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『休昌院 令和の大改修』が「ウッドシティTOKYOモデル建築賞」奨励賞受賞

PR TIMES / 2024年12月20日 10時45分

歴史的建造物の合法的な再生計画、及び都市部での伝統的な社寺建築改修が評価



合同会社あまね設計(本社:東京都世田谷区/代表:下川太郎)は、「休昌院 令和の大改修」が、2024年度のウッドシティTOKYO モデル建築賞(東京都主催)において、奨励賞を受賞したことをお知らせします。本作品は、「検査済証のない建物を適合認定のガイドラインを使い、法的な質の担保を確保しつつ新しい増築を行っている点」「都市部において伝統的な社寺建築の改修を行っている点」等が評価されました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/152834/2/152834-2-ad78c781bf91387b62332efcbc91c602-3900x2417.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
既存建物が本堂の正面を塞いでいたが、移設・減築・増築を行い敷地全体を整備し寺院の象徴性を取り戻した
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/152834/2/152834-2-c5c9e0637006ae9ab07c8bd85b130b55-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
寺務所:既存部と増築部の境目のトップライトから"渡りあご掛け"の連続梁を通り抜け、建物中央部に自然光が降りそそぐ

上野池之端の臨済宗寺院「休昌院」の本堂、寺務所、庫裡の改修・減築・増築・新築を含む大規模改修は、7年の歳月をかけて行われました。
計画のポイント
1.検査済証のない歴史的建造物を合法化し、増築を可能にする
2.都市部の社寺建築の隠れた価値を取り戻す
3.国産材を用い、技術を伝承する

1.検査済証のない歴史的建造物を合法化し、増築を可能にする
日本の木造建築では、築年数が古い建物の多くが検査済証を取得しておらず、そのため改修や増築を行う際に大きな障害となっています。本計画においては、「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」による調査と耐震診断を行い、増築対象となる建物の合法化を図りました。主な流れは以下の3点です。
- 住宅医と共に建物の実測調査を行い図面資料を作成
- その後既存建物を分析し耐震補強工事を行う
- 耐震性を担保した既存建築物としてのガイドラインによる適合性を確認


[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/152834/2/152834-2-a1f07b31bca5471e008f283fc2755448-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
本堂:耐力壁を増やしつつ建具を更新、また畳を取りやめ、クリ無垢材の朝鮮張り床とし椅子座に対応した
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/152834/2/152834-2-a50b0cca96ae55dd9926936a065ec808-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
新規梁と鋼製ブレースを追加した小屋裏耐震補強

2.都市部の社寺建築の隠れた価値を取り戻す
江戸時代から栄えた寺院群の一つである休昌院は、地域の風土や文化を体現する重要な文化資源でありながら、度重なる増改築により本来の象徴性や格式が失われ、その価値が覆い隠された状態にありました。この状況を受け、本来の寺院建築が持つ価値を取り戻すため、「用・強・美」を基軸とした改善を施し、文化的価値の再構築を図りました。

用(用途)
現代の法要が床座から椅子座へと変化していることに対応し、空調機器の更新や効率化を図ることで、使い勝手を改善しました。
強(強度)
大地震が発生しても倒壊しない程度の耐震強度を確保するため、本堂の補強を実施しました。本堂は建築基準法施行(昭和25年・1950年)以前の建物であり、現行の建築基準法や耐震改修促進法に適合させることはできないものの、文化遺産を保護する観点から任意で耐震改修を行いました。主な補強措置としては、小屋組の補強、耐力壁の追加、基礎の補強を実施しています。
美(美しさ)
社寺建築文化を尊重し、敷地内の他の建物との調和を図るため、統一感のあるデザインコードを策定し、細部に至るまで丁寧に仕上げました。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/152834/2/152834-2-9f61b3f20338cf5171860b052fd73162-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
既存部と増築部の境目には、エキスパンションジョイント機能を備えたトップライトを考案し、手刻みの伝統的な仕口継手に光が集まるシーンを演出した
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/152834/2/152834-2-9af5ce6c015425ba9b6e0866d48fd833-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
縦格子ピッチを揃えることで敷地内の他の建物と調和をとる

[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/152834/2/152834-2-232a34a612a15cae9c461ab231e3478c-3900x2606.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
暗かった建物内部に自然光が降りそそぐ
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/152834/2/152834-2-940f6882a2c8a0fbf9e11d998d4f2d65-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
本堂の中心性に配慮した寺務所ボリュームに減築した

3.国産材を用い、技術を伝承する
本計画では、すべての木材に国産材を使用しています。主に埼玉県産材(西川材)を中心に、桧は和歌山県産(紀州材)、広葉樹は福島県産(会津材)を使用しました。また、どこで誰が生産しているのかを概ね把握した上で、森林伐採から製材、乾燥、製品化までを一体的に行う木材事業者から納材を受けることで、「顔の見える関係」を構築し、生きた材料の取扱いと説明責任に対応しています。
さらに、日本の大工技術の伝承を目的として、伝統的な仕口・継手を採用しながら、新たな納まりの検討を繰り返しました。

[動画: https://www.youtube.com/watch?v=iWGFm28XWwM ]
漸進する伝統  -街の風景と建築家-   
職人技術が失われつつある今日、新たな技術を開発するだけでなく、伝統的な技術を尊重し再評価することも、木材利用の新たな可能性を見出す重要な取り組みです。伝統とは、新しい技術を受け入れつつ調和を図り、漸進的に発展していくことで、革新性を保ち続けるものだと考えています。

ウッドシティTOKYOモデル建築賞とは
木材の大消費地・東京において、新たな木材需要を喚起することで、多摩地域をはじめ全国の森林循環を促進し、林業・木材産業の成長を図ることを目指し、大都市東京において木材利用の新たな可能性を開拓する革新的・モデル的な建築物又は木質空間を表彰するコンクールです。
詳細を見る


建築概要
[画像9: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/152834/2/152834-2-a00628a27aa778d21a9d69ee25220101-1800x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

名称:休昌院 令和の大改修
所在地:東京都台東区池之端
竣工年月日:令和3年12月2日
構造・構法:木造・軸組工法
用途地域:近隣商業地域
防火地域:準防火地域
建築面積:庫裏56.85平方メートル  本堂113.90平方メートル  寺務所193.17平方メートル
     合計 363.92平方メートル
延床面積:庫裏152.11平方メートル  本堂113.90平方メートル  寺務所282.72平方メートル
     合計 548.73平方メートル
設計:あまね設計
施工:欅組
写真:川辺明伸



[画像10: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/152834/2/152834-2-5e9a6f0ba90360b85dcedb995cb8551e-591x591.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

受賞:ウッドデザイン賞2023



企業概要
[画像11: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/152834/2/152834-2-613222a63c8f6f6b74aae5be9240ef4a-182x182.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

法人名:合同会社あまね設計 一級建築士事務所
代表:下川太郎
住所:東京都世田谷区代田6-11-8-2F
Web: www.amane-llc.jp
Instagram: https://www.instagram.com/amane_archi
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCyUKyndY8sE2p95KbgATFgw



「普通で特別なもの」をつくる設計事務所。
日々の生活の中で、小さなしあわせを感じられる瞬間。その機会が増える建物をつくることを目標に、生活をお客様とともに考えます。普通で普遍的な価値を追求しながら、お客様の固有の特別な思いを汲み取り、その時、その場所でしか生まれない唯一無二の建物を創り上げます。
近年の代表作には、「ONDPARK」「国賀荘ヂナカチ」「大室山の高床」などがあります。

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