのみならず、組織修復効果による呼吸機能の回復に貢献することを見込んでいます。海外では、重症患者に対する治療法として、臍帯および臍帯血由来の間葉系細胞を用いた治療効果が複数報告されていますが、いずれも治療法として確立するには至っていません。当社は、世界に先駆けて臍帯由来の本治療法を確立すべく、この度、第一段階として主に安全性を確認するための第I相試験を実施することとしました。
※1 Zhou F, et al. Lancet. 2020 Mar 11. pii: S0140-6736(20)30566-3
※2 Wu C , et al. JAMA Intern Med. 2020 Mar 13. doi: 10.1001
※3 日本COVID-19対策ECMOnet(https://crisis.ecmonet.jp/)
※4 日本医師会 COVID-19有識者会議(https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/1968)
[画像2: https://prtimes.jp/i/61963/2/resize/d61963-2-168761-0.jpg ]
【臍帯由来間葉系細胞輸注療法について】
本治験は、COVID-19を原因疾患とする「急性呼吸窮迫症候群」ARDS患者に対する安全性及び有効性を確認するものです。今後は、PMDAによる治験計画届書の14日間の調査が終了したのち、治験実施施設での治験審査委員会による審査および各施設との契約を経て、被験者の募集を開始します。
本治験は公的事業の性質も併せ持つこととなるため、治験の進捗及び結果につきましては、AMEDと連携し、適時開示してまいります。
【当社の取り組み】
当社は、東京大学医科学研究所の長村登紀子准教授の研究に基づく臍帯由来間葉系細胞の製法・品質管理技術及びノウハウの技術移管(疾患分野限定型の独占かつグローバルのライセンス契約)を東京大学より受けています。既に過剰炎症(サイトカインストーム)を病態とする急性移植片対宿主病(GVHD ※5)を対象にした医師主導の第I相試験にて安全性が確認されており、今後は当社主導の試験を予定しております。
※5 移植片対宿主病(GVHD)とは、造血幹細胞移植後にドナー(提供する方)由来のリンパ球がレシピエント(受ける側の患者)の体を自分ではないとみなして攻撃することにより過剰炎症(サイトカインストーム)が起こる移植後の合併症です。主に皮膚や肝臓、消化管が標的として攻撃され、それぞれ皮疹、肝障害による黄疸、下痢・腹痛を引き起こします。
■ヒューマンライフコードについて
ヒューマンライフコード(http://www.humanlifecord.com/)は、再生・修復医療に特化し、健康を維持するために存在する細胞を、炎症が過剰に亢進し組織修復が必要となった患者へ“つなげ”(“コード”)、一人でも多くのヒトの心豊かな生活(“ヒューマンライフ”)を実現すべく、臍帯などの廃棄物を臨床使用へ利活用する研究開発を推進しています。国内外のアカデミア・事業会社との戦略的提携を通じ、高品質かつ国産の再生医療等製品を安定供給できる体制を構築し、再生・修復医療の真の産業化に貢献します。
■代表取締役社長の略歴 原田 雅充(はらた まさみつ)1972年8月29日生
旧通産省工業技術院生命工学工業技術研究所を経て、岐阜大学大学院生物資源利用学(遺伝子工学)を修了し、日本化薬(株)創薬研究本部に入社。アムジェン(株)にて臨床開発業務に従事する傍ら、東京大学医科学研究所分子療法研究分野にて急性白血病に対する新規薬物送達システムの開発研究を担当、米国血液学会などでの口頭発表、米国血液学会誌Bloodの筆頭著者として論文掲載。セルジーン(株)にて血液がん治療薬の自社販売体制を構築し、市場導入の成功に貢献。その後、米国にて小児患者との出会いをきっかけに起業を決意しニューヨークへ、MBA取得。帰国後、シンバイオ製薬(株)執行役員、営業・マーケティング本部長を経て、2017年4月にヒューマンライフコード(株)を設立、グローバルでの業務経験に加え、バイオテックに必要な3要素(研究開発・マーケティング・経営)をすべて経験。愛知県名古屋市出身。趣味はテニス、ボクシング、読書、映画鑑賞、神社巡り。
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