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「雷サージ」から電子機器を守るための共同実験設備が完成。冬季雷多発の石川県に30m超の鉄塔を建設し、落ちた雷からデータ取得や対策を実証。

PR TIMES / 2024年8月6日 12時45分

避雷器メーカー昭電・雷研究で知られる中部大学山本教授との共同実験。独自開発の「自動電源抜き差し装置」で雷サージからの完全保護に向けて前進!



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/87579/2/87579-2-8bf8e09656fbe938e3c61681be67ff8b-1890x990.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
石川県後高山のラジコンサーキット場に建設した、高さ30m超の鉄塔

電気設備工事サービスの株式会社セイクン(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:上野晃、 以下、セイクン)は、2021年より冬季雷多発地域である石川県後高山にて、雷サージ対策に向けた実験を行っています。2023年8月には同所に実験用の高さ30m超の鉄塔を建設し、この度2024年7月をもって実証実験設備が完成したことをお知らせいたします。
当設備にて、避雷器メーカーの株式会社昭電・雷研究で知られる中部大学山本教授との共同実験を開始し、冬季雷の詳細なデータを取得し特徴を知ることで有効な雷サージ対策を実証し、落雷からの完全保護の実現を目指します。また、実験過程では独自開発の「自動電源抜き差し装置」による電気機器の保護にもすでに成功しています。

株式会社セイクン:https://seikun.co.jp

◆冬季雷による誘導雷実証実験設備の背景・目的◆
日本の日本海沿岸は、世界的にも珍しい冬の雷「冬季雷」が発生する地域です。冬季雷は夏の雷と比較してエネルギーが非常に大きく、夏の雷の100倍近くになることもあります。そのため、落雷被害も甚大になるため対策が必要です。
落雷には主に「直撃雷」と「誘導雷」の2種類があります。「直撃雷」は雷が直接建物等に落ちることです。「誘導雷」は雷が直接建物に落ちるのではなく、雷によって発生した強力な雷サージが電源線や通信回線を通って建物内部へ侵入することです。
そのため、避雷針を設置していたとしても雷サージが侵入してくる可能性があるため、安全とは言い切れません。建物内部に侵入した雷サージは過電圧・過電流となり、電源線等に接続された電子機器へ侵入してしまうのです。半導体工場で送電線への落雷により工場の電子機器が損傷を受けるなど、被害事例は全国で報告されており、雷サージ対策は非常に重要です。

◆自然環境下での誘導雷対策実験◆
そこでセイクンは独自に冬季雷や雷サージの研究を進めるため、2021年から冬季雷多発地域である石川県後高山にて実験を開始しました。最初の2年間はコンクリート柱への落雷実験を行いましたが、SPD(避雷器)を設置していてもカメラやセンサー、カウンターなどの電子機器が故障してデータが取れず、実験が思うように進みませんでした。
この状況を打開するため、新たな実験施設の建設を決意。2023年に高さ30メートル超の鉄塔を建設しました。この鉄塔に雷を落とすためにフランクリンロッド避雷針を設置し、セイクンが独自に開発した「自動電源抜き差し装置」を新たに加えました。さらに前回の反省からSPDの設置方法や配線の見直しを行い、2024年7月、遂に雷サージ実験施設が完成しました。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/87579/2/87579-2-8afae39b92c44f4dca274617a7989c27-1419x842.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
雷サージ実験施設概要

◆雷研究の第一人者である大学教授と、大手避雷器メーカーとの共同実験◆
SPDの設置方法や配線の見直しには、雷研究の第一人者として名高い中部大学の山本教授と、SPDの最大手メーカーである株式会社昭電の技術者様にご協力いただきました。
山本教授には、実験の正確な記録が取れるか、実験の設計・施工が正しいかどうかを監修いただき、取得データの分析を行っていただきます。株式会社昭電の技術者様には、昭電の製品が正確に取り付けられているか確認いただきます。
2024年7月、石川県の実験設備場にて現地調査を行っていただき、遂に実験施設が完成しました。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/87579/2/87579-2-593a3e4c69fb737022365809e1e0b22d-900x900.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
中部大学山本教授によるアドバイス「落雷発生時に配線から雷サージが侵入するため、構造物に配線を触れさせないよう注意が必要です」
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/87579/2/87579-2-17586788bdb52278c3876f8ca4b3998d-1512x1512.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
昭電技術者様「ロゴスキーコイルが正しく雷サージを検知するために、巻き方を調整します」※ロゴスキーコイルとは落雷電流を計測するための装置

◆独自開発 自動電源抜き差し装置について◆
鉄塔にはセイクンが独自に開発した 自動電源抜き差し装置 を設置しており、次のように動作します。
- 装置内部の雷センサーが雷雲の発生を検知(約10kmの範囲)
- 雷雲が発生すると自動でコンセントを抜く
- 雷雲が去ると自動でコンセントを入れる

誘導雷による雷サージは電源線等から侵入するため、保護したい電子機器が電源に接続されていなければ雷サージの被害は受けません。
【電源】→【自動電源抜き差し装置】→【UPS(モバイル電源)】→【電子機器】
の順に接続することで、雷雲の接近により自動でコンセントが引き離されても、UPSにより電子機器への電源供給が保たれます。雷雲が遠ざかった後は自動でコンセントが接続されるため、通常の電源供給に戻ります。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/87579/2/87579-2-66a22d754646b11bb97b5aa36f64226b-900x901.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
鉄塔に設置した昭電製ロゴスキーコイル(右側)、UPS(モバイル電源)と自動電源抜き差し装置(左側)
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/87579/2/87579-2-ac74291a89299616c3aa2772b016283e-723x537.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
接続順は、コンセント→自動電源抜き差し装置→UPS→電子機器(雷サージから保護したい機器)。商用電源とバッテリーを併用することで、バッテリーのみに頼らないところがポイント。

また、抜き差しが行われた記録が保存されるため、鉄塔への落雷データと併せ「いつどのような雷が落ちたか」「雷が落ちた時に装置が稼動し保護はできたか」を検証することが可能です。今後は、落雷により故障する頻度が高い機器(カメラ等)を設置し、それらを保護できるかどうかも実験・検証していきます。
この装置は中部大学の高電圧実験室にて、山本教授監修のもとに耐雷実験を実施済みです。
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/87579/2/87579-2-305084c561bfa2d49fd654ee17ca3882-1044x588.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
鉄塔への設置状況(ロゴスキーコイル、自動電源抜き差し装置、UPS)

◆すべての雷サージ対策・トータルプロテクトの実現へ◆
この実証実験施設により
- 冬季雷の詳細なデータの取得(落雷時の雷波形、電流値、電荷量など)
- 冬季雷による雷サージ対策の実施状況/対策案の検討

が可能となります。

実験室で「意図的に作り、落とした雷」による実験だけでなく、自然環境におけるフィールド実験も非常に重要なポイントです。実際に雷が落ちた時の雷波形、電流値、電荷量状況、その時のSPDによる保護状態を総合的に判断することで、冬季雷/雷サージに対応可能な機器の選定や、既存の雷保護機器の最適な組み合わせを検証することができます。これまで未解明な部分が多かった冬季雷の特徴を知り、有効な雷サージ対策が実証できれば、夏季雷への対策に応用することも可能です。
セイクンはこれまで避雷針工事によって直撃雷保護を実現してきました。しかし、雷の被害は直撃雷だけではなく、誘導雷による雷サージ被害があることを忘れてはいけません。直撃雷と誘導雷、両方を保護することで初めて落雷からの完全保護が実現します。セイクンはすべての雷から建物や電子機器を保護するため、設計・施工をワンストップで行うことができる「雷のトータルプロテクト会社」を目指します。

◆株式会社昭電・中部大学山本教授に関して◆
【株式会社昭電】
日本全国の情報通信ネットワークを支える大手SPDメーカー。
1965年に電子通信機器のエンジニアにより設立。
雷インパルス電流発生装置や三次元地震波発生装置など、世界トップクラスの試験設備により製品開発が行われている。
【中部大学 山本教授】
日本の雷研究の第一人者。雷害対策に関する様々な研究を行っており、特に風力発電機器への落雷対策専門家として名高い。
所属:  工学部 電気電子システム工学科 / 大学院工学研究科 電気電子工学専攻
所属学会:IEEE、日本風力エネルギー学会、電気学会
専門分野:電力工学、高電圧・大電流工学

◆会社概要◆
【株式会社セイクン】
名古屋に本社を構える電気工事会社。打合せから立会試運転までワンストップで対応。
社名の由来は「生きる訓練」=「生訓」。人生とは常に訓練であるとの考えが由来。
住所:   愛知県名古屋市南区赤坪町213-1
電話:   052-821-2176
URL:   https://seikun.co.jp
代表取締役:上野晃
設立:   1983年8月
資本金:  4500万円
事業内容: 工場内電気設備工事 / 制御機器工事 / 制御盤設計・製作 / 避雷針工事

【本プレスリリースに関するお問合せ】
株式会社セイクン
TEL:052-821-2176
Mail:y-iwase@seikun.co.jp

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