アボットが生体吸収性薬剤溶出スキャフォールド国内臨床試験を開始

PR TIMES / 2013年6月12日 10時53分

日本の患者に対する無作為化比較試験を通し、「体内にて吸収される」画期的な冠動脈治療用デバイスの効果を評価する。

2013年6月12日 アボット バスキュラー ジャパン株式会社 (本社:東京都港区、代表取締役社長:ハービンダー・シン)は、生体吸収性薬剤溶出スキャフォールド(BVS)の無作為化比較試験を国内で開始したことを発表しました。本臨床試験(治験)の結果は、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)へのBVSの承認申請に用いられます。

アボットのBVSは網目状のチューブ形で、心臓病の中で最も一般的な冠動脈疾患(CAD)*1 の治療を目的とし開発され、閉塞した血管を拡げることで血流を回復させ、留置後体内にて吸収されます*2。BVSは、体内に永久的に留置物が残る従来型の金属製ステントとは異なるため、「仮設構造物」を意味する、スキャフォールドと呼ばれています。アボットのBVSは、吸収性縫合糸などで一般的に利用されているポリラクチド(ポリ乳酸)で構成されており、この材質は高い生体適合性が既に証明されています。

CADは、現在世界的に主要な死亡原因といわれており*3、日本においても、食生活やライフスタイルの変化により、近年、心臓病による死亡率の増加が懸念されています*4。CADの患者では、血管内の脂質やコレステロールの蓄積による血管の閉塞により、心臓に十分な血流が供給されなくなり、胸痛や息切れの症状が現れます。世界保健機構(WHO)によると、循環器疾患は日本における全死因のほぼ3割を占めるとされています5。

本治験では約400名の被験者を登録し、市場をリードするアボットの金属製薬剤溶出ステントであるXIENCE(R)シリーズと比較した同社BVSの有効性と安全性を検証します。本治験の主要評価項目は、12 ヶ月経過観察時におけるTLFで、心臓死、標的血管関連の心筋梗塞(TV-MI)および虚血性標的病変血行再建(ID-TLR)の複合評価項目により、BVSの有効性および安全性が評価されます。

京都大学医学部附属病院 循環器内科教授であり、本治験の治験調整医師である木村剛医師は、「アボットの生体吸収性薬剤溶出スキャフォールド(BVS)は、最終的に完全に生体吸収され血管壁に異物を残さないことで*2、従来の金属製ステントではなしえなかった、血管本来の機能を回復させる治療法として、新たな治療選択肢となることが期待されます。これまでの海外におけるアボットのBVS試験では、非常に良好な臨床結果が既に得られています。本治験が開始されることで、今後、日本独自のBVSの安全性と有効性データが示されていくことになり、実臨床への導入に向けて非常に重要な一歩を踏み出したことになります。この画期的な治療法を日本で早期にかつ安全に使用できるよう貢献したいと考えます。」と述べています。


また、本治験では重要副次評価項目として、最先端の画像診断法を用いたBVSの治療効果について評価されます。なお、本治験に登録された被験者は、治療後5年間に渡り経過観察を受け、国内における冠動脈疾患CAD患者に対するアボットのBVSの長期的な効果が提示されることになります。

日本で本治験の最初の症例は、湘南鎌倉総合病院 副院長・循環器科部長の齋藤 滋医師によって登録されました。また、齋藤医師は、2010年1月、欧州、東南アジア、日本、カナダ、中南米で行われた大規模前向き単群試験であるABSORB EXTEND試験においても、BVSの日本初の症例登録を行っています。今回の治験実施にあたり、齋藤医師は次のように述べています。「アボットのBVSの性能は、術中の使いやすさの点で、現在使用されている最先端の金属製薬剤溶出ステントと比べ遜色なく使用でき、血管への追従性も優れています。また、アボットのBVSは従来の金属製ステントとは異なり、時間の経過と共に体内にて吸収され消失するため*2、日本の医師や患者にとって非常に魅力のある治療法であると共に、慢性期の良好な予後も期待できるため、有望なデバイスであると実感しています。」と述べています。

アボット バスキュラー ジャパン代表取締役社長のハービンダー・シンは、「年々懸念が高まっている循環器疾患の治療向上のため、我々は本治験を通じ、日本への革新的な医療技術の導入に向け取り組んでおります。本治験では、日本のCAD患者に対する世界初の生体吸収性薬剤溶出スキャフォールド(BVS)の安全性と有効性が示されることになり、本邦でのBVS承認申請に向け、引き続き前進していくことを期待しています。」と語っています。


*1 出典:Coronary Artery Disease. National Heart, Lung and Blood Institute. May 2011.

http://www.nhlbi.nih.gov/health/health-topics/topics/cad/


*2 Absorb dissolves except for two pairs of tiny metallic markers, which help guide placement and remain in the artery

to enable a physician to see where the device was placed.


*3 出典:The top 10 causes of death, World Health Organization. June 2011 

http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs310/en/index.html


*4 出典:Iso, H. (2011). Lifestyle and cardiovascular disease in japan. Journal of Atherosclerosis and Thrombosis,

Retrieved from

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21307610


*5 出典:World Health Organization (n.d). The impact of chronic disease in Japan. Retrieved from

http://www.who.int/chp/chronic_disease_report/japan.pdf


【生体吸収性薬剤溶出スキャフォールド(BVS)について】
アボットのBVSは、網目状のチューブ形で、閉塞した血管を拡げることで心臓への血流を回復させるために用いられます。BVSは、体内に永久的に留置物が残る従来型の金属製ステントとは異なり、留置後体内で分解され消失するため

*2、「仮設構造物」を意味するスキャフォールドと呼ばれています。

アボットのBVSには、同社XIENCE(R)薬剤溶出ステントに用いられている、抗細胞増殖剤のエベロリムスが用いられています。エベロリムスはNovartis Pharma AGにより開発され、アボットは、同剤の薬剤溶出型冠動脈治療機器への使用に関して、ノバルティスよりライセンスを取得しています。エベロリムスはその細胞増殖抑制作用により、冠動脈ステントやスキャフォールド内の新生内膜増殖を抑制することが明らかにされています。

CEマークが有効な、中東、中南米の一部、インド、香港、マレーシア、ニュージーランドを含むアジア太平洋諸国の一部においてBVSの市販は認証されていますが、米国、日本では、BVSは開発中のデバイスであるため、現在市販はされておりません。


【アボット バスキュラーについて】
アボット バスキュラーは、薬剤溶出ステントを含む血管系疾患治療分野のリーダーとして市場を牽引する製品や業界をリードするパイプラインと共に世界規模で事業を展開しています。冠動脈治療、血管穿刺部止血(クローザー)デバイス、末梢血管治療、構造的心疾患治療のために多岐にわたる医療機器を提供しています。

詳細 については、http://www.abbottvascular.jp (日本) http://www.abbottvascular.com (グローバル)をご覧下さい。

【アボットについて】
アボット社は、広範囲のヘルスケアに基盤を置くグローバルヘルスケア企業であり、人々の生活を向上させるために製品や技術を開発しています。主要な事業内容は、科学的知見に基づいた診断薬・機器、医療機器、栄養剤そしてブランドジェネリック医薬品を提供しています。グループ総従業員数約70,000人を擁し、世界150カ国以上で営業活動を行っています。

【アボット ジャパンについて】
日本国内では、従業員約2,200人が栄養剤、医療機器、診断薬・機器そしてビジョンケア製品を含む医薬品と医療機器に関する製造、研究、開発、流通および販売とマーケティングに従事しています。東京、福井、千葉に主要拠点を置いています。

アボット社( http://www.abbott.com )、アボット ジャパン( http://www.abbott.co.jp )、ツイッター( @AbbottNews < https://twitter.com/AbbottNews >)も合わせてご参照ください。
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